「腹案があります」の文言はまだ生きているのか。

 辺野古沖という自民党時代の日米合意案に近いものへ回帰するのが鳩山首相の「腹案」だったのか。それとも一応は米国との合意作りに便法として辺野古沖を提示したが、当然地元も県も合意が得られないから辺野古沖案は文書上の合意であって、現実的な合意でないというのが鳩山氏の「腹案」なのか。つまり日米合意はしたが今後現実に基地の設計や地元同意などを取り付ける段階に到ると立ち往生するのは目に見えている。だから結局は県内移設は困難だよ、と改めて米国に伝えて国外移設を持ちかける、というプロセスまで読んでの上、というのが鳩山氏の最終的な「腹案」で、今は死んだふりをしているのならしたたかなものなのだが。


 もし辺野古沖へ回帰するつもりで時間稼ぎに「腹案」がある、と言ったのなら愚かなことだ。本心から今回の日米合意が実施可能だと思っているのなら今回の合意形成に動いた官僚に完全にしてやられたことになる。


 


 駐米大使が夜中にクリントン国務大臣に呼びつけられて、なぜ沖縄の日米合意を反故にしたと叱責を受けた、と演技し国内メディアに配信したことがあった。後で駐米大使の狂言芝居で呼びつけたのではなく国務大臣がちょっと立ち寄っただけで沖縄問題を話していないと分かった。


 官僚は自分たちが仕上げた成果を否定されるのを最も嫌う。そのためには狂言芝居を打ってでも国内世論を梃にして日本政府を追い詰めようとする。鳩山氏が県外移設を考えている間は担当各省の官僚たちは普天間問題を放置してサボタージュし、外交に素人の国会議員がオタオタするのを傍観しつつ陰で様々な妨害工作をした。そしてついに鳩山氏が県外移設を断念するや辺野古沖へ回帰すべく他の移設先候補案をことごとく潰し、かつて自分たちが成案を得ていた辺野古沖が最善として辺野古沖案で米国との再合意作りに動いた。そしてこの際とばかりに新たに県外に訓練場を設けるように官僚得意の「焼け太り」を策しているのだ。


 


 こうなったからには鳩山氏はかつての日米合意案へ戻ったのだから、県外の訓練場も必要ないと突っぱねるべきだ。訓練場を作って米軍基地面積の総合計を増やし「焼け太らせる」のは最悪だ。そのように導いている官僚の思惑を打ち砕き、駐米大使や防衛制服組幹部や外務省米国担当幹部を更迭すべきだ。彼らのタッグチームにしてやられたのを認識しなければ防衛利権構造を打ち砕くことはできない。辺野古沖案なるものが自民党政権下で合意したのは防衛利権の妥協の産物だと認識したうえで、それを打ち砕こうとしたから猛烈な官僚のサボタージュと米国の「他の案ではだめだ」とする意向が日本へもたらされたのだ。


 繰り返すが、米国当局は政権交代により登場した鳩山首相が最低でも県外移設を提唱した折に、それも仕方ないかと思っていたようだ。しかしそれを思いとどまらせたのが日本の官僚たちだとしたら彼らは誰に奉仕しているのだろうか。


 


 大マスコミは世論調査なるものを毎週のように行い、根拠のない数字で政局を作りだし政府を追い詰めている。彼らも官僚制国家に手を貸す連中だ。フリーランスのジャーナリストがもっと活躍できる国家にしないと一握りのマスコミ幹部と官僚に牛耳られたまま、国民は大本営発表報道により米国の属州のような国家体制にこれからも甘んじなければならないだろう。



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