里山に棲息するクマは人里を餌場とする。だから里山のクマはすべて殺処分すべきだ。
<16日午前11時20分頃、秋田県能代市の中心部にある商業施設「イオン能代店」から「クマが店内に入ってきた」と110番があった。クマ(体長約80センチ)は店舗北東の出入り口から侵入し、家具売り場付近へ移動。従業員らが売り場にあったパーティションなどで閉じ込めた。駆けつけた県職員が吹き矢で麻酔をかけ、午後2時前、電気ショックで駆除した。
同店3階の飲食店経営者の男性(61)は、イオンの従業員から「客を店外に出してほしい」と指示された。店内には、3組8人ほどの客がいたが、すぐに食事を中断させて避難させたという。男性は「1階は防火シャッターが閉められ、さすまたを持った警備員が巡回するものものしい雰囲気だった」と振り返った。
現場はJR能代駅の北西約750メートルの市役所や学校などが集まる市街地。能代署によると、イオン近くの公園では、午前8時前にもクマが目撃されていた。
16日午後3時25分頃、秋田県鹿角市花輪で、「田んぼに人が倒れている」と住民から110番があった。鹿角署の発表によると、高齢女性があおむけに倒れ、頭と右手には動物によるとみられる傷が複数あった。その場で死亡が確認された。同署はクマに襲われた可能性があるとみて、身元や死因を調べている。
福島県磐梯町磐梯の農道では午前8時5分頃、同町の80歳代男性がクマ(体長約1メートル)に襲われ、後頭部と右脚にけがを負った。県警猪苗代署によると、男性は住民らと10人ほどで電気柵を撤去する作業中だった。
新潟県南魚沼市の住宅地では、民家敷地の木の上にいた体長約50センチの子グマを麻酔銃による緊急銃猟で駆除。けが人はなかった。15日には、岩手県軽米町軽米の山あいの民家で、飼い犬がクマに襲われて死んだ可能性があるとして、県警二戸署は付近に注意を呼びかけている。> (以上「読売新聞」より引用)
「イオン能代店にクマ侵入、吹き矢で麻酔かけ駆除…鹿角市ではクマに襲われたとみられる女性死亡」とは、従来の「クマは臆病で人間を恐れる」という認識を新たにしなければならないようだ。むしろクマは人里を餌場とし、ヒトを見つければ襲い掛かる「猛獣」だと認識すべきではないか。
同店3階の飲食店経営者の男性(61)は、イオンの従業員から「客を店外に出してほしい」と指示された。店内には、3組8人ほどの客がいたが、すぐに食事を中断させて避難させたという。男性は「1階は防火シャッターが閉められ、さすまたを持った警備員が巡回するものものしい雰囲気だった」と振り返った。
現場はJR能代駅の北西約750メートルの市役所や学校などが集まる市街地。能代署によると、イオン近くの公園では、午前8時前にもクマが目撃されていた。
16日午後3時25分頃、秋田県鹿角市花輪で、「田んぼに人が倒れている」と住民から110番があった。鹿角署の発表によると、高齢女性があおむけに倒れ、頭と右手には動物によるとみられる傷が複数あった。その場で死亡が確認された。同署はクマに襲われた可能性があるとみて、身元や死因を調べている。
福島県磐梯町磐梯の農道では午前8時5分頃、同町の80歳代男性がクマ(体長約1メートル)に襲われ、後頭部と右脚にけがを負った。県警猪苗代署によると、男性は住民らと10人ほどで電気柵を撤去する作業中だった。
新潟県南魚沼市の住宅地では、民家敷地の木の上にいた体長約50センチの子グマを麻酔銃による緊急銃猟で駆除。けが人はなかった。15日には、岩手県軽米町軽米の山あいの民家で、飼い犬がクマに襲われて死んだ可能性があるとして、県警二戸署は付近に注意を呼びかけている。> (以上「読売新聞」より引用)
「イオン能代店にクマ侵入、吹き矢で麻酔かけ駆除…鹿角市ではクマに襲われたとみられる女性死亡」とは、従来の「クマは臆病で人間を恐れる」という認識を新たにしなければならないようだ。むしろクマは人里を餌場とし、ヒトを見つければ襲い掛かる「猛獣」だと認識すべきではないか。
今年は全国的にクマによる人身被害が過去最多を更新しており、11月4日時点で死者数が12人に上っている。これは、個体数増加、分布域拡大、そして「人を恐れないクマ」の増加が背景にあり、市街地中心部での出没も相次いでいる。この状況を受け、政府は「緊急銃猟」制度の実施や、警察によるライフル銃での駆除の可能化など、対策を強化している、というが緊急事態というべきではないだろうか。
ことに岩手県は深刻で、クマ出没件数が環境省の速報値(2025年4月~8月)で3453件と最も多く、次いで秋田県(3089件)、青森県(1384件)となっている。上位はすべて東北地方の県が占めているため、あらゆる手を尽くしてクマ被害削減に乗り出すべきだ。
これほど深刻な事態になっても、未だに猟友会が殺処分すればクレームを入れる動物愛護団体のメンバーがいるようだが、クマにより殺害された被害者の惨たらしさを知らないのだろうか。クマは捕食動物の息の根を絶ってから喰うのではない。捕食動物が生きた状態でもクマは喰う。それほど獰猛な動物だと認識すべきだ。
そして里山に棲みついたクマは人里を餌場として、餌をすべて食い尽くすまで繰り返し何度でも執拗に出没する。里山で生まれたクマも必然的に人里を餌場とすることから、人里に出現したクマを殺処分しなければ年々人里に出没するクマは増える。
奥山のクヌギやナラなどのクマの餌が不作だったため人里に出ている。だから奥山にクマの餌となる木を植えればよいのではないか、と本末転倒した論理を述べる評論家がいるが、野生動物の生息数は餌によって決まる。クマの餌が増えればクマの頭数が増えるが、年によりナラなどの実が不作の年には奥山の縄張りからはじき出されたクマが大挙して人里に下りて来るだろう。
今年、各地で出没しているクマの多くはドングリなどが豊作だった年に大量に生まれたクマの一部ではないだろうか。獰猛なクマ相手に識別個体調査は困難かもしれないが、クマを多く処分しすぎて自然のバランスを崩せば、今度はシカやイノシシが増えて農作物の食害が広がりかねない。
基本は野生動物の個体数の調査を行って、自然の均衡を崩さないようにすることだ。現在はシカもイノシシもカモシカも増えすぎている、と林業関係者からよく聞く。その根本的な原因は猟師の減少にあるようだ。本来はニホンオオカミが天敵として個体数を調節していたのだろうが、明治期にニホンオオカミを絶滅させたため、野生動物の調節機能がなくなったのではないか。だからヒトが野生動物の天敵となって生息数の調節を行わなければならない。