首相にスピーチライターをつけては

「この国はこの国の人々で守るという、すべての国にとって当たり前の発想が今の日本にはない」と鳩山首相が発言したとして、いろんなブログで取り沙汰されているようだ。それは5/26夕の官邸で、普天間問題で日本の安全保障についてぶら下がりの記者に問われて返答した一部のようだ。


 記者と首相の長いやりとりの中でつい口から出た文言のようだが、得たとばかりにそこだけを切り抜いて配信してしまった。いかにも上から目線の発言で、国民が反発を覚える格好の材料としてタレ流したのだ。


 


 米国大統領には若くて有能なスピーチライターがついて、大統領のあらゆる発言の場でメモを作って渡しているようだ。既に遅いかも知れないが、鳩山首相にも有能なスピーチライターが必要だ。


 有能なライターがメモを作るとしたら、鳩山氏に「この国はこの国の人々で守るという、すべての国にとって当たり前の発想が今の日本にはない」と国民を叱るように言わせるのではなく「日米同盟を堅持しつつも、この国はこの国の人々で守るという国家としてあるべき姿を求めたい。今回の普天間移設を巡る問題で県外移設の約束を守れなかったのは申し訳ないが、沖縄県民の痛みを日本国民すべてで分かち合う必要性を今後とも訴えてまいります。なにとぞご理解とご協力をお願い申し上げます」ぐらい言わせておけばそれほど取り沙汰されることはなかっただろう。


 


 鳩山首相は世間に稀なほどの富豪の家庭に生まれ、金銭的な苦労をしないどころかそれほど人に対して頭を下げることなく初老を迎えたのだろう。物腰から育ちの良さは分かるが、人として他人の思いを汲み取る想像力の欠如を危惧する場面が多々見受けられる。会社のボーナスが出なくなって銀行にボーナス払いの住宅ローンの一時返済猶予をお願いに行ったり、子供の大学授業料の支払いに窮して教育ローンを借りに行ったりする苦労は知らないだろう。庶民は様々な苦労をして人に頭を下げ、人の温かさや人のいやらしさを学んでいくのだ。そうした実社会での教育機会に恵まれなかった鳩山氏は決定的にそうした面での感性が欠落していると自覚すべきだ。そしてすでに教育によって是正する年ごろを逸し学ぶ期間もないことから、そうした面を持ち合わせたスピーチライターが必要なのだ。


 


 至誠天に通ず、というのは間違いだ。たとえ至誠があったとしても言葉に出して表現しなければ相手に伝わらない。そして言葉の裏には確実に実行する決意と戦略がなければならない。そうした知恵と度胸は政治家の資質として備わっているはずだが、今回の失敗を見る限りでは知恵も度胸もないようだ。そうであるならば首相は軍師も侍大将も特別補佐官として身近に置くことだ。人を巧みに使うことによって豊臣秀吉は政権を獲得し死に至るまで維持した。これからでも遅くはない、鳩山氏も秀吉に倣うことだ。



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