痛ましい事故だ。

 亡くなった女子中学生は転覆したボートの中にいたという。救命胴衣を着けていると沈むことはないが、同時に一番危険なのは沈まないことだ。転覆した折に頭からすっぽりとボートの下になると、救命胴衣を脱がない限り脱出することはできない。呼吸するのに十分な空気空間があれば良いが、そうでなければ救命胴衣がかえって仇になる。


 


 県青年の家は利用者が多く、県の施設としては人気の高いもののようだ。しかし風雨のある波の高いさなかにボート訓練をするとはなんということかと思う。しかもボート四隻に対して職員は三人しかいなく、転覆したボートには職員はいなかったという。そのため荒れた湖面から帰還する危機管理ができず、他の三隻が波の荒い岸辺に近づかず救助を待って転覆することはなかったが、職員のいない一隻が岸辺へ向かい転覆したようだ。ボートは全員が座って姿勢を低くしていればそれほど簡単に転覆するものではない。しかしパニックになって立ち上がれば重心が高くなり波がなくてもひっくり返るものだ。


 


 指定管理者制度によりこの四月から民間会社が管理者となり、県の職員は一人もいなかったようだ。青年の家は教育機関の一環であり、自然環境教育の拠点施設だ。そこに教育主事の一人もいなかったのはなぜだろうか。自然環境の専門知識、たとえば昆虫だとか植物だとか、そうしたものを自然と触れ合いながら中学生などに興味を持ってもらって教える施設だ。ボート訓練も専門家がいなければ危険な水遊びに過ぎない。貴重な女子中学生の命が奪われたのは危機管理のできていなかった会社や県や中学などの生徒とかかわったすべての人たちの共同責任だ。安易な行事への取り組みは碌なことにならないと肝に銘じなければならない。



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