未だに経済界幹部が「政経分離」などと恍けた発言をしているとは。

<関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は6日、大阪市内で年頭記者会見に臨み、今秋の実施を検討している中国への訪問団派遣について「先方が受け入れてくれるのならば行く。率直な話をしたい」と述べて、実現を目指す考えを改めて表明した。

 松本氏は、関西経済界が1978年の日中平和友好条約の締結以前から訪中団を派遣するなど、対中交流で歴史を築いてきた事実を強調。両国間で政治的な問題が起きても「政経分離という形でやってきた」と述べ、訪中に強い意欲を示した。
 松本氏は5日に開かれた会合で、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁について「(大阪・関西)万博中にあのコメントがあったら(と思うと)、私はぞっとした」「あれ(首相の答弁)はもうだめだ。日本の万博がけがれるという感じだ」と述べ、批判的な姿勢を鮮明にしていた。
 また松本氏は、万博閉幕などを背景に関西の経済成長率(見通し)が昨年の1.0%から今年は0.9%程度に鈍化するとの見方を示した。数字には中国との関係悪化の影響が含まれていないとして、消費活性化の取り組みが必要と強調した>(以上「産経新聞」より引用)




「万博けがれる」発言の関経連・松本会長、今秋の訪中に重ねて意欲 「政経分離」を強調」との真意は何だろうか。経済人は未だ「政経分離」を本気で掲げているとしたら、能天気にもほどがある。
 今秋に「訪中」を考えている、とは松本氏の住友電気工業会長としての発言なのか、それとも松本氏の個人的な趣味なのだろうか。

 確かに日本の貿易相手として中国が最大だが、それでも2024年の日本の対中貿易総額は約44兆1,680億円(前年比4.7%増)で、うち輸出約18.8兆円(同6.2%増)、輸入約25.3兆円(同3.6%増)だった。つまり中国にとって日本は輸出超過の「お客様」で、礼を尽くして交流すべきは中国側のはずだ。
 しかし対中貿易の中身を見ると日本から中国へ主な輸出品は半導体等製造装置・電子部品などで、輸入品は通信機・電算機類・衣類などで、加工貿易の側面が強い。つまり中国を「生産拠点」として日本の企業が利用しているのが対中貿易にも表れている。

 そうした日本と中国の貿易取引関係の中で、住友電気工業は、自動車、情報通信、エレクトロニクス、環境エネルギー、産業素材の5つの分野でグローバルに事業を展開しており、特に「MEC(モビリティ・エネルギー・コミュニケーション)」を重点領域とし、社会インフラを支える幅広い製品と技術を提供している。つまり中国で製造する製品の「素材」を供給している。
 だが、邦人企業も相次いで生産拠点を中国から東南アジアや国内へ移している現状から、対中貿易額そのものがジリ貧になっていくと思われる。

 そこで改めて松本氏の「万博けがれる」発言の真意は何かを問わなければならない。なぜなら高市首相が日本の国防に関する「存立危機事態」発言に関して、発言の時期が万博期間中でなくてよかった、などと「不穏当」な発言をしているからだ。
 万博期間中に高市氏の「存立危機事態」発言があったら、どうだというのか。それで「万博がけがれた」とでも云うのだろうか。商売のためなら、日本の国家防衛などどうでも良い、とでも云うのだろうか。そうした「金儲け第一主義」の発想こそが大問題ではないだろうか。
 

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