歳入庁の創設を。

 自治宝クジや競輪などの収益金の一部が天下りによっていいように使われている実態が明らかになった。昨日の事業仕訳で次々と不逞な輩の所業が指摘され、薄々は知っていたがこれほど酷いとは驚きだ。


 


 国へ入る金は何であれ、国民から見ればすべて同じだ。いろんな制度ができた切っ掛けにはそれぞれ様々な事情があるだろうが、名目は何であれ税にしろ負担金にしろ抽選籤券であれ赤いハネであれ緑のハネであれ、国民は国のいろんな施策に役立っているんだと漠然と思っている。


 そうした制度の一つ宝クジの蓋を開けてみると現職中より天下り以後の方が高給の席が用意され、その団体の恣意的な交付金が各種団体へ支出されている。そこにもいろんな天下り官僚がいるとなると、全体で幾ら官僚OBを養うために浪費されているのだろうか。


 


 国際比較で公務員の数が我が国は少ないと統計資料に出ている。当然だろう、宝クジ売り場のおばちゃんは公務員の数に入っていない。おばちゃんたちはおそらく天下り官僚が受けているような手厚い各種福祉制度の対象にもされていないだろう。そうした格差改善をしようともしないで、天下り官僚の待遇改善だけは着実に行ってきたわけだ。


 すべてを公務員にカウントして国際比較をしなければ比較する土俵が違っていて正確な検討はできない。


 


 そうしたこともさることながら、各種制度の認可権を握っている省が歳出の裁量権をも握っている現状は良くないだろう。国民も宝クジと書かれた献血車が走っているのを目にすると、滅多に当たらない、恐らくほとんどの者が生涯に一度も高額当選金を手にしないハズレ券を買わされている現状でも我慢しているのだ。


 すべての金を歳入庁に集めて、国会で審議の上交付先を決定すべきだ。そして宝クジにかかわる人たちを公務員とし、実質的に天下り先を潰すことだ。他にも交通安全協会の協会職員も公務員として冊子の印刷発注も会計検査院の監視の働く委託業務の一つとすべきだ。そうすれば「安全協会」が必要な部署か検討の対象にもなるだろう。これまで官僚は僅かな隙間を見つけて、そこに存在意義の屁理屈を捻じ込んで、幾つの各種外郭団体を作ったことか。それらをすべて公務員に取り込んで事業そのものを見直すことだ。


 そして何よりも各省で管理している第二第三の財布をすべて歳入庁に取り上げて、財務省で一元管理することだ。このIT化の時代、そうしたことは簡単にできることだ。ポスシステムにより全国一万軒のセブンイレブンの各種商品の売り上げは刻々と本社で把握されている。その程度のことが国に出来ないわけがない。


 市町村役場や銀行や郵便局やコンビニに歳入庁のコードを登録すれば済むことだ。電話やガスや電気料金の支払いと同じ感覚で歳入庁へ支払うことができる。


 各省の独自財源を取り上げて、国家の無駄を一円たりとも出さない仕組みにしなければならない。


 


 各種免許や資格の認定業務や更新業務も民間へ任せるのではなく、すべて官庁に取り込むことだ。そうすればすべての人間が公務員とな.る。公務的役割を果たす者が公務員でないのはおかしなことだ。公務員として守秘義務が課され天下り先が根絶できる。更新料や免許申請料がすべて歳入庁へ入り、国として金の流れが一目瞭然となる。すべて民営化が正しいという新興宗教のような思い込みは止めることだ。公務的なものを国へ取り込むことにより公務にかかわる全体像が明らかになり、コストも明白になる。日本の公的負担が40%程度で先進国の中で低い方だと国は説明しているが、国民の実感とはかけ離れている。民営化により公務的な負担までも公的負担から除外されているのではないかと疑いを持つ。御用経済学者などが公的負担は45%まで可能だから国民はまだ公的負担増に耐えられるなぞとバカげた進言を国に行っていたりするが、土俵を国際的なものに合わせてから議論して欲しいものだ。


 小泉政権下でなされた大幅な民営化により何が起こったか。耐震偽装だったり格差社会ではなかったか。公務の隅々までブラックボックスを造らないことが肝心ではないだろうか。


 


 タイガー計算機と算盤を使っていた時代ならいざ知らず、このIT社会で歳入庁に公的入金をすべて集めるのにどれほどの困難があるだろうか。そうすれば税収30数兆円という不当に低く抑えられた数字による誤魔化しは通用しない。歳入庁にすべてを集めれば、たとえば通産省の第二の財布といわれる電力各社が負担している数千億円もの電源開発費も一旦は歳入庁へ入れて、政府のガバナンスを利かせながら目的に沿った歳出を行えば良いだろう。そして当然のこと二重になっている交付金があれば削減することだ。


 すべての既得権はこの際剥ぎ取ることだ。各種公営ギャンブルの創設目的は戦後復興資金のはずだった。いつまで戦後が続いているのか知らないが、歳入庁へ取り上げるのに既得権を盾に抵抗すれば潰せばよいだろう。


 天下り根絶の一つとして資金源を断つことだ。そのためには公務員数が膨大なものに膨れ上がるかもしれないが、その方が実態を反映して良いだろう。国際比較で我が国の公務員は少ないなぞと公言し、公務的役割を果たしている各種団体の職員のコストを国民が支払っている者を公務員の員数外としているのは一種の詐欺ではないだろうか。



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