「資源大国の多くが独裁政権国家で、国民は押しなべて貧困な生活を強いられている」のは何故だろうか。
<高市早苗首相は5日、三重県伊勢市での年頭記者会見で、トランプ米政権によるベネズエラ攻撃を巡る評価を避けた。黙認したと受け取られてもやむを得ない。日本政府はロシアによるウクライナ侵攻を国際法違反と非難してきた。二重基準と批判されて当然だ。
高市氏は米国によるベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領拘束について問われ、自由、民主主義、法の支配などの基本的価値や原則を尊重する立場を強調しつつ、「ベネズエラにおける民主主義の回復と情勢の安定化に向けた外交努力を進める」と述べるにとどめた。
日本が安全保障条約を結ぶ米国の抑止力に頼る現状では、米国を批判し、関係を悪化させることは得策でないとの判断だろう。
だとしても、国際法違反の疑いがある米国の軍事行動を是認し、懸念や憂慮さえ表明しないなら、対米追随のそしりは免れない。
ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻した際、当時の岸田文雄首相は「力による一方的な現状変更の試みであり、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害する明白な国際法違反だ」と非難。中国による台湾侵攻の可能性を念頭に「アジアでも力による現状変更は許されない」と訴えた。
米国のベネズエラ攻撃は、力による現状変更、主権侵害という点でウクライナ侵攻と同質だ。
軍事力で国際秩序を揺さぶる主体が米国に変わった途端、日本政府が沈黙するのは、ご都合主義でしかない。同様の事態が今後起きたときに、非難できるのか。
ロシアによるウクライナ侵攻について
高市首相「力による一方的な現状変更の試みを許してはなりません」
高市氏は記者会見で、今春に訪米し、トランプ氏と会談する意向を明らかにした。トランプ氏が4月に訪中し、中国の習近平国家主席と会談する前に、日米の結束を確認する狙いからだろうが、日米が軍事的な一体化を誇示し、中国と対峙(たいじ)するばかりでは、逆に東アジアの緊張を高めかねない。
戦後日本は国際紛争解決の手段としての戦争、武力による威嚇、武力行使を放棄し、法の支配や国際協調の重要性を訴えてきた。こうした「平和国家」の歩みはアジアを中心に国際社会の信頼を得てきたが、米国の力による現状変更を容認すれば、そうした貴重な外交資産を失う恐れもある。
米国を法の支配に引き戻すためにも、日本政府はトランプ政権によるベネズエラ攻撃とマドゥロ氏拘束を非難すべきである。>(以上「東京新聞」より引用)
「〈社説〉ベネズエラ攻撃 日本政府は「黙認」するな」と、オールドメディアは米国の武力によるベネズエラ大統領マドゥロの「拘束・連行」を批判している。もちろん武力を用いて他国に侵入して大統領を「拉致・連行」するのは常識的にあり得ないことだ。
高市氏は米国によるベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領拘束について問われ、自由、民主主義、法の支配などの基本的価値や原則を尊重する立場を強調しつつ、「ベネズエラにおける民主主義の回復と情勢の安定化に向けた外交努力を進める」と述べるにとどめた。
日本が安全保障条約を結ぶ米国の抑止力に頼る現状では、米国を批判し、関係を悪化させることは得策でないとの判断だろう。
だとしても、国際法違反の疑いがある米国の軍事行動を是認し、懸念や憂慮さえ表明しないなら、対米追随のそしりは免れない。
ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻した際、当時の岸田文雄首相は「力による一方的な現状変更の試みであり、ウクライナの主権と領土の一体性を侵害する明白な国際法違反だ」と非難。中国による台湾侵攻の可能性を念頭に「アジアでも力による現状変更は許されない」と訴えた。
米国のベネズエラ攻撃は、力による現状変更、主権侵害という点でウクライナ侵攻と同質だ。
軍事力で国際秩序を揺さぶる主体が米国に変わった途端、日本政府が沈黙するのは、ご都合主義でしかない。同様の事態が今後起きたときに、非難できるのか。
ロシアによるウクライナ侵攻について
高市首相「力による一方的な現状変更の試みを許してはなりません」
高市氏は記者会見で、今春に訪米し、トランプ氏と会談する意向を明らかにした。トランプ氏が4月に訪中し、中国の習近平国家主席と会談する前に、日米の結束を確認する狙いからだろうが、日米が軍事的な一体化を誇示し、中国と対峙(たいじ)するばかりでは、逆に東アジアの緊張を高めかねない。
戦後日本は国際紛争解決の手段としての戦争、武力による威嚇、武力行使を放棄し、法の支配や国際協調の重要性を訴えてきた。こうした「平和国家」の歩みはアジアを中心に国際社会の信頼を得てきたが、米国の力による現状変更を容認すれば、そうした貴重な外交資産を失う恐れもある。
米国を法の支配に引き戻すためにも、日本政府はトランプ政権によるベネズエラ攻撃とマドゥロ氏拘束を非難すべきである。>(以上「東京新聞」より引用)
「〈社説〉ベネズエラ攻撃 日本政府は「黙認」するな」と、オールドメディアは米国の武力によるベネズエラ大統領マドゥロの「拘束・連行」を批判している。もちろん武力を用いて他国に侵入して大統領を「拉致・連行」するのは常識的にあり得ないことだ。
しかしベネズエラと米国との歴史的な関係を見ると、トランプ氏の言い分にも一定の道理があることが分かる。そもそもベネズエラは石油埋蔵量の多い資源国だ、と云うことは分かっていた。だが原油を掘削する技術も資金力もベネズエラにはなかった。
そこで米国企業が資金と技術を投下して、ベネズエラの原油掘削事業に乗り出した。しかし
1976年1月1日にカルロス・アンドレス・ペレス大統領が石油産業の完全な国営化を公式に実施し、国営石油会社 PDVSA (Petróleos de Venezuela S.A.) を設立した。 国営化したため米国企業は一方的にベネズエラから追放され、 PDVSA がすべての石油関係事業を乗っ取った。だが PDVSA に石油掘削や産精製設備に関する技術力はなく、生産能力は次第に落ちた。そこに目を付けたのが中国で、 PDVSA に資金投入や技術支援を行う代金として石油で支払うことにした。米国の立場からすれは、米国企業が建設した石油掘削精製プラントをベネズエラに奪われ、それらのインフラを利用して中国がベネズエラの石油利権を奪ったと考えて当然ではないか。
また30年以上も続く独裁体制下、当局発表ではベネズエラの失業率は、情報源によって多少のばらつきがありますが、2024年末から2025年初頭にかけて約5.5%~5.6%程度と比較的低い数値が示されている。だが独裁政権の「当局発表」は当てにならない。実際の失業率は30%以上ではないかと推測されている。それでなければ多くのベネズエラ人が米国などへ難民となって流れ込んでいる現実が説明できない。
ベネズエラの経済は、石油依存体質からの脱却が進まず、長年の経済危機でハイパーインフレーションやGDPの大幅な縮小に見舞われたが、最近(2026年初頭)では米国の関与強化とマドゥロ大統領拘束を背景に、債務再編や石油生産回復への期待から国債価格が上昇するなど、状況が変化の兆しを見せている。しかし、依然として経済は不安定で、国民の困窮や食料不足は深刻な状態が続いている。
東京新聞氏は「ベネズエラ攻撃 日本政府は「黙認」するな」との社説を掲載したが、多くのベネズエラ国民にとって、人権的な観点に立てばマドゥロ大統領を「拉致・連行」したことこそが「人権」尊重ではないだろうか。
評論家の多数がベネズエラという主権国家に米国が「軍」を派遣して大統領を「拉致・連行」したのは問題ではないか、と指摘している。確かに他国の主権を侵害するのは問題だが、国家主権の影に隠れて他国を攻撃し、損害を与える「無法国家」に対しては、一時的に国際慣行を無視して強行突入することも容認されるべきではないだろうか。たとえば米国は2011年5月2日に米軍特殊部隊(ネイビーシールズ)を派遣してパキスタンのアボタバードにあるウサーマ・ビン・ラーディン(ビンラディン)氏の潜伏先を急襲しを殺害した。当時の米国大統領はオバマ氏だったが、彼がノーベル平和賞を受賞したのは誰もが知っている。
引用記事を東京新聞氏は「米国を法の支配に引き戻すためにも、日本政府はトランプ政権によるベネズエラ攻撃とマドゥロ氏拘束を非難すべきである」と結んでいるが、米国を非難すべきと主張する以上はマドゥロ氏の過去の残虐な独裁体制を批判する論陣を張ったことがなければならない。国民を好き勝手に拘束し虐殺するのは「国家主権」の範疇で許容されるが、米国が他国の大統領を「拉致・連行」するのは「法の支配を逸脱している」と主張するのは如何なものだろうか。
ベネズエラではロドリゲス副大統領が大統領代行に就任した。当初は激しく米国を非難していたが、現在では早急に民主的な大統領選挙を実施する、と国際社会に公約している。ただ資源大国の多くが独裁政権国家で、国民は押しなべて貧困な生活を強いられている。政治権力者が国家の富を独占し、国民を「恐怖」により「統制」する社会が蔓延しているのは何故だろうか。民主主義が正常に機能していたなら、資源大国の国民は国家の富を享受して、平和で豊かな暮らしを送っているはずだ。文化やファッションの最先端国家になり、周辺地域に資源大国の文化圏を形成しているはずだ。しかし、そうなっていないのは誰の目にも明らかだ。