高速道路無料化社会実験とは

 無料化すれば混むのではないか、という議論がある。確かにこれまで料金を払うほどなら一般道路を走ろう、と我慢していた人たちまでも高速道路へ入って混雑するのも頷ける。


 


 高速道路は有料という障壁を設けて一部の人たちに使用を認める、というものではなかったはずだ。建設費用の償還が済めば無料化する、というのがそもそもの約束だった。それが途中から料金による建設費償還のプール制という何だか分かったような分からないような制度へ移行してしまって永遠に無料化にならない、つまり道路公団の利権が永遠に続く体制へ移行したのだ。


 


 高速道路が無料化によって混雑すれば高速道路本来の「高速通行」が保てないという反対意見も理解できる。しかし一般道路の事故率と高速道路の事故率とを比較すると圧倒的に高速道路の方が低い。車が生活道路を爆走するのでなく、車専用道路を走る方が地域社会に暮らす者にとっても安全なのは言うまでもないだろう。そして高速道路が混雑しても一般道路の混雑と比べれば時間ロスはそれほどでもない。


 


 まだ一部無料化だから料金所は残ったままだ。混雑が一番発生するのは指摘するまでもなく料金所だ。だから全線無料化すれば現在の混雑とはまた違った混雑が見られるはずだ。そうした状況を検討して対策を練るのが本来の混雑解消対策だ。


 


 ただ高速道路無料化で影響を受ける公共交通機関への配慮も欠かせないだろう。新幹線は別として鉄道やフェリーや長距離バスなどには深刻な影響が出ると思われる。そうした交通機関へは各地のSE(サービスエリア)などのテナント使用料の一部などを補償財源として無料となった高速道路使用者が負担する仕組みを考えなければならない。


 


 とにかく無料化実験は始まった。高速道路がこの国に持ち込まれた折の約束通りなら、首都高や東名・名神などはとうの昔に無料になっていたはずだ。それがプール制という騙しのような手法によって有料のまま高速道路利権が温存されている。官僚による妨害や官僚に情報を依存している大マスコミによる無料化へのネガティブキャンペーンが展開されるだろうが、ガソリン税や消費税などと勘案すれば何重にも取られている「高速道路通行料」という名の税をなくすことが高額輸送費解消の一助になるのだ。



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