マスコミの使命は事実を伝えることだ。

 テレビニュースで見る限り、沖縄へ出かけた鳩山首相に対して沖縄県民は辺野古沖移設案へ回帰した鳩山首相への強烈な拒否反応一色だったように見える。事実テレビ司会者やコメンテーターも罵詈雑言に徹している。マスコミはいよいよ鳩山首相を絶体絶命の窮地へ追い詰めたと凱歌を上げているかのようだ。


 しかし、どうやら沖縄県民の本意は報道と少しばかり異なるようだ。これまで「米軍基地反対」と声を上げる雰囲気すらなかったが、いまでは鳩山首相に対して「米軍基地反対」の声を上げることができるし、鳩山首相には安易に辺野古沖案で妥協するのではなく米国と海外移設で話し合ってもらいたいと願っているというのだ。


 


 事実、自民党政権下の県知事は辺野古移設日米合意を認めていた。それが政権交代があって急に態度が変わった。鳩山代表が選挙前に「最低でも県外移設」と発言したのを梃に、県外移設を望んでいるのだ。自民党に推された県知事は自民党に反対することはできなかった。しかし、今では公明正大に反対できる。これも政権交代の光明ではなかったか。


 沖縄からマスコミの報道で伝えている沖縄県民の声は微妙に違っている、と声を上げることだ。沖縄県以外の国民に沖縄の負担を少しは肩代わりしてくれ、と頼み込む首相が今までにいただろうか。その鳩山首相をクビにして、沖縄県民に何の益があるだろうか。


 


 マスコミは事実を伝えることだ。かつては政治的な集会に当たって動員人数の発表では主催者発表と警察発表を必ず併載していた。それがこの一連の報道では主催者発表だけになっている。国民を反鳩山首相で煽りたい気持ちの表れだろうか。それは現実の動員人数ではなく、主催者の希望する動員人数の期待値に過ぎない。


 真っ当なジャーナリストなら恥ずかしいと顔を赤らめるようなことをしているという自覚を持つことだ。何処までが事実で、何処からが評論か、明確に線引きをして伝えるのが真っ当なジャーナリストのあり方ではなかったか。


 


 為にする報道はその偽善性を読者に見抜かれて、ついには信頼を失うだろう。ジャーナリストが最も恐れるべきは報道が信頼を失うことだと先輩は教えてくれなかったのだろうか。もっとも、主筆が政局に嘴を挟むのを趣味としているから、その報道機関が偏向するのも無理はないが。


 民主党が政権を獲って以来、この国の報道機関は何かを恐れるかのように民主党潰しに狂奔しているとしか思えない。官僚も口蹄疫の防疫措置を引き合いに出すまでもなくサボタージュに徹している。十年前の口蹄疫の時には殺処分は35頭だったが、今回は30万頭に近い数字になっている。初期体制の遅れがこの爆発的な数字になった。ただ英国の口蹄疫の場合では終息するまでに400万頭もの殺処分をしなければならなかった。宮崎県の犠牲頭数はこれだけで終わるように願うだけだ。それにしても想像を絶する頭数だ。


 


 マスコミも米国のマスコミかと思えるほど米国の立場に立って鳩山首相の足を引っ張るだけではなく、日本のマスコミとして沖縄の立場を海外へ向けて発信すべきだろう。日本のマスコミは日本人を相手に報道して成り立っているのだ。何処かの勢力に貢献しているかのような姿勢を正して、事実をしっかりと報道すべきだ。



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