現実路線という政策の怠慢。

 民主党は去年夏のマニフェストを大きく変え、もしくは後退させた参議院選挙用のマニフェストを発表した。それに対してマスコミは現実的政策だと概ね好評価を与えている。あたかもマスコミ主導による世論操作の結果がどのように現れたかというマスコミによる勤務評定、もしくは政策点検のようだ。この国はマスコミ独裁制国家になったかのようだ。


 


 しかし現実路線ということは現在の政策と社会情勢を認めて、小手先の改善に努める、ということだ。事実労働派遣改正法は廃案となり、これまでと変わらない。郵政法案も廃案となった。昨年夏に民主党が目玉とした政策が未達成のまま相次いで見直されるのは民主党らしさの否定だ。菅政権はそこまでしてマスコミから大甘な採点をして欲しいのだろうか。


 


 国民の弱者に配慮し、生活目線を大切にする政策は影を潜め、法人税減税と消費税増税論議に踏み込むのは弱者配慮を旨とすね政党の看板を下ろしたということなのだろう。選択と集中をしなければならない空港と港湾施設整備に当たって、政府は選定を選挙後にするとした。つまり選挙前に選定するのは選定されなかった地域で選挙が難しくなるからだろうが、その程度の選挙戦術で国の将来展望と成長戦略を国民に示すことはできない。


 


 国費の無駄を省いて財源とする、としていた行政改革はまだ事業仕分けをほんの一部で実施しただけでギブアップしたのだろうか。外郭団体の幾つが廃止され、幾つが統合され縮小されたのか、発表は一度もないまま増税路線へ舵を切り替えるのだろうか。対投資効果を測定しないままに、あるいは実現不可能な予測を立てた事業による税の無駄遣いを検証することもないまま、コンクリートから人へ、のスローガンも廃止したというのは民主党らしさを放棄したということなのだろうか。


 


 たった八ヶ月の政権経験で官僚のサボタージュに痛い目に合わされて、もう懲りたとばかりに官僚に擦り寄るのなら自民党と何も変わらない。八ヶ月前に掲げた理想を実現するために改正すべき点は改正し、書き足すべき点は書き足して前進すべきなのに、早くも菅政権は官僚と大マスコミに白旗を上げて迎合してしまった。それでも良いのか、民主党とその支持者は。たった八ヶ月の砂上の楼閣として理想が消え去っても、国民は是とするのだろうか。



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