習近平氏は独裁体制を放棄せよ。
<10秒ほどの握手の間、高市首相に少しに笑みが見られたものの、2人は硬い表情だった。APEC=アジア太平洋経済協力会議が開かれていた韓国での、高市首相と習近平国家主席の首脳会談冒頭での様子だ。握手は片手だった。
「中国メディアが映した日中首脳会談…“祝電なき関係”の真意 中国での報道から見える日中関係の現状」と習近平氏と高市首相との会談を論評している。しかし、それはあくまでも表面的なものでしかないようだ。
習主席の硬い表情は、APEC首脳会議の控え室で高市首相の挨拶を受けた際に見せた笑みとは対象的だった。 会談の冒頭、習主席は、高市首相が所信表明演説で「中国が重要な隣国で、建設的で安定的な対話関係を築き、両国の戦略互恵関係を進める必要がある」と表明したことに触れ、「これは、新内閣が中日関係を重視する証だ」と評価した。
また、中国外務省によると習主席は「中日両国は一衣帯水の重要な隣国で、両国の関係が長期的に健全で安定的に発展することを、両国民や国際社会が望んでいる」とも述べた。 その一方で習主席は、「中日関係の基盤が損なわれず、揺るがされないよう」歴史や台湾問題に関し、日中共同声明などで定めた規定を守るよう求めた。
◆「高市首相の歴史認識や台湾に関する言動を警戒」
では、高市首相との首脳会談を中国側はどう見ているのか。国営メディアや共産党メディアが伝えた順番や画像から考えてみた。 首脳会談当日の国営テレビのメインニュースでは、習主席が韓国で行われていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席したことがトップニュースで、その次にAPECの場で行った各国との首脳会談がカナダ、タイ、日本の順で報じられている。
会談の翌日、11月1日付の共産党機関誌「人民日報」には、習主席が行った日本、カナダそしてタイとの首脳会談が1面に掲載されている。いずれも写真や記事のスペースはほぼ同じ大きさだ。ただ、位置的には、カナダとタイの下に日本との首脳会談が掲載されている。
記事には微妙な違いがある。カナダ、タイとは「首脳会談を行った」という表現。一方、日本とは「(日本の)要請に応じで首脳会談を行った」という意味を表す中国語「应约会见」が入っている。首脳会談は中国側から求めたものではないという意味にもなる。 こうした「違い」や「差」は首脳会談前からあった。習主席は、石破前首相や岸田元首相の就任に際して送っていた祝電を高市首相には送っていない。祝電は李強首相が送ったが、これまではあった中国側からの公表はないままだ。習主席が祝電を送らなかった理由について、中国の日本研究者は「中国が高市首相の歴史認識や台湾に関する言動を警戒していることの現れ」と指摘する。
王毅外相は、首脳会談の3日前に行われた茂木外相との電話会談で次にように述べている。 「日本の新内閣が中国との交流において『第一歩』を踏み出し、『最初のボタン』を正しく留めることを望む。歴史問題と台湾問題は両国関係の基盤と互いの基本的な信頼に関わるものである」 ともあれ、今回の首脳会談で両首脳は、互いの違いを乗り越え共通の利益を拡大する「戦略的互恵関係」の推進を確認した。
◆“平手打ち”と受け取られた台湾代表との会談
その首脳会談の翌日11月1日、高市首相はAPECに台湾代表として参加した林信義総統府顧問と会談したことを林氏と握手する写真とともに投稿した。 これについて共産党の関係者は、「習近平氏の顔を平手打ちするようなもの。台湾問題で中国を挑発している」と述べ、こう続けた。 「日中関係のスタートは良くないものになった」>(以上「FNN」より引用)
「中国メディアが映した日中首脳会談…“祝電なき関係”の真意 中国での報道から見える日中関係の現状」と習近平氏と高市首相との会談を論評している。しかし、それはあくまでも表面的なものでしかないようだ。
従来、中国主席は日本の総理大臣就任時にはその日の内に祝電を送っていた。だが高市総理大臣就任に関しては祝電を送っていない。そして首脳同士の会談が最初の接触という極めて異例な事態だ。その異例な事態を招いたのは日本ではなく、習近平氏の方だ。
ただ引用記事にあるように「APEC首脳会議の控え室で高市首相の挨拶を受けた際に見せた笑み」が習近平氏にはあった。しかし握手する時には仏頂面で取り付く島のないような雰囲気だった。その一方、高市首相には笑みがあった。その原因は何だろうか。
習近平氏は高市首相に向かって「村山談話」を持ち出して過去の反省と謝罪を求めたようだ。それに対して高市首相は過去に囚われるのではなく未来志向で外交を進めるべきだ、と切り返したようだ。つまり30年前の「村山談話」で過去に対する「総理大臣の反省と謝罪」は済み、いつまでも繰り返しても仕方ないだろうという意趣だ。この会話からどちらが卑屈で、どちらが発展的か誰にだって分かるだろう。
さらに高市首相の習近平氏に対して明確に「尖閣諸島は歴史的に日本固有の領土」だと宣言し、中国のウィグル人やモンゴル人に対する人権問題についても言及した。かつて、習近平氏にそこまで言ってのける日本の首相がいただろうか。だから習近平氏の顔はこわばり、写真撮影の握手時も仏頂面だった。
さらに高市首相はAPECに出席した各国の首脳と積極的に挨拶し会話して回った。その積極性は日本の首相として初の出来事だ。ことに前任者・石破氏とは全くの逆で、日本をアジア諸国の盟主だと印象付けて余りある国際舞台だった。
さらに高市首相はAPECに台湾代表として参加した林信義総統府顧問と会談した。そして林氏と握手する写真を高市首相はSNSに投稿した。それに対して中国は「習近平氏の顔を平手打ちするようなもの。台湾問題で中国を挑発している」と憤慨しているようだが、国際会議の場で台湾代表とだけ握手しないとしたら、その方がかえっておかしいだろう。
中国当局は「日中関係のスタートは良くないものになった」と述べているようだが、これまで必要以上に遠慮していた対中関係が、高市首相の登場でやっと正常化するようだ。言うべきを云わなければ、外交の体をなさない。軍拡・膨張を続けて、海洋進出を続けている中国の帝国主義的な領土拡大主義を日本は許さない、という確固たる態度表明が必要だ。
中国は経済崩壊により、既に国家としての体をなしていない。国家騒乱の前兆は全国各地で起きている。金融は麻痺状態に陥り、富裕層は外国へ逃げ出し、多くの国民は今日の食事に事欠く有様だ。
中共政府は日本からの支援が喉から手が出るほど欲しい。かつてのようにOECDを再開して欲しいと願っている。しかし拡大した軍事力を誇る予算があるなら、海警船に注ぐ燃料があるなら、まずは国民生活にこそ回すべきだ。そうしない限り、日本政府は高みの見物と決め込むべきだ。約束を守らない、日本からの支援を自力成長だと国民に嘘を言い、そして反日宣伝を続けている国に、日本が何を為すべきだというのだろうか。まずは中国の民主化が進むか否かを見守らなければならない。