「基地問題で答えが出せないなら知事会は解散だ」はまっとうな意見だ。

 鳩山首相が全国知事会に沖縄の負担を分担して欲しいと検討を依頼したことに関して、東京都知事などが口先であしらい長崎や山口県知事が拒否反応を示したが、橋下大阪府知事は「問題解決に答えを出せないのなら全国知事会は解散すべき」と牽制した。


 つまり全国知事会が政府に対して地方交付金などの圧力団体として働いてきた歴史があり、最近では地方分権の促進を政府に働きかける運動に軸足を移しているが、そのためにも地方が政府と対等に安全保障でも対話するためには権利拡大を主張するだけでなく基地という迷惑施設をも受け入れる国家を形成する地方としての義務も役割分担すべきというのだ。


 そうするとさっそくマスコミがそれは橋下府知事の独断であり府民との対話がない、と批判している。


 


 橋下氏の大阪都構想は余り感心しないが、地方自治体も地域エゴを声高に主張するだけの圧力団体に堕するのなら全国知事会は解散すべきというのは正論だ。大阪都構想に賛成できないのは単に大阪市や周辺市町を消滅させて行政権限を大阪都で掌握しようとするものだからだ。本来の地方分権論が志向している方向性からいえば、近畿州に府県統合してまず大阪府を消滅させる方が住民生活に影響は少ない。つまり現在では全国の府県は中二階と言われ余り必要性のない存在になっている。平成の大合併により全国の市町村が3200から約1000に合併集約したのだから、こんどは府県が州に合併すべきだ。そうすれば府県議会議員が大幅に削減され、多くの知事も必要なくなる。


 


 今回起こった口蹄疫にしても家畜伝染病の防疫主体は県にあるのだが、マスコミは政府の対応を非難し県を甘やかそうとするかのようだ。それでは地方分権はいつまでたってもできない。確かに中央政府が支援すべき政策やワクチンなどの地方自治体では対応できない物品の支援は政府が行わなければならない。しかし地方の防疫拠点は府県の家畜保健衛生所が担うべきで、その指揮権は知事が握っている。マスコミも承知しているはずだが、平成16年12月に農水大臣から出された「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫体制の指針」に書かれているマニュアル通りに政府は実施していてマスコミが大騒ぎするほどの瑕疵があるとは思えない。


 それよりも超法規で汚染地区から種牛を移動させたことの方が問題だ。確かに長年改良を重ねて作り上げた種牛六頭をなんとか生き延びさせたいとする気持ちも分かるが、防疫のイロハを無視した措置は同意できない。結果として種牛も感染していて殺処分しなければならない事態に追い込まれかねないし、それなら結果として口蹄疫菌を拡散させただけに他ならないことになる。種牛を守りたい気持ちは理解できるが、情緒で基本法を捻じ曲げてはいけない。マスコミはこうした場面で厳しく県と国の姿勢を問わなければならないのだ。


 


 沖縄の負担を真剣に全国知事会も話し合わなければならない。既に基地を引き受けているところや基地のない自治体の区別なく、すべての知事が基地の問題を真摯に話し合うこともしないで隣接府県の利害がまともに衝突する州制へ移行できるわけがない。まず知事が話し合ってその内容をそれぞれに持ち帰り議会に提案し地域住民と話し合うことだ。なにもかもマスコミ主導の世論操作で国も地方も操れると考えているのなら、それはマスコミの傲慢だと言わざるを得ない。



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