気の緩みを戒めよ。

 中国電力島根原子力発電所1,2号機で大量の点検漏れが発覚した。機器の安全性を考慮した分解・交換の時期を過ぎた点検漏れの機器は511件。そのうち誤記載が215件で過去の点検リストを使用していた機器が119件あるなど杜撰そのものだ。全体では実に1671件もの点検漏れ・点検計画の不備があったという。


 


 原因として考えられるのは点検の実施状況が経営者に伝わらず現場任せになっていたためのようだ。点検漏れなどを防止するために点検を管理する組織を会社内部に設けるなど改善するように経済産業省原子力安全・保安院は防止策を勧告し、島根原子力発電所へ立ち入り検査をするとしている。


 


 いうまでもなく原子力は膨大なエネルギーを内包し使用次第では環境破壊どころか大勢の死者を出す甚大な被害をもたらす。米国のスリーマイル島や旧ソ連のチェリノブイルを持ち出すまでもないだろう。幸いにして我が国は原子炉がメルトダウンするような危機的な事態に直面したことはないが、何名かの犠牲者は出している。そうした恐竜のようなエネルギーの塊を制御する技術は確立しているとはいえ、一歩誤るととんでもない事態になることを常に心していなければならない。


 


 世界で1位の米国に次いで仏国と2位か3位の座を争うほどの50数基もの原子力発電所を持つ我が国は機器に慣れて安全管理を怠ることなく原子力発電所にかかわるすべての者は緊張感を持っていなければならない。


 各電力会社も時代の趨勢で自社の正社員で保守点検に当たるところは少ないようだが、安易に作業委託で済ませるのではなく自社社員で点検管理や安全確認を行うべきだ。そして外注発注した作業もきちんと点検しなければならない。それは経営者にも言えることだ。地域独占企業として国際的に高い電気料金を取っている電力各社の経営者は社内全般に高いモラルを保持するように努めなければならない。


 


 なにかというと我が国の電力料金は国際比較でそれほど高額でないと強弁する人たちがいるが、高額な証拠はアルミ精錬事業が国内で成り立たないことが如実に示している。電力料金を擁護する御用経済学者も恥を知るべきで、いかにして競争原理を持ち込むかを考えるのが必要ではないだろうか。米国などでは発電事業と送電事業を別会社に分け、発電事業に民間参入を認めて競争原理を働かせている。官僚と密接にコミットした各電力会社の圧力でそうした改革も我が国では困難かもしれないが。


 電力料金の原価組成を見てみると発電燃料費が20%以下というのは不当といえるほど高額に料金設定してある証拠ではないだろうか。電力の安定供給義務を我が国の電力各社が懸命に果たしている事実は評価するが、まだまだ改善の余地が多いのも事実だ。



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