世界の問題児三人(トランプ氏、習近平氏、プーチン)が欠席する南アフリカG20の地盤沈下。

<中国の習近平国家主席は、来週南アフリカで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議への出席を見送る。すでにトランプ米大統領の欠席が明らかになっている中、開催国の南アにとっては大きな痛手となりそうだ。

 中国外務省は13日、ヨハネスブルクで22日開幕するG20首脳会議に李強首相が代表として出席すると発表した。習氏は昨年は出席したが、今回の欠席理由については明らかになっていない。
 習主席の欠席により、世界の2大経済大国の首脳が不在となる。トランプ大統領は先週、南アによる白人住民の扱いを非難し、米政府関係者は誰もG20会議に出席しないと表明していた。また、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出て、国外渡航が制限されているロシアのプーチン大統領も欠席する>(以上「Bloomberg」より引用)




習主席、今月のG20首脳会議への参加見送り-米中首脳が欠席へ」ということのようだ。これで南アフリカで開催される今年のG20に米中首脳が欠席することになった。
 トランプ氏の欠席理由は「南アによる白人住民の扱いを非難」していることから明白だが、習近平氏の欠席理由は明らかにされていない。従来、中国は「一帯一路」政策でアフリカ諸国に投資の「罠」を盛んに仕掛けていたが、その反動が表れてアンゴラでは中国人に対する暴動が起きて、100軒を超える中国人が経営する会社や商店が破壊された。他の国でも反中デモや暴動が起きていて、アフリカ諸国の対中感情は悪化している。

 かねてより中国はアフリカ諸国との関係強化と共同発展のために中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)を開催している。アフリカ諸国の友好協力の強化、共同発展の促進を目的とする定期的な対話フォーラムで、閣僚級会議が3年ごとに、首脳会議(サミット)が6年ごとに開催されている。直近では2024年9月に、北京でFOCACサミット(首脳会合)が対面式で開催された。この会議で習近平国家主席は今後3年間で約500億ドル(約7兆円)規模の資金をアフリカ支援のために拠出すると表明した。
 アフリカ諸国から出席したのはマラウイのチャクウェラ大統領、ガンビアのバロウ大統領、マダガスカルのラジョリナ大統領、スーダン主権評議会のブルハン議長、リベリアのボアカイ大統領、ブルンジのンダイシミエ大統領、ギニアビサウ大統領、ルワンダ大統領、ガーナ大統領、エチオピアのアビィ首相、モザンビークのニュシ大統領、ザンビアのヒチレマ大統領、タンザニアのサミア大統領、赤道ギニアのオビアン・ンゲマ大統領などだ。

 習近平国家主席は、中国とアフリカとの関係は歴史上で最良の状態にあるとし、今回のサミットを機にアフリカにおける全ての国交樹立国との関係が戦略的パートナーシップ以上に格上げされたことを評価した。
 その上で、中国はアフリカと協力し(1)公正で理にかなった、(2)開放・ウィンウィンの、(3)人民を至上とする、(4)多元的で包容的な、(5)生態環境に優しい、(6)平和・安全な現代化を推進するとした。また、「10大パートナーアクション」として、貿易、サプライチェーン、インフラの相互連携、安全保障など10分野でアフリカに対する支援や協力を行うとした。

 当然ながらアフリカ諸国の対中輸出が伸び悩み、中国製品の流入過多による貿易赤字が拡大している。それにより中国が貸し付けた融資の返済が滞り、プロジェクトの一部が資金繰りに行き詰まるケースも発生している。その「カタ」として中国がアフリカ諸国に投資した港湾や空港や鉱山などの権益を取り上げる事態が起きて、「新植民地主義」と批判アフリカ諸国が批判している。
 中国はアフリカの近代化と自立を支援する「パートナー」として位置づけ、アフリカ諸国も経済発展の機会を得るため関係を深めてきたが、その関係は互恵性と課題の両面を持ち合わせている。中国からアフリカへの投資(フローとストック)ストック(蓄積額)で見れば 2018年の461億ドルをピークに、2023年には421億ドルと減少傾向にある。フロー(年間新規投資額)としては2023年は40億ドルで、過去10年平均の36億ドルに近い水準だが、融資は2016年の285億ドルをピークに大幅減少し、2022年には約9.9億ドルまで落ち込み、中国の対アフリカ融資は縮小傾向にある。

 もちろん南アフリカはコンゴ民主共和国、ザンビア、エチオピア、アンゴラなどと並ぶ主要投資国だ。投資目的は 進出した中国企業による建設業、鉱業(コバルト、リチウムなど)、製造業が中心で、中国の資源確保の側面が強い。そうした投資に対して近年ではアフリカ諸国からの「一方的関係」への懸念や、自国の加工・製造業へのシフト要求が高まっている。
 世界のアフリカ向け直接投資額は年間500億ドル前後で推移しており、中国のシェアは10%前後を維持している。中国のアフリカへの経済活動は活発だが、投資や融資の構造は変化しつつあり、単なる資源輸出だけでなく、より互恵的な関係を模索する動きが出ている。まさに中国とアフリカ諸国との関係は過渡期にある。そのため新関係構築のために習近平氏が南アフリカへ赴くのではないかと見られていたが、代わりに李強首相が行くことになったようだ。もちろん国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているプーチンも欠席することから、南アフリカで開催されるG20は中身の薄い会議になりそうだ。

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