何と物分りの良い国民だろうか。

 増税分パーセントの提示こそないものの、消費税増税が必要だとする国民が66%の割合に達しているという。官僚は物分りの良い国民を相手に優雅な暮らしが続けられるとほくそ笑んでいるだろう。


 民主党のマニフェストにある公務員改革は給与の二割削減をはじめとして国の出先を原則廃止する案も手つかずのままだ。それでも国民の過半数は消費税の増税に理解を示している。


 


 財政破綻が近づいているとのマスコミ報道とギリシアの国家破綻による欧州経済全体の混乱を見せつけられているためだろうか。しかし国家財政の破綻が近づいているかどうかは別として危機的な状況にあるのは間違いないだろう。それならそれに対して政治家が官僚から自律的な行政改革案の提示を求めてはどうだろう。今までは政治家が官僚に操られて税調を行い、それを受けて増税するのだから官僚には全く責任がなく忠実な行政の執行者だとする建前で推移してきたが、それは少しばかり変ではないだろうか。大臣をはじめ省庁を掌握する政治家は一年足らずで代わるが、官僚はずっとそこに居座っている。それなのに官僚は責任がないとするのなら、それなら一層のこと破綻させた方が話は早いのかもしれない。


 


 国家財政が破綻すると国際的な信用問題にかかわるとか、国際的に恥だと考えるのは大きな勘違いだろう。それなら韓国はどうだっただろうか。1997年に国家破綻してIMF管理下となり塗炭の苦しみを味わったが、そのことにより公務員の削減と給与の引き下げは劇的におここなわれ、業界の再編は進みその後のサムソンなどの国際進出につながっている。国家破綻により韓国が国際的な信用を失墜して今も国際的にまずい立場にあるだろうか。


 


 それよりもJALを見れば分かることだが、破綻させずに公的資金を注ぎ込んで再建させる道を採ったため、甘ったれた体質は温存されたままだ。


 官庁の外郭団体はすべて公的なものに取り込んでそれから行政改革を実施すべきだ。尻抜けとなっている網をいくら細めても魚という公金はダラダラと外郭団体にタレ流し続けられるだろう。つまり公金や国民の負担金や公的資格受験料や公的資格の協会団体などはすべて国民から見れば公的なものへの支出であり税の一環だ。それをすべて公務員とした上で改革をしなければ意味がない。つまり母屋は何処も赤字だが離れはどうなっているのか。母屋の定数をいじくっても離れへ避難するだけなら意味がない。そもそも離れを設けたことが間違いなのだ。


 


 全く行政改革に手つかずの段階で増税を論議する意味は何だろうか。官僚は財政が危機的だと騒げば、あるいはマスコミにそうした情報を流せば国民は「大変だ」といわれなき危機感に追い立てられる。つまり官僚が歳出削減努力を全くしなくて良いことになりはしないだろうか。


 民間企業で赤字に転落した会社がどれほど凄まじい経費削減を全社員に徹底させるか。そうした民間企業の経験者が官庁へ入って一年ばかり点検するだけでも膨大な削減額が出てくるだろう。


 そして公務員給与に付加されている各種手当を廃止することだ。近場への出張(?)手当てから始まって、危険(?)職種への危険手当まで、すべての手当てを現在の民間並みに見直すだけでも膨大な額が削減できるだろう。その上で給与と年金を民間並みにすることだ。国民に増税をお願いするのなら、その程度の痛みを公務員も分かち合うのが当然ではないだろうか。


 


 さらに国会議員をはじめとする地方の議員までも定数の見直しをすべきではないだろうか。特に地方議員は自治法に定める定数一杯に実施している議会は皆無だろう。それなら有名無実化した地方議会の定数を総務省はしかるべき有識者から意見を聴取して真剣に議論すべきだろう。


 憲法にかかわるが議論を大きく踏み込めば、国会は二院制である必要があるのかも議論した方が良いだろう。衆議院と同じカーボンコピーといわれる参議院に存在意義はあるだろうか。


 


 行政の効率化を考えればIT化は避けられない。政府では税の徴収から国民納税番号を考えているようだが、そうした省庁別のシステムを考えるのは止めた方が良い。住基ネットで膨大な予算を使って国民総背番号をワンセット設けている。さらに各省で違う番号を設けてどうするのだろうか。非効率的も甚だしい。


 一億二千万人の国民のすべての情報を管理するとして、それほど膨大なシステムが必要とは思えない。確かに数は多いが、それぞれの項目は単純そのものだ。たとえば市販の住所管理ソフトを考えてもらいたい。五千円程度のソフトでも氏名と郵便番号と家族氏名と電話番号と生年月日と住所、それも会社と自宅の二つの住所も記入できる。そうしたソフトで管理する程度の情報を少し膨らませた程度で十分に対応できるはずだ。住基ネットのソフト開発に何十億円をかけただろうか。五千円程度の市販住所管理ソフトですら、そうした情報を十万件ほど管理できる能力を持っているのにだ。


 


 さて、算盤とタイガー計算機から各自がPCを操る時代に変わって久しく、膨大な書類の処理も簡単になっているはずだが公務員定数が大幅に削減されたという話を聞かないのはなぜだろうか。行政需要が増えているからだという言い訳は何度も耳にするが、公務員が国民の為に以前よりも身近で働いているとの実感がないのも事実だ。


 たとえば老人福祉にしても国は介護保険で対処していると説明し、介護保険会計も危機的だとマスコミは伝えている。それなら特養にいくら公的なお金がかかっているのか、その予算総額を被介護人数で割ると一人当たりいくらかかっているのか、そして被介護人が支払っている介護料が平均的にいくらかかっているのか、検討できる資料を国民に示すべきだろう。わけのわからない金額を示して国民を煙に巻く戦術はやめてもらいたい。


 非効率な仕事の権化のような組織は民間並みの効率性を導入して直接現場にお金が流れるようにしなければならない。官僚が怠慢の上に胡坐をかいて「金がないぞ」と叫べば政治家が増税論議を始めるという構図に国民は呆れ返っている。



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