ついに「政局」へ抑え込まれたのか。

 確かに稚拙な鳩山首相の言動は問題だが、鳩山首相を引き摺り下ろして何がどう変わるというのだろうか。民主党参議院改選組が浮足立っているというが、首相を変えれば選挙情勢が良くなると考えるのは他力本願に過ぎないだろう。そして現在の日本で政局騒動にかまける時間的な余裕があるのだろうか。


 


 マスコミは繰り返し社民党の女性元二閣僚が役所を去る際の涙の会見を流したが、論理と情緒をごちゃ混ぜにする得意の手法で国民に憐憫の情を誘い社民党を擁護するかのようだ。普段は決して社民を擁護しないマスコミも鳩山政権潰しに役に立つとみるとなれば、日本の政治と関係のない涙の会見を繰り返し見せるのは意図が透けて見えていやらしさそのものだ。


 


 いよいよマスコミは鳩山首相退陣を迫り、最後の詰めに入ったようだ。泥沼を這うような苦労を知らないお坊ちゃま首相は打たれ弱く、間もなく音を上げるだろう。民主党は鳩山氏を首相の座から降ろしても解散総選挙を打つ状態にないことから、自民党のように選挙用の顔を挿げ替えるだけになってしまうだろう。するとマスコミは民主党はかつて批判していたことをしているではないかと更に叩く。完全にマスコミの戦略に乗せられた国民は民主党潰しに参議院選挙で動くことになる。旧体制の復権を画策するマスコミと官僚にまんまとしてやられたわけだ。


 


 政治はその国民のレベルを超えない、とは良くいったものだ。世界へ向けて日本の政治家の顔がはっきりと見える政治をやらないと、日本はますます国際舞台で存在感を失ってしまう。


 日本のマスコミは本当に日本の国益のために動いているのだろうかと疑いを持つ。政府をよってたかって攻撃し、評論家どもが半ケツのタレントを論評したすぐ後に同じ口で日本の首相を無能呼ばわりする。


 


 鳩山氏が退陣することで普天間問題は片付くのか。ついでに小沢氏まで幹事長を罷免することになると、民主党を誰がまとめてゆくのか。無責任なマスコミは喜んで舞い踊っているが、日本の政治をどうしようとしているのか。政治家がまともなガバナンスを発揮しそうになると総攻撃を仕掛けて潰し、ついに日本から大物といわれる政治家はいなくなった。自民党に到ってはあらゆる場面で小泉ジュニアを登場させている。自民党の顔は小泉ジュニアということだ。子供店長が流行ったが、それは政治の世界でも同じことのようだ。


 


 辻国会議員が東京地裁に検察審査会のことで電話したとマスコミは騒いでいる。検審会がどのような手段でどういう人選をしているのか知りたいのは辻氏だけでないが、電話を掛けたことがすぐに報道されるとは検察だけでなく裁判所も情報リークをするようだ。


 大本営とマスコミの作り出した政局に国民が踊らされている状況は戦中の国民世論形成と全く異ならない。大マスコミが同一歩調で政権を攻撃するときには「何かある」と立ち止まって考えることをしなければ、日本はマスコミを操る人たちの思惑の中で動き続けることになり何年たっても何も変わらないだろう。


 


 私見を述べさせていただけば政治家は選挙のために働くのではない、国家と国民のために働くのだ。選挙が厳しいからといって看板の付け替えのようなことは断じて慎むべきだ。一人の政治家に複数年首相を勤めさせなければ一定の成果は上げられないし、いつまでたってもポピュリズム政治の悪弊がこの国を覆ったままになるだろう。参議院選挙の候補者の面々をじっくりと眺めるが良い。地方の片隅で長年政治に邁進してきた人がついに人々に認められて国政の場へ臨むような候補者が何人いるだろうか。その程度のことだから首相の人気が落ちると日も夜も明けぬとばかりに騒ぐのだ。


 自分たちが選んだ首相の人気が落ちるのも自分たちの責任と思い定めてザワザワと群竹のように騒がないことだ。国会議員には大樹となって国民の信頼を得る人物になるためにどっしりと構えてあらゆる困難を受け止める心構えが欲しいものだ。



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