官僚が指示待ちに、

  民主党が政治主導を謳っているから口蹄疫の対応に関しても官僚は指示待ちになって対応が遅れた、と自民党総裁の谷垣氏が福島県郡山市の講演会で民主党を批判してという。民主党政権の口蹄疫防疫体制の遅れは生半可な政治主導に原因があったのなら由々しき問題だ。官僚のサボタージュによって口蹄疫の被害が拡大したとしたら問題にすべきは赤松大臣ではなく農水省の家畜保健衛生局の官僚たちだ。


 


 再三再四これまでも官僚の悪意に満ちたサボタージュを指摘してきた。去年の8月末の総選挙で政権交代が明らかになったが、官僚は8月末に仕上げていた自民党政権下での予算をそのままにして、民主党のマニフェスト部分をその上に積み上げてしまった。だから92兆円を超える予算規模に膨らんでしまった。


 官僚に予算を節約しようとか財政危機に対応して省庁の予算規模を縮小しようとする意思は働かない。そうした財政規律を守ろうとするのは財務省の仕事であって、その他の省庁では一円でも多くの予算を獲得した者が褒め称えられる。したがって8月末に予算編成を終えたから民主党政権になったからといって予算の中身を見直すのは時間がないと突っ撥ねてしまったのだ。


 


 民間企業ならどうだろうか。社長以下執行部が入れ替わっても前社長の予算編成方針を踏襲し新社長の方針部分をその上に積み上げるだけの予算を作って平気な顔をしている社員がいれば間違いなく配置転換させられる。新社長の方針に従わない社員は業務命令違反で解雇の対象にすらなる。それが政治主導を生半可に行うから指示待ちになったという。しかし生半可な政治主導とは何だろうか。奉職して以来官僚として専門分野に精通している者から見れば、選挙で政権交代したといえども行政職の門外漢が大きな顔をして指示するのは面白くないかも知れない。それも時々間違ったり専門用語すら碌に使えない連中だと、心の中でバカにしているかも知れない。それはそれで結構で大いに政治家をバカにすることだが、仕事だけはきちんとしなければならないだろう。政府もせっかく谷垣氏が「官僚が指示待ちになっている」と認めてくれたのだから、指示待ちと思われる官僚はさっさと更迭すれば良い。その指示待ち官僚が誰か分からなければ礼を尽くして谷垣氏に教えを乞うことだ。


 


 口蹄疫という極めて感染力の強い疫病の対応に関して「指示待ち」をしていたとしたら、それは犯罪的行為だ。農水省は十年前に口蹄疫の感染を経験している。その経験が今回の対応策に生かされていたとは思えない。そのために約30万頭近くもの家畜を殺処分する事態になった。たとえ赤松大臣が外遊を取りやめても官僚が指示待ちでは役に立たなかっただろう。マスコミは谷垣氏の指摘を大袈裟に騒ぎ立てて民主党の不甲斐なさを浮きだたさせたつもりだろうが、実際は自民党政権下の官僚がいかに官僚制内閣でやりたい放題をしていたかが国民に見えてしまった。


 官僚は公僕といわれ、国民に奉仕すべき立場だ。民主党政権に奉仕しろとはいわないが、国民に選ばれた政権には国民に奉仕する精神で働かなければ近い将来国家財政の破綻によりとんでもないことになると覚悟することだ。


 


 


 



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