イラン最高指導者、地下壕に避難か ロシア亡命準備の臆測も
<英紙タイムズ(電子版)は4日、情報筋の話として、イランで各地に波及している抗議デモが激化して鎮圧に失敗した場合、最高指導者ハメネイ師が家族ら約20人と共にロシアへ逃亡する計画を準備していると報じた。
同紙によれば、西側情報機関は昨年6月に起きたイランとイスラエルの「12日間戦争」の後、ハメネイ師が「精神的にも肉体的にも弱くなっている」と分析。ロシアへの脱出計画は、2024年12月の政変でロシアへ逃れたシリアのアサド前大統領の例を参考にしているという。
イランでは昨年12月28日以降、深刻な経済低迷に抗議するデモが拡大し、人権団体によれば、これまでの死者は16人に達した>(以上「時事通信」より引用)
同紙によれば、西側情報機関は昨年6月に起きたイランとイスラエルの「12日間戦争」の後、ハメネイ師が「精神的にも肉体的にも弱くなっている」と分析。ロシアへの脱出計画は、2024年12月の政変でロシアへ逃れたシリアのアサド前大統領の例を参考にしているという。
イランでは昨年12月28日以降、深刻な経済低迷に抗議するデモが拡大し、人権団体によれば、これまでの死者は16人に達した>(以上「時事通信」より引用)
「イラン指導者、ロシアへ逃亡準備か 抗議デモ鎮圧失敗なら―報道」との見出しに「ホメネイよ、お前もか」と思わざるを得ない。2024年12月にはシリアのバッシャール・アル=アサド前大統領が反政府勢力の攻勢により政権が崩壊したことを受け、家族とともにロシアへ亡命した。ロシア当局は「人道的な立場から亡命を受け入れた」としているが、尾羽打ち枯らした「亡命者」を安易に受け入れるほどロシア人は「お人好し」ではない。それ相当の資産をロシアの金融機関に預託しているものと思われる。
イランの最高指導者ホメネイ師も家族など20人とロシアへ亡命するサインを送り、その手立てを用意しているという。シリアのアサド大統領も冷酷な独裁者だったが、ホメネイ師も残虐な独裁者だ。
イランでは経済危機が続いている。イランの核問題を巡る「6カ国協議」(P5+1、英独仏米中露+ドイツ)が成立していたが、一期目のトランプ政権が「6カ国協議」からの離脱を宣言し、2019年に米国の制裁再開を受け、イランは合意で定められたウラン濃縮制限などの核関連の約束の一部履行停止を段階的に発表し、核開発活動を再開した。その後2015年の国連安保理決議第2231号に基づく対イラン制裁措置が「スナップバック」により再適用さた(当初は2025年10月に失効予定だった)。これにより、国連安保理レベルでの制裁も復活し、核合意は事実上崩壊した。
対イ経済制裁は石油・天然ガス・石油化学製品への投資禁止、軍事関連物資の輸出禁止、イラン金融機関の国際取引からの締め出しなど、広範な分野に及び、イラ経済への影響として通貨価値の急落、高い失業率、ハイパーインフレなどが続き、国民生活に深刻な影響が出ていた。また国際関係は欧州諸国や日本などの企業は米国の二次的制裁を警戒して、イランとの大規模な貿易・投資を控えている。一方、イランは中国やロシアなど域内諸国との経済関係拡大や、原油輸出の一部継続を試みているため、ますます米国は対イ経済制裁を強めていた。 イランの経済はほぼ崩壊したも同然の状態で、現在、イランの失業率は12%となっている(若年層に限れば20%を超える)。2000年代前半には改革派ハタミ大統領の舵取りにより約15%に抑え込まれたが、扇動主義的なアフマディネジャド大統領の下で、再び30%に急上昇した。このとき、原油価格は過去最高の水準にあり、イラン通貨はすでに450%以上も切り下げられていた。
ロウハニ大統領の手腕により、現政権はインフレ抑制の点である程度の成功を収めているが、こうした改善が誰に恩恵をもたらすかは見えにくい。抗議行動の参加者たちは、物価上昇と補助金削減によって自分たちの購買力が低下したと考えている。平均的なイラン国民が制裁解除の効果を実感し、経済が安定するまでには時間がかかる、とロウハニ大統領の支持者は主張する一方で、圧倒的多数のイラン国民は宗教的な「抑圧された生活」からの解放を求めている。
2009年の総選挙後に主として都市部で生じたデモとは異なり、今回はアフワーズ、ケルマーンシャー、ラシュト、カズビーンなど、いずれも地方の比較的貧しい街で起きている。全国規模に拡大した抗議デモだけに、政府も真剣な対応が求められる。またアメリカのドナルド・トランプ大統領がイランの指導者らに対し、デモ参加者らへの対応についてアメリカは「臨戦態勢」にあると、直接的な警告を発していた。その後、アメリカの特殊部隊が、ヴェネズエラでニコラス・マドゥロ大統領を標的にした作戦を実施した。抗議デモがまだ続く最中に、アメリカの現職大統領がこうした直接的かつ潜在的な脅しをかけるのは極めて異例だ。デモ参加者らはこれに勇気づけられ、抗議行動が拡大する可能性がある。
イランの警察と治安部隊は、デモが始まった直後から暴力的な対応を取ってきた。人権団体は、これまでに20人以上が殺害されたとしている。そうした状況で、トランプ氏の動向が注目されるが、その最中に出て来たニュースが「見出し」の記事だ。ホメネイ氏はマドゥロ大統領のように米国へ「拉致・連行」されるのを極端に恐れているようだ。もちろんホメネイ氏たちはロシア当局に「亡命」を受けいてれるのに充分な資産を預託しているのだろう。