高市政権は対韓デカップリングこそが最善の策だ。
<奈良を訪れる李在明大統領
本日1月13日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が来日する。高市早苗首相のお膝元・奈良に1泊し、夜には盛大な祝宴を開いて、日韓の「シャトル外交」(両首脳が頻繁に相互訪問する外交)を始める。思えば奈良は、古代日本の「日韓外交」の中心地であり、ご先祖さまたちも草葉の陰で見守っていることだろう。
昨年秋(10月31日~11月1日)に慶州APEC(アジア太平洋経済協力会議)を成功させた李在明大統領は、これが今年初の外交日程ではない。すでに年明け早々(1月4日~7日)、中国公式訪問を行ったからだ。
就任7ヵ月を経た李在明大統領の外交を、韓国では「コリア・ファースト外交」と呼ぶ。ドナルド・トランプ米大統領の「アメリカ・ファースト外交」とは似て非なるもので、要は「全方位外交」である。世界のどこにも「敵」を作らない外交で、これはインドのナランドラ・モディ政権初期の外交に通じるものがある。
李在明氏は、かつて反米的発言を連呼していたにもかかわらず、大統領に就くや、ドナルド・トランプ米大統領と電話で「ゴルフ談義」にふけり、その懐(ふところ)に巧みに飛び込んだ。その後、関税交渉をまとめ上げ、昨年10月29日の釜山会談では、原子力潜水艦の建造までトランプ大統領に呑ませた。
日本に対しても、「反日モンスター」の異名を取るほど反日発言を繰り返していたのに、大統領になったとたんに封印。スマイル外交を展開し、昨年10月30日の慶州APECでの高市早苗首相との初会談では、「シャトル外交」の復活を宣言した。
本日1月13日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が来日する。高市早苗首相のお膝元・奈良に1泊し、夜には盛大な祝宴を開いて、日韓の「シャトル外交」(両首脳が頻繁に相互訪問する外交)を始める。思えば奈良は、古代日本の「日韓外交」の中心地であり、ご先祖さまたちも草葉の陰で見守っていることだろう。
昨年秋(10月31日~11月1日)に慶州APEC(アジア太平洋経済協力会議)を成功させた李在明大統領は、これが今年初の外交日程ではない。すでに年明け早々(1月4日~7日)、中国公式訪問を行ったからだ。
就任7ヵ月を経た李在明大統領の外交を、韓国では「コリア・ファースト外交」と呼ぶ。ドナルド・トランプ米大統領の「アメリカ・ファースト外交」とは似て非なるもので、要は「全方位外交」である。世界のどこにも「敵」を作らない外交で、これはインドのナランドラ・モディ政権初期の外交に通じるものがある。
李在明氏は、かつて反米的発言を連呼していたにもかかわらず、大統領に就くや、ドナルド・トランプ米大統領と電話で「ゴルフ談義」にふけり、その懐(ふところ)に巧みに飛び込んだ。その後、関税交渉をまとめ上げ、昨年10月29日の釜山会談では、原子力潜水艦の建造までトランプ大統領に呑ませた。
日本に対しても、「反日モンスター」の異名を取るほど反日発言を繰り返していたのに、大統領になったとたんに封印。スマイル外交を展開し、昨年10月30日の慶州APECでの高市早苗首相との初会談では、「シャトル外交」の復活を宣言した。
韓国の「漁夫の利外交」
というわけで、先週は対中外交の「再建」に乗り出したのである。これは、日中関係悪化に伴う「漁夫の利外交」の側面もあった。一方の中国としても、「韓国を取り込んで共に日本を叩く」意味合いがあった。
1月5日午後、北京の人民大会堂で、李在明大統領は、待ち受ける習近平主席と、がっちり握手した。私はCCTV(中国中央広播電視総台)の速報で、「握手映像」を見た。まず驚いたのは、李在明大統領の「身長」である。
私は、昨年6月3日の韓国大統領選挙を韓国で取材し、李在明候補に話を聞こうと思い、「共に民主党」の本部の中で待ち受けて、本人が出てきたところで名刺を渡して声をかけた。名刺は受け取ったが、日本人記者と分かり、何も答えてもらえなかった。眼前の李在明候補は、身長172cmの私より、だいぶ短躯だった。
それが先週、身長180cmの習近平主席とほぼ同じ背丈になっていたのだ。そう言えば、前述のトランプ大統領との会談時も、身長190cmのトランプ大統領に引けを取らなかった。
秘密は、「魔法の靴」にあるのだろう。身長のことなど別にどうでもよいが、大国の間に挟まれて、常に「背伸び」している韓国外交を象徴しているように映った。
というわけで、先週は対中外交の「再建」に乗り出したのである。これは、日中関係悪化に伴う「漁夫の利外交」の側面もあった。一方の中国としても、「韓国を取り込んで共に日本を叩く」意味合いがあった。
1月5日午後、北京の人民大会堂で、李在明大統領は、待ち受ける習近平主席と、がっちり握手した。私はCCTV(中国中央広播電視総台)の速報で、「握手映像」を見た。まず驚いたのは、李在明大統領の「身長」である。
私は、昨年6月3日の韓国大統領選挙を韓国で取材し、李在明候補に話を聞こうと思い、「共に民主党」の本部の中で待ち受けて、本人が出てきたところで名刺を渡して声をかけた。名刺は受け取ったが、日本人記者と分かり、何も答えてもらえなかった。眼前の李在明候補は、身長172cmの私より、だいぶ短躯だった。
それが先週、身長180cmの習近平主席とほぼ同じ背丈になっていたのだ。そう言えば、前述のトランプ大統領との会談時も、身長190cmのトランプ大統領に引けを取らなかった。
秘密は、「魔法の靴」にあるのだろう。身長のことなど別にどうでもよいが、大国の間に挟まれて、常に「背伸び」している韓国外交を象徴しているように映った。
朴槿恵大統領の中韓蜜月外交
過去を振り返ると、1992年8月に国交を結んだ中国と韓国が、最も「蜜月」になったのは、2013年2月に始動した朴槿恵(パク・クネ)政権の前期だった。同年3月に始動した習近平政権の初期と呼んでもよい。
この時も、安倍晋三政権(2012年12月出帆)下の日本と、中国は尖閣諸島問題などで、韓国は慰安婦問題で、それぞれ険悪な関係だった。それもあって、2013年6月に朴槿恵大統領が初めて訪中した際には、習近平主席がディナーとランチを共にするなど、「熱烈歓迎ムード」だった。
中韓首脳会談で、朴大統領は習主席に、英雄義士・安重根(アン・ジュングン)の話を吹聴した。1909年に伊藤博文元首相をハルビン駅で暗殺した男で、日本からすればテロリストだ。
すると習主席の「鶴の一声」で、翌年1月にハルビン駅の貴賓室が「安重根記念館」に生まれ変わった。そのような朴大統領を、日本側は「告げ口外交」と揶揄(やゆ)したものだ。
「中韓蜜月」は、朴槿恵大統領が2015年9月3日に北京で行われた「中国人民抗日戦争勝利70周年軍事パレード」に参加した時に、ピークを迎えた。同盟国の「変調」に激怒したバラク・オバマ米政権が、韓国に圧力をかけ、翌2016年2月、THAAD(終末高高度防衛ミサイル)を韓国に配備すると発表した。そのことで、「中韓蜜月」はあっけなく崩壊した。
中国は一転して、「限韓令」(韓国を制限する指令)を出して、「ノー・コリア運動」を展開。それまで人気だった「韓ドラ」はテレビから消え、ロッテマートは撤退を余儀なくされた。私は同年夏に、中国最大15万人のコリアタウンがあった山東省威海を訪れたが、ハングルの看板だけが残る巨大なゴーストタウンと化していた。
2017年5月に出帆した「反日」の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「媚中外交」を目指して、同年12月に勇んで訪中した。だが習近平政権は、「THAADを撤去せよ」と強く迫った。
この時の文在寅外交は、「一人飯外交」「孤独のグルメ」などと言われた。計10回もあったランチとディナーの機会で、中国側が相手してくれたのは、たった2回だけだったからだ。私の北京の知人も、望京(北京のコリアタウン)のレストランで食事していたら、突然、文在寅大統領一行が入ってきて仰天したと言っていた。
続く2022年5月に発足した尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、「韓米日の連携」を重視し、「嫌中」を貫いた。中国がソウルに派遣した邢海明駐韓大使とは、激しいバトルを展開した。尹大統領は「盟友」の岸田文雄首相とは、計12回も首脳会談をこなしたが、ついぞ訪中しなかった。
過去を振り返ると、1992年8月に国交を結んだ中国と韓国が、最も「蜜月」になったのは、2013年2月に始動した朴槿恵(パク・クネ)政権の前期だった。同年3月に始動した習近平政権の初期と呼んでもよい。
この時も、安倍晋三政権(2012年12月出帆)下の日本と、中国は尖閣諸島問題などで、韓国は慰安婦問題で、それぞれ険悪な関係だった。それもあって、2013年6月に朴槿恵大統領が初めて訪中した際には、習近平主席がディナーとランチを共にするなど、「熱烈歓迎ムード」だった。
中韓首脳会談で、朴大統領は習主席に、英雄義士・安重根(アン・ジュングン)の話を吹聴した。1909年に伊藤博文元首相をハルビン駅で暗殺した男で、日本からすればテロリストだ。
すると習主席の「鶴の一声」で、翌年1月にハルビン駅の貴賓室が「安重根記念館」に生まれ変わった。そのような朴大統領を、日本側は「告げ口外交」と揶揄(やゆ)したものだ。
「中韓蜜月」は、朴槿恵大統領が2015年9月3日に北京で行われた「中国人民抗日戦争勝利70周年軍事パレード」に参加した時に、ピークを迎えた。同盟国の「変調」に激怒したバラク・オバマ米政権が、韓国に圧力をかけ、翌2016年2月、THAAD(終末高高度防衛ミサイル)を韓国に配備すると発表した。そのことで、「中韓蜜月」はあっけなく崩壊した。
中国は一転して、「限韓令」(韓国を制限する指令)を出して、「ノー・コリア運動」を展開。それまで人気だった「韓ドラ」はテレビから消え、ロッテマートは撤退を余儀なくされた。私は同年夏に、中国最大15万人のコリアタウンがあった山東省威海を訪れたが、ハングルの看板だけが残る巨大なゴーストタウンと化していた。
2017年5月に出帆した「反日」の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「媚中外交」を目指して、同年12月に勇んで訪中した。だが習近平政権は、「THAADを撤去せよ」と強く迫った。
この時の文在寅外交は、「一人飯外交」「孤独のグルメ」などと言われた。計10回もあったランチとディナーの機会で、中国側が相手してくれたのは、たった2回だけだったからだ。私の北京の知人も、望京(北京のコリアタウン)のレストランで食事していたら、突然、文在寅大統領一行が入ってきて仰天したと言っていた。
続く2022年5月に発足した尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、「韓米日の連携」を重視し、「嫌中」を貫いた。中国がソウルに派遣した邢海明駐韓大使とは、激しいバトルを展開した。尹大統領は「盟友」の岸田文雄首相とは、計12回も首脳会談をこなしたが、ついぞ訪中しなかった。
李大統領最側近の告白
そして、昨年6月4日に発足した李在明大統領である。私は、前述の大統領選で韓国取材を行った際、李大統領の最側近の一人である李鍾奭(イ・ジョンソク)国家情報院長に独占インタビューした。
李鍾奭(イ・ジョンソク)韓国国家情報院長候補独占インタビュー「李在明外交はコリア・ファースト、日本とも実用外交で行く」(『現代ビジネス』2025年6月8日アップ)
その時に李院長が述べた「李在明外交」の基本姿勢は、以下の通りだ。
「李在明政権は、『コリア・ファースト外交』を行う。韓米同盟、韓日協力、韓中協力などは、どれも重要だ。尹錫悦政権下で関係が悪化していた中国・ロシアとの関係も復活させる。
北朝鮮との関係も、改善させていく。4回目の『トランプ・金正恩会談』を、援護射撃していく。南北統一は、まだ先の長い話だが、とにかく南北の緊張緩和を第一に進めていく。
韓日関係も悪化はさせない。例えば、両国が協力してアメリカとの関税交渉を進めることも可能ではないか。韓日FTA(自由貿易協定)も推進し、経済安保分野でも協力していく。
李在明大統領は、歴史問題については日本に対して厳しい考えを持っているが、経済や文化面では、実用的で柔軟な発想の持ち主だ。韓日間で過去に合意した約束事は順守していく。
在韓米軍は、2万8500人の現状維持が望ましい。ただし、戦時作戦統制権(有事の際に56万韓国軍の指揮権を在韓米軍司令官(国連司令官)に預ける権利)は韓国に返還させる。
『台湾有事』に関しては、『韓国有事』にさせないようにする。端的に言って、仮に『台湾有事』が起こったとしても、韓国は関与しないということだ。その能力もないし、関われば面倒(中国軍による韓国攻撃など)を抱え込む。北朝鮮と対峙している韓国には、北朝鮮のバックにいる中国を敵に回すという選択肢はない」
そして、昨年6月4日に発足した李在明大統領である。私は、前述の大統領選で韓国取材を行った際、李大統領の最側近の一人である李鍾奭(イ・ジョンソク)国家情報院長に独占インタビューした。
李鍾奭(イ・ジョンソク)韓国国家情報院長候補独占インタビュー「李在明外交はコリア・ファースト、日本とも実用外交で行く」(『現代ビジネス』2025年6月8日アップ)
その時に李院長が述べた「李在明外交」の基本姿勢は、以下の通りだ。
「李在明政権は、『コリア・ファースト外交』を行う。韓米同盟、韓日協力、韓中協力などは、どれも重要だ。尹錫悦政権下で関係が悪化していた中国・ロシアとの関係も復活させる。
北朝鮮との関係も、改善させていく。4回目の『トランプ・金正恩会談』を、援護射撃していく。南北統一は、まだ先の長い話だが、とにかく南北の緊張緩和を第一に進めていく。
韓日関係も悪化はさせない。例えば、両国が協力してアメリカとの関税交渉を進めることも可能ではないか。韓日FTA(自由貿易協定)も推進し、経済安保分野でも協力していく。
李在明大統領は、歴史問題については日本に対して厳しい考えを持っているが、経済や文化面では、実用的で柔軟な発想の持ち主だ。韓日間で過去に合意した約束事は順守していく。
在韓米軍は、2万8500人の現状維持が望ましい。ただし、戦時作戦統制権(有事の際に56万韓国軍の指揮権を在韓米軍司令官(国連司令官)に預ける権利)は韓国に返還させる。
『台湾有事』に関しては、『韓国有事』にさせないようにする。端的に言って、仮に『台湾有事』が起こったとしても、韓国は関与しないということだ。その能力もないし、関われば面倒(中国軍による韓国攻撃など)を抱え込む。北朝鮮と対峙している韓国には、北朝鮮のバックにいる中国を敵に回すという選択肢はない」
中韓首脳会談のパフォーマンス
半年余り経ってみると、李在明政権は、李鍾奭国家情報院長の発言通りに動いていることが分かる。キーワードは、「コリア・ファースト」だ。その一環として、中国との関係の全面修復に動いたわけだ。
1月5日午後に人民大会堂で行われた中韓首脳会談で、習近平主席はまず、両国関係について言及した。
「中韓両国は長期にわたって『和を以(も)って尊しと為す』『和して同ぜず』を堅持し、社会制度とイデオロギーの違いを超えて相互に成就させ、共同で発展してきた。双方はこうした良き伝統を延長させ、不断に相互信頼を増進し、各自が選択した発展の道を尊重し、それぞれの核心的利益と重大な懸念事項を考慮し、対話と協商を通じて相違点をうまく解決し続けていく必要がある。
中韓の経済連携は緊密で、インダストリーチェーンとサプライチェーンは深く絡まり、協力と互利互恵関係にある。発展戦略と政策の協調との連結を強化し、共同の利益になる大きなケーキを作るのだ。AI、グリーン産業、高齢者経済など、新興の分野でさらなる協力の成果を打ち立てるのだ。双方の人の往来を増やし、青少年、メディア、スポーツ、シンクタンク、地方などの方面の交流を展開し、文字通り民意の主流とするのだ」
おしまいの方は、「日本とでなく韓国と、経済交流もその他の交流も進めていく」と言いたげにも聞こえる。実際、この発言の後に、日本についての言及があった。
「昨今の世界は百年に一度の変化が加速しており、国際情勢はますます混乱してきている。そんな中で、中韓は地域の平和を維持保護し、全世界が発展していく方向に促進する重要な責任を負っている。広範な利益が交錯する中で、歴史の正確な一辺に立ち、正確な戦略を選択していくのだ。
80数年前、中韓両国は甚大な民族の犠牲を出しながらも、日本軍国主義に反撃して勝利を収めた。いまこそさらに手を携えて、第二次世界大戦の勝利の成果を死守し、北東アジアの平和と安定を守護していくのだ。経済のグローバル化の受益者として、中韓は共同で保護主義に反対し、真の多国間主義を実践していくのだ。そうして平等で秩序ある世界の多極化を促進し、恵みを与える経済のグローバル化に貢献していくのだ」
このように、中韓両国は「日本に勝利した戦友」だと規定したのだ。実際には、日本が中国大陸で戦っていたのは主に中華民国(現在の台湾)であり、中華人民共和国(現在の中国)は当時、建国もされていない。また、日本は朝鮮半島全体を35年間(1910年~1945年)植民地支配しており、大韓民国(現在の韓国)も建国されていない。しかも日本が敗れたのは、アメリカに対してである。
このように矛盾ある発言なのだが、習主席はともかく「共に日本と戦った仲間」と言いたいのである。その先には、「これからも日本と共闘しようではないか」という誘い水がある。
半年余り経ってみると、李在明政権は、李鍾奭国家情報院長の発言通りに動いていることが分かる。キーワードは、「コリア・ファースト」だ。その一環として、中国との関係の全面修復に動いたわけだ。
1月5日午後に人民大会堂で行われた中韓首脳会談で、習近平主席はまず、両国関係について言及した。
「中韓両国は長期にわたって『和を以(も)って尊しと為す』『和して同ぜず』を堅持し、社会制度とイデオロギーの違いを超えて相互に成就させ、共同で発展してきた。双方はこうした良き伝統を延長させ、不断に相互信頼を増進し、各自が選択した発展の道を尊重し、それぞれの核心的利益と重大な懸念事項を考慮し、対話と協商を通じて相違点をうまく解決し続けていく必要がある。
中韓の経済連携は緊密で、インダストリーチェーンとサプライチェーンは深く絡まり、協力と互利互恵関係にある。発展戦略と政策の協調との連結を強化し、共同の利益になる大きなケーキを作るのだ。AI、グリーン産業、高齢者経済など、新興の分野でさらなる協力の成果を打ち立てるのだ。双方の人の往来を増やし、青少年、メディア、スポーツ、シンクタンク、地方などの方面の交流を展開し、文字通り民意の主流とするのだ」
おしまいの方は、「日本とでなく韓国と、経済交流もその他の交流も進めていく」と言いたげにも聞こえる。実際、この発言の後に、日本についての言及があった。
「昨今の世界は百年に一度の変化が加速しており、国際情勢はますます混乱してきている。そんな中で、中韓は地域の平和を維持保護し、全世界が発展していく方向に促進する重要な責任を負っている。広範な利益が交錯する中で、歴史の正確な一辺に立ち、正確な戦略を選択していくのだ。
80数年前、中韓両国は甚大な民族の犠牲を出しながらも、日本軍国主義に反撃して勝利を収めた。いまこそさらに手を携えて、第二次世界大戦の勝利の成果を死守し、北東アジアの平和と安定を守護していくのだ。経済のグローバル化の受益者として、中韓は共同で保護主義に反対し、真の多国間主義を実践していくのだ。そうして平等で秩序ある世界の多極化を促進し、恵みを与える経済のグローバル化に貢献していくのだ」
このように、中韓両国は「日本に勝利した戦友」だと規定したのだ。実際には、日本が中国大陸で戦っていたのは主に中華民国(現在の台湾)であり、中華人民共和国(現在の中国)は当時、建国もされていない。また、日本は朝鮮半島全体を35年間(1910年~1945年)植民地支配しており、大韓民国(現在の韓国)も建国されていない。しかも日本が敗れたのは、アメリカに対してである。
このように矛盾ある発言なのだが、習主席はともかく「共に日本と戦った仲間」と言いたいのである。その先には、「これからも日本と共闘しようではないか」という誘い水がある。
李在明大統領の巧みな切り返し
これに対して、李在明大統領はこう述べた。
「韓国と中国は近隣で、両国関係は歴史が昔に遡り、流れも悠久だ。韓国と中国はかつて日本軍国主義の侵略に共同で立ち向かい、韓国は中国にある韓国独立運動の旧跡を中国が保護してくれていることを感謝する。
両国は(1992年の)国交樹立後、密接な協力関係を構築し、その成果は豊富だ。韓国は中国との関係を高度に重視している。(今回の)新たな一年の初めての国家元首外交を契機として、韓中関係の全面的な回復発展の強固な先鞭をつけ、同じものを求めても差異が存在することを認めて、韓中戦略的協力パートナーシップ関係を深化させ、両国関係の新たな局面を共同で切り開いていこうではないか。
韓国は、中国の核心的利益と重大な懸念を尊重し、一つの中国を堅持する。韓中の経済貿易協力は、それぞれの経済社会の発展に積極的な役割を発揮してきた。韓国は中国の『第15次5ヵ年計画』(2026年~2030年)がもたらす機会の把握に期待し、両国の実務協力がさらに多くの成果を得るよう推進していく。
両国は国民同士の交流も促進し、相互理解を増進させていくべきだ。韓国は中国との多方面での協調を強化し、世界の繁栄発展に貢献していきたい。中国が主催する今年のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が円満に成功することを祈念している」
以上である。習近平主席が「かつて共に日本軍国主義と戦い勝利した」「第二次世界大戦の勝利の成果を死守する」と踏み込んだのに対し、李在明大統領がどう答えるかが注目だった。
李大統領は、「共同で日本軍国主義に立ち向かった」ことは肯定しつつも、その後サラリと話の方向性を日本から中国に変えた。「中国にある韓国独立運動の旧跡を中国が保護してくれていることを感謝する」と述べたのだ。
おそらく韓国側で、文面を練りに練って発言したのだろう。「中国に同意しつつも、日本を刺激しない」という「細くくねった道」をうまく通り抜けたのである。このあたりは、2023年7月に訪中した際の玉城デニー沖縄県知事の「巧みな身のこなし」を髣髴(ほうふつ)させる。
これに対して、李在明大統領はこう述べた。
「韓国と中国は近隣で、両国関係は歴史が昔に遡り、流れも悠久だ。韓国と中国はかつて日本軍国主義の侵略に共同で立ち向かい、韓国は中国にある韓国独立運動の旧跡を中国が保護してくれていることを感謝する。
両国は(1992年の)国交樹立後、密接な協力関係を構築し、その成果は豊富だ。韓国は中国との関係を高度に重視している。(今回の)新たな一年の初めての国家元首外交を契機として、韓中関係の全面的な回復発展の強固な先鞭をつけ、同じものを求めても差異が存在することを認めて、韓中戦略的協力パートナーシップ関係を深化させ、両国関係の新たな局面を共同で切り開いていこうではないか。
韓国は、中国の核心的利益と重大な懸念を尊重し、一つの中国を堅持する。韓中の経済貿易協力は、それぞれの経済社会の発展に積極的な役割を発揮してきた。韓国は中国の『第15次5ヵ年計画』(2026年~2030年)がもたらす機会の把握に期待し、両国の実務協力がさらに多くの成果を得るよう推進していく。
両国は国民同士の交流も促進し、相互理解を増進させていくべきだ。韓国は中国との多方面での協調を強化し、世界の繁栄発展に貢献していきたい。中国が主催する今年のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が円満に成功することを祈念している」
以上である。習近平主席が「かつて共に日本軍国主義と戦い勝利した」「第二次世界大戦の勝利の成果を死守する」と踏み込んだのに対し、李在明大統領がどう答えるかが注目だった。
李大統領は、「共同で日本軍国主義に立ち向かった」ことは肯定しつつも、その後サラリと話の方向性を日本から中国に変えた。「中国にある韓国独立運動の旧跡を中国が保護してくれていることを感謝する」と述べたのだ。
おそらく韓国側で、文面を練りに練って発言したのだろう。「中国に同意しつつも、日本を刺激しない」という「細くくねった道」をうまく通り抜けたのである。このあたりは、2023年7月に訪中した際の玉城デニー沖縄県知事の「巧みな身のこなし」を髣髴(ほうふつ)させる。
習主席の「お言葉」をメモ
加えて、CCTVの中韓首脳会談の映像を見ていて、もう一つ感心したことがあった。それは、習近平主席が発言している間、李在明大統領が、まるで教師の話を聞く生徒のように、熱心にメモを取っていたのである。
中国国内では、習近平主席の会議での「お言葉」はすべて「重要講話」と言われ、参加した幹部全員が、熱心にメモを取りながら聞かねばならない。これは「暗黙のルール」で、部下たちのそうした様子を見ると、習主席がご満悦になるのだ。
別に外国の国家元首まで、この所作をやる必要はないのだが、あえてやる人もいる。例えば、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領である。旧ソ連外務省のチャイナスクール(中国留学組)出身のトカエフ大統領は、中国との首脳会談で習主席が話す間、脇目もふらず熱心にメモを取る。一度、CCTVのカメラがアップで写したことがあったが、ただ紙を黒く塗っているだけに見えた!
おそらく韓国の外交官が、李在明大統領にも「知恵」を授けたのだろう。しかも李大統領は、いちいち習主席の発言に肯きながら、メモを取っていた。習主席はご満悦しごくである。
逆に、李大統領が話している間、習主席は腹を突き出してふんぞり返っていた。私は過去13年近く習主席の首脳会談の映像を見てきたが、この方がただの一度もメモをする姿を見たことがない。おそらくペンなど携帯していないだろう。
ちなみに、習総書記の執務室のデスクには、きちんと削った赤鉛筆が何本も立てかけてあり、習総書記は赤鉛筆で書類に「指示」を書き入れる。これは敬愛する毛沢東主席をまねているのだ。
李在明大統領は、そうしたふんぞり返った習主席と対面しても、作り笑いを浮かべて、まるで清々しい青年のように真摯な眼差しだった。
そして人民大会堂の廊下を二人して歩く時、茶目っ気たっぷりに習主席に語りかけた。
「私のスマホでツーショット写真を撮らせていただけませんか?」
習主席は相好を崩して「撮ろう」(拍吧)と肯いた。
実はこのスマホは、曰(いわ)くつきのものだった。昨年11月1日、慶州APEC(アジア太平洋協力会議)で、両首脳は初会談を行った。その際、習主席が李大統領に、中国の小米(シャオミ)の最新スマホをプレゼントした。
これは李大統領にとって、ある意味、屈辱的だった。かつてはサムスンの携帯電話を中国で年間1億台も生産していて、中国人は誰もがサムスン製を使っていた。だがいまや中国で人気は小米で、サムスンなど誰も使っていない。それで習主席は、「あなたも使ってみなさい」と、李大統領に差し出したのである。
そこで李大統領は、「セキュリティは大丈夫でしょうね」とイヤミを言った。これには習主席もいい気がせず、「それならバックドアを調べたらどうですか」と答えた。
つまり、ちょっとした中韓技術論争のような格好になったのである。その曰くつきのスマホを、李大統領は今回持参し、ツーショット写真を撮ったのである。もちろん、前回の「わだかまり」を解こうという意思があり、習主席もそれに乗ったのだ。
このように、李在明大統領、なかなかしたたかなのである。李在明大統領は200人もの韓国を代表する経営者たちを帯同し、中国と計15件の合意文書にサインした。日中関係が悪化する中、貿易から観光まで、「中国が日本とやっていたことを韓国に向けさせる」という「漁夫の利外交」の側面も大きかったのだ。
だが、そんなことはおくびにも出さず、本日奈良でも、高市首相相手に「満面の作り笑いで」李在明外交を展開していくことだろう。>(以上「現代ビジネス」より引用)
近藤 大介(『現代ビジネス』編集次長)氏は李在明氏の対中外交を「本日奈良会談、李在明韓国大統領が中国で見せたしたたかな「漁夫の利外交」」と表現しているが、それは「したたかな」外交とは呼ばず、「蝙蝠外交」と呼ばれるものだ。つまり世界中で嫌われる韓国特有の中国と米国との間で揺れる外交姿勢を「如実に」示した北京訪問だった。
加えて、CCTVの中韓首脳会談の映像を見ていて、もう一つ感心したことがあった。それは、習近平主席が発言している間、李在明大統領が、まるで教師の話を聞く生徒のように、熱心にメモを取っていたのである。
中国国内では、習近平主席の会議での「お言葉」はすべて「重要講話」と言われ、参加した幹部全員が、熱心にメモを取りながら聞かねばならない。これは「暗黙のルール」で、部下たちのそうした様子を見ると、習主席がご満悦になるのだ。
別に外国の国家元首まで、この所作をやる必要はないのだが、あえてやる人もいる。例えば、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領である。旧ソ連外務省のチャイナスクール(中国留学組)出身のトカエフ大統領は、中国との首脳会談で習主席が話す間、脇目もふらず熱心にメモを取る。一度、CCTVのカメラがアップで写したことがあったが、ただ紙を黒く塗っているだけに見えた!
おそらく韓国の外交官が、李在明大統領にも「知恵」を授けたのだろう。しかも李大統領は、いちいち習主席の発言に肯きながら、メモを取っていた。習主席はご満悦しごくである。
逆に、李大統領が話している間、習主席は腹を突き出してふんぞり返っていた。私は過去13年近く習主席の首脳会談の映像を見てきたが、この方がただの一度もメモをする姿を見たことがない。おそらくペンなど携帯していないだろう。
ちなみに、習総書記の執務室のデスクには、きちんと削った赤鉛筆が何本も立てかけてあり、習総書記は赤鉛筆で書類に「指示」を書き入れる。これは敬愛する毛沢東主席をまねているのだ。
李在明大統領は、そうしたふんぞり返った習主席と対面しても、作り笑いを浮かべて、まるで清々しい青年のように真摯な眼差しだった。
そして人民大会堂の廊下を二人して歩く時、茶目っ気たっぷりに習主席に語りかけた。
「私のスマホでツーショット写真を撮らせていただけませんか?」
習主席は相好を崩して「撮ろう」(拍吧)と肯いた。
実はこのスマホは、曰(いわ)くつきのものだった。昨年11月1日、慶州APEC(アジア太平洋協力会議)で、両首脳は初会談を行った。その際、習主席が李大統領に、中国の小米(シャオミ)の最新スマホをプレゼントした。
これは李大統領にとって、ある意味、屈辱的だった。かつてはサムスンの携帯電話を中国で年間1億台も生産していて、中国人は誰もがサムスン製を使っていた。だがいまや中国で人気は小米で、サムスンなど誰も使っていない。それで習主席は、「あなたも使ってみなさい」と、李大統領に差し出したのである。
そこで李大統領は、「セキュリティは大丈夫でしょうね」とイヤミを言った。これには習主席もいい気がせず、「それならバックドアを調べたらどうですか」と答えた。
つまり、ちょっとした中韓技術論争のような格好になったのである。その曰くつきのスマホを、李大統領は今回持参し、ツーショット写真を撮ったのである。もちろん、前回の「わだかまり」を解こうという意思があり、習主席もそれに乗ったのだ。
このように、李在明大統領、なかなかしたたかなのである。李在明大統領は200人もの韓国を代表する経営者たちを帯同し、中国と計15件の合意文書にサインした。日中関係が悪化する中、貿易から観光まで、「中国が日本とやっていたことを韓国に向けさせる」という「漁夫の利外交」の側面も大きかったのだ。
だが、そんなことはおくびにも出さず、本日奈良でも、高市首相相手に「満面の作り笑いで」李在明外交を展開していくことだろう。>(以上「現代ビジネス」より引用)
近藤 大介(『現代ビジネス』編集次長)氏は李在明氏の対中外交を「本日奈良会談、李在明韓国大統領が中国で見せたしたたかな「漁夫の利外交」」と表現しているが、それは「したたかな」外交とは呼ばず、「蝙蝠外交」と呼ばれるものだ。つまり世界中で嫌われる韓国特有の中国と米国との間で揺れる外交姿勢を「如実に」示した北京訪問だった。
高市氏は李在明氏との日韓首脳会談に奈良入りに際して、奈良で非業の死を遂げた安倍氏の慰霊碑に参拝した。それが高市氏のいかなる覚悟表明か、誰の目にも明らかではないだろうか。安倍氏は韓国の「慰安婦」問題に対して「無視」を貫いていたが、日韓関係の悪化を危惧する米国の仲介により妥協策として「最終合意」を吞んだ。しかし、その後の「慰安婦」問題の展開はどうだったか。安倍氏のが妥協した「最終合意」は最終の合意ではなく、次なる日本批判のステップでしなかった。
おそらく高市氏は米国の仲介により歴史上に存在しない「慰安婦問題」の妥協案を安倍氏が吞まされ、その後に「賠償と謝罪」のお代わりをされたことを決して忘れてはいない。李在明氏が「姑息にも」習近平氏と歴史に悖る「対日戦勝国」宣言したことにより、李政権の反日姿勢を見ていないわけがない。
李在明氏が訪日をする目的は明らかだ。それは日韓通貨スワップの延長だ。日韓通貨スワップ協定は2023年12月に再開され、上限額100億ドル(約1.5兆円)で、期間は3年間(2026年12月1日まで)だ。その延期を求めてのことは明白だ。なぜなら韓国経済は債務超過状態に陥り、外貨準備を切り崩してウォン防衛に注ぎ込んで、もはや自国だけの金融政策で切り抜けるのは困難な状況に陥っている。前回の金融危機の場合はIMFが乗り出したが、今回はIMFですら匙を投げている。
韓国の財政状況は、景気低迷による税収不足で財政赤字が拡大傾向にあり、管理財政収支は再び100兆ウォンを超え(2024年)、GDP比赤字率も目標の3%を上回っている。
ただ国民年金基金の運用好調が国全体の資産を支え、国家債務はGDP比で微減傾向(2024年)にあるが、一方で追加補正予算の編成により赤字がさらに拡大する可能性があり、家計債務や不動産市場、外需の不透明感がリスク要因として上げられる。また少子高齢化の急速な進展による社会福祉支出の増大は、国民年金基金運用に関しても長期的にマイナスに働き、財政運営を厳しいものにしている。
高市氏は李在明氏の擦り寄りにまんまと乗らないことだ。いかに米国から圧力があろうとも、韓国とはデカップリングこそが最善の策だ。高市政権の暫定税廃止により、日本経済は成長の第一歩を歩み始めた。これから本格的な経済成長政策を展開するためにも、足手まといになる韓国とは関わらないことだ。関わらなければ韓国の反日は「犬の遠吠え」でしかない。
韓国は韓国政府が責任を持って運営すべきだ。その韓国政府を選ぶ権利は日本国民にはない。韓国民が選んだ政権が経済運営で失敗すれば、その失敗の責任は韓国民が取るべきだ。日本に頼るのを恥とすべきだ。自立した経済政策を運営した上で、日本と極東の安全について話し合う、と云うのが韓国の立場だ。自国経済運営すら出来ない政権が日本に頼ろうとすること自体が間違っている。それ以前に、韓国の蝙蝠外交は韓国に対する国際的な信用を失うだけだ、と認識すべきだ。