山上被告に「無期懲役」判決が下りたが、

<2022年の安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告に、奈良地裁が無期懲役の判決を言い渡した。
 量刑が最大の争点だった。被告の母親は宗教団体の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に多額の献金をし家庭は崩壊状態となった。その不遇をどの程度考慮するかが焦点となっていた。
 判決は「動機に酌むべき余地は大きくない」として生い立ちの犯行への影響を考慮せず、検察側の主張を全面的に認めた。
 選挙の応援演説中の元首相を聴衆の前で、手製の銃で撃つという衝撃的で民主主義の根幹を揺るがす事件だった。いかなる事情があろうと人をあやめていい理由にはならない。重い刑事責任はもちろん免れない。
 とはいえ、背景となった社会のあり方を考え、教訓を共有することは事件を繰り返さないためにも大切なはずだ。
 裁判で浮かび上がった被告の境遇と犯行を切り離してしまうことには疑問が拭えない。
 行き過ぎた献金を求めるような宗教団体から人権をどう守るか。個人の力ではどうしようもない壁を前に不遇感を抱く人にいかに寄り添い、過激な行為に走ることを防ぐか。
 事件が浮き彫りにしたそうした課題への向き合い方は、今後も社会に問われ続ける。

■無視できぬ教団の影
 審理は15回を重ねた。被告の母親や宗教学者らが出廷し、被告人質問も複数回にわたった。生い立ちや犯行に至る被告の内面は一定程度明らかになった。
 弁護側はそれを踏まえ被告の悲惨な経験が犯行に直結しているとして情状酌量を求めた。検察側は犯行の重大性を強調し、両者が対立する構図となった。
 判決は、被告の生い立ちが「事件の遠因となったことは否定できない」と言及はした。
 だが殺人を決意し実行する意思決定に至ったのは「大きな飛躍がある」として、そこに「生い立ちが大きく影響したとは認められない」と指摘した。
 教団への恨みが安倍氏に対する殺意へと転じたところに飛躍があるのは確かに否めない。
 しかし、被告の人生の大きな部分に教団の存在があったのは確かだろう。それを事件の要因から排除してしまうのは適切な司法判断と言えるだろうか。

■2世の救済は途上だ
 教団の活動に伴う貧困や家庭崩壊は、山上被告のケースに限らず広範に起きていたことが事件後に知られるようになった。
 それらは1980年代後半から報道され社会問題になったが、やがて忘れ去られた。
 適切な対応があれば防げた事件との思いを禁じ得ない。メディアを含め社会全体で改めて反省しなければならない。
 高額献金問題を受けて2023年に施行された不当寄付勧誘防止法は、不安をあおるなどの悪質な寄付勧誘を禁じた。
 だが、すでに起きた被害の救済には実効性が乏しいと指摘されている。施行後2年をめどに見直す規定があり、信者を親に持つ宗教2世らでつくる団体は見直しを求めている。
 消費者庁は相談窓口に寄せられた情報に違法なケースはないとして改正は不要としている。救済に消極的と見ざるを得ず、見直しを検討すべきだろう。
 東京地裁は昨年3月、教団に宗教法人法に基づく解散命令の決定を出した。200億円超の被害を認定した。東京高裁が解散命令を維持すれば、教団の清算手続きが始まる。
 教団の資産は被害賠償の原資になるとみられるが、教団はすでに清算後の残余財産の移転先を帯広の別の宗教法人と決めている。救済に支障を来さない対応が政府に求められる。

■自民党は関係解明を
 事件後、教団と安倍氏や自民党との密接な関係が明らかになった。自民党は関係断絶を宣言し教団や関連団体と接点のあった議員を180人と発表した。
 しかし今、その調査結果に疑義が生じている。
 昨年末、教団が応援した国会議員は自民党だけで290人に上ると21年の衆院選後に報告されたとする教団内部文書の存在が韓国で報じられた。
 文書は韓国本部の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁への日本教団からの報告書で、韓国本部の政界工作の捜査で見つかったとされる。韓総裁は政界への金品供与容疑で昨秋、韓国特別検察に逮捕されている。
 見過ごせないのは、報告書には安倍氏のほか高市早苗首相の名が何度も登場することだ。政権の要職には教団と接点のあった議員も就いている。
 自民党は教団との関係を改めて徹底検証すべきだ。高市首相には説明責任がある。
 銃撃事件を受け政治家の演説に厳重な警備が敷かれるようになった。演説会場は有権者が候補者の政策や人柄を確かめ、候補者は有権者の反応をみる民主主義の実践の場と言える。
 折しも衆院選が始まる。リアルな空間での双方の接点は最大限保障されねばならない>(以上「北海道新聞」より引用)




<社説>安倍氏銃撃に無期懲役 社会のあり方も問われる」と見出しにある通り、山上被告に「無期懲役」判決が下りた。私が予想した通りだった。
 どうしても日本の司法は山上を社会と分断したまま「安倍銃撃」事件を終わらせようとしているようだ。

 引用記事で北海道新聞氏が論述している教団の影響力や信者に性の問題など、何一つとして解決していない。日本では憲法で思想信条の自由が保障されていて、誰が何を信仰しようと自由だが、その信仰心(思考停止状態)を利用して献金を強要するのは極めて悪質だ。さらに信者に政治活動までさせるのは悪質というよりも「危険」だ。
 だが日本には歴然と特定の宗教団体と関係のある政党が存在している。そのことを誰も憲法判断に照らさないのも不思議だ。いや、そもそも最高裁判所に法律の違憲判断する機能がないことが大問題だ。

 安倍銃撃事件は極めて残念なことだ。政治家としてこれからも影響力を発揮すると思われていた人物だけに喪失感は大きい。だが、「殺人事件」としては安倍氏も一般国民と同じ扱いのはずだから、銃刀法違反なども加わったとしても、いきなり「無期懲役」は余りに酷い。
 しかも山上被告は当初から「殺害を是認した上」で裁判に臨んだ。安倍氏を殺害した事実は「争わない」という前提に立つ裁判だった。そのことを裁判員の一人も疑義を呈さなかったのだろうか。なぜ「奈良医大の医師は「心臓破裂が死因」」としているのに対して、奈良県警の検視官は「左右の鎖骨下にある動脈を傷つけたことが死因」としている「相違」を徹底的に裁判で検証しなかったのだろうか。結果として安倍氏は「左右の鎖骨下にある動脈を傷つけたこと」で死亡したことになったが、そうすると奈良医大の医師は全く見当違いの治療を施した、ということになる。

 鎖骨下の動脈破裂と心臓破裂とでは安倍氏に命中した弾丸の入射角に大きな違いが生じる。しかも、塩ビ管に詰め込んだパチンコ玉を黒色火薬で発射した「弾丸」にどれほどの「貫通力」があるのか。
 私は陰謀論に与する者ではない。しかし真実は明らかにしなければならない。なぜ日本の科学力を総動員して、安倍氏の命を奪った「弾丸」と入射角を特定しなかったのだろうか。それとも警察や検察は詳細なシュミレーションを行って山上被告の放ったパチンコ玉が安倍氏の命を奪った、と断定したのだろうか。それなら堂々と「山上被告が殺人犯か否か」という根本的な前提から争うべきだった。当然ながら、山上被告の弁護を勤めた弁護士も検察と山上被告が殺害犯人か否かを巡って争うべきだった。

 一般的に殺人罪の量刑は刑法第199条で定められている通り、死刑、無期懲役、または5年以上の有期懲役となっている。量刑は殺意の有無、犯行の動機や態様、加害者の年齢や前科、社会的影響、反省の度合い(情状)など様々な事情を考慮して裁判官が決定するが、多くの事件で10年以上の懲役刑となることが多く、複数人殺害の場合は死刑となることもある。
 山上被告の場合、安倍氏銃撃が初犯であれば「無期懲役」は一般的な判決より重いといわざるを得ない。せめて有期刑では最高の懲役20年が相当と思っていた。しかし山上被告を社会と断絶して、再審要求などが起きないようにするには「無期懲役」もあり得るかも、と考えなくもなかった。だが、結果は無期懲役の判決だった。

 裁判官はなぜ当初から審理過程で山上被告の「殺人」そのものを争わないとしたのか。長期に渡った「公判前整理」で何を整理したのか。三年近くに渡る「拘留」の間に、山上被告から検察は何を取調べしたのか。まだ一審判決が下りたばかりだ。今後、控訴審があるだろう。まともな弁護士がまともに「殺人」そのものを争い、安倍銃撃事件の全容が解明されることを願う。

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