反高市派が解釈する「存立危機事態」騒動、日本国民のパラダイムは大きく転換して日本は普通の独立国に。
<皮肉も皮肉。高市外交を称賛する声こそが日本外交を衰退させる元凶になる理由
高市早苗首相の本格的な外交デビューとなったマレーシアのASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議、日米首脳会談、そして韓国・慶州で開催されたAPEC首脳会議が終わり、新首相に対する評価がメディアやネットにあふれた。
国際会議の場では多くの参加国の首脳と会談もこなしたが、注目は何といっても日米首脳会談と日中首脳会談だろう。
日米首脳会談では、そのはしゃぎっぷりや「上目遣いで、情けない…」との批判も聞こえてきたが、本質の議論とは大きく外れているので、ここでは無視する。
そもそも「中国を睨んで」日米同盟の強化を目指し、さらにアメリカの理不尽な要求にも満額に近い回答を用意して臨んだ会談なら、ドナルド・トランプ大統領が上機嫌なのは当然で、それを「良い関係が築けた」とするのはどうだろうか。
同じような状況下で投資の方法をめぐり一括か現金かの交渉で粘り、一方で原子力潜水艦の建造の道筋もつけた韓国の方が、よほどしっかり「外交」をしたといえるのではないだろうか。日米の場合は、外交云々というより、持ち帰った宿題を如何に国内で調整するかといった話だ。
つまり今回は試運転期間だ。
では結果はどうだったかといえば、やはり黄色信号が灯ったようだ。
日中首脳会談後に日本のメディアにあふれた新首相の外交への評価で最も多かったのは「率直に言うべきことを言った」というものだったが、気になったのは尖閣や日本人拘束、レアアースといった問題と、香港やウイグル、南シナ海の問題が並列で語られたらしい点だ。
メディアの扱いがそうなのか、実際に現場でそうだったのかは定かではないが、もし後者であれば深刻だ。
台湾代表とも会談し中国側を激怒させた高市首相
尖閣や日本人拘束、レアアース規制がテーマであれば「率直に言う」のは当たり前で、それを褒める意味も不明だ。むしろ机を叩いても良いくらいで、それは中国側も理解する(当然反論はするが)だろう。
だが香港やウイグル、南シナ海問題となれば話は違ってくる。中国の目には完全に内政干渉で、日中共同声明に記された約束を日本が公然と反故にしたと映るからだ。
もちろん日本に力があれば中国が怒っても無視すればよかったのだが、いまの力関係は客観的に見て、そうではない。
それ以前の問題として理解し難いのは、高市外交が何を目指しているのか、だ。「率直に言う」ことなど、後先考えなければ誰にでもできる。その場で取って食われるわけでなく、安全圏から強気を装うだけの話だ。
問題は、そのしわ寄せがどこかに行くかである。高市はAPECに来ていた台湾代表とも会談し、中国側を怒らせた。高市個人はそれで面子が立つのだろうが、日本としての国益はどうだろうか。
今後もし中国が高市政権を見限れば、次には何が起こるのだろうか。過去の事例から推測すれば、まず首脳会談が開催できなくなるはずだ。
中国市場では、欧米や韓国などと競争する日本企業への影響が及ぶだろう。日本へ利益を持ち帰ろうと奮闘している企業は後ろから弾を撃たれるはめになる。
中国がもし本気でレアアースを規制し日本に圧力をかけてきたらどうするのか。トランプ政権ですら慌てたのだから日本が困るのは必至だ。首脳会談もできなければ、問題解決の糸口さえ見つからないだろう。
いま中国の自動車市場は世界一で、アメリカ市場の約2倍だ。そこから日本企業が追い出されることになっても「率直に」言えて良かったと日本人は思うだろうか。
翻っていまもし欧州全体にレアアースの問題が持ち上がっても、メローニが訪中すれば問題は解決へと向かうだろう。
これが外交のできる首相とそうでない首相の差だといえば分かりやすいだろうか。
ちなみに日中首脳会談を詳報した中国メディアは当然のこと高市が「率直に」語った内容などは無視して、その多くを中国側が「釘をさす」内容に費した。
問題は中国メディアの報道で高市が「台湾問題に関して、日本は1972年の日中共同声明の立場を堅持する」と発言したと紹介されたことだ。
繰り返しなるが、高市はその直後に台湾のAPEC代表と会談した。日本にあふれる「『理解し尊重する』は、『認めた』とは違う」という論理が本気で通用すると思っているのなら、それはちょっとお目出度い脳みそだといわざるを得ない。>(以上「朝日新聞」より引用)
「高市首相が「習近平の様子見」期間に犯した大失態。「中国に言うべきことを言った」を評価する日本人のお目出度い脳ミソ」と題する「反・高市」派の富坂聰(ジャーナリスト、ノンフィクション作家。拓殖大学教授。国家基本問題研究所企画委員)氏の論評を引用する。
しかしアメリカは当初から、これが「債務トラップ外交」の一例だと批判してきた。アメリカ政府によると、この計画には各国が資金を調達できないような持続不可能な大規模プロジェクトが含まれており、中国は自国の目的のために影響力を行使できるという。欧州連合(EU)からは、特に東欧・南欧の18カ国が同構想への参加している。イタリアはその中で最大の経済国だった。メローニ首相は決して首相就任を機に、対中融和姿勢に転じたのではない。
高市早苗首相の本格的な外交デビューとなったマレーシアのASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議、日米首脳会談、そして韓国・慶州で開催されたAPEC首脳会議が終わり、新首相に対する評価がメディアやネットにあふれた。
国際会議の場では多くの参加国の首脳と会談もこなしたが、注目は何といっても日米首脳会談と日中首脳会談だろう。
日米首脳会談では、そのはしゃぎっぷりや「上目遣いで、情けない…」との批判も聞こえてきたが、本質の議論とは大きく外れているので、ここでは無視する。
そもそも「中国を睨んで」日米同盟の強化を目指し、さらにアメリカの理不尽な要求にも満額に近い回答を用意して臨んだ会談なら、ドナルド・トランプ大統領が上機嫌なのは当然で、それを「良い関係が築けた」とするのはどうだろうか。
同じような状況下で投資の方法をめぐり一括か現金かの交渉で粘り、一方で原子力潜水艦の建造の道筋もつけた韓国の方が、よほどしっかり「外交」をしたといえるのではないだろうか。日米の場合は、外交云々というより、持ち帰った宿題を如何に国内で調整するかといった話だ。
さて、問題はやはり中国だ。
ギリギリまで会談の有無がはっきりしなかったと報じられたが、中国側の思惑として、最初から門を閉じることは考えていなかったはずだ。というのも、これまでも多くの国で「反中」を掲げて選挙に勝ってきた政権があり、その首脳たちとの会談をこなしつつ、最終的に関係を落ち着かせてきた経験が中国にはあるからだ。
例えば、ここ数年を振り返れば日本より先に右派政権を続々と誕生させたのがヨーロッパの国々だ。イギリスもそうだ。
ここ数年で典型的なのはイタリアのジョルジャ・メローニ首相だ。
政権を取るまでは中国に対する厳しい論調の目立つ人物だったが、現下の状況を見る限り中国とイタリアの関係は良好で、むしろメローニ政権下で関係が加速したといっても過言ではない。
つまりこれまで「反中」的姿勢を持つ政権と中国がどう接してきたかを参考にすれば、政権を担った後に一度、従来のデータをリセットし、模様眺めに入るという手順を踏んできたことが分かるのだ。
ギリギリまで会談の有無がはっきりしなかったと報じられたが、中国側の思惑として、最初から門を閉じることは考えていなかったはずだ。というのも、これまでも多くの国で「反中」を掲げて選挙に勝ってきた政権があり、その首脳たちとの会談をこなしつつ、最終的に関係を落ち着かせてきた経験が中国にはあるからだ。
例えば、ここ数年を振り返れば日本より先に右派政権を続々と誕生させたのがヨーロッパの国々だ。イギリスもそうだ。
ここ数年で典型的なのはイタリアのジョルジャ・メローニ首相だ。
政権を取るまでは中国に対する厳しい論調の目立つ人物だったが、現下の状況を見る限り中国とイタリアの関係は良好で、むしろメローニ政権下で関係が加速したといっても過言ではない。
つまりこれまで「反中」的姿勢を持つ政権と中国がどう接してきたかを参考にすれば、政権を担った後に一度、従来のデータをリセットし、模様眺めに入るという手順を踏んできたことが分かるのだ。
つまり今回は試運転期間だ。
では結果はどうだったかといえば、やはり黄色信号が灯ったようだ。
日中首脳会談後に日本のメディアにあふれた新首相の外交への評価で最も多かったのは「率直に言うべきことを言った」というものだったが、気になったのは尖閣や日本人拘束、レアアースといった問題と、香港やウイグル、南シナ海の問題が並列で語られたらしい点だ。
メディアの扱いがそうなのか、実際に現場でそうだったのかは定かではないが、もし後者であれば深刻だ。
台湾代表とも会談し中国側を激怒させた高市首相
尖閣や日本人拘束、レアアース規制がテーマであれば「率直に言う」のは当たり前で、それを褒める意味も不明だ。むしろ机を叩いても良いくらいで、それは中国側も理解する(当然反論はするが)だろう。
だが香港やウイグル、南シナ海問題となれば話は違ってくる。中国の目には完全に内政干渉で、日中共同声明に記された約束を日本が公然と反故にしたと映るからだ。
もちろん日本に力があれば中国が怒っても無視すればよかったのだが、いまの力関係は客観的に見て、そうではない。
それ以前の問題として理解し難いのは、高市外交が何を目指しているのか、だ。「率直に言う」ことなど、後先考えなければ誰にでもできる。その場で取って食われるわけでなく、安全圏から強気を装うだけの話だ。
問題は、そのしわ寄せがどこかに行くかである。高市はAPECに来ていた台湾代表とも会談し、中国側を怒らせた。高市個人はそれで面子が立つのだろうが、日本としての国益はどうだろうか。
今後もし中国が高市政権を見限れば、次には何が起こるのだろうか。過去の事例から推測すれば、まず首脳会談が開催できなくなるはずだ。
中国市場では、欧米や韓国などと競争する日本企業への影響が及ぶだろう。日本へ利益を持ち帰ろうと奮闘している企業は後ろから弾を撃たれるはめになる。
中国がもし本気でレアアースを規制し日本に圧力をかけてきたらどうするのか。トランプ政権ですら慌てたのだから日本が困るのは必至だ。首脳会談もできなければ、問題解決の糸口さえ見つからないだろう。
いま中国の自動車市場は世界一で、アメリカ市場の約2倍だ。そこから日本企業が追い出されることになっても「率直に」言えて良かったと日本人は思うだろうか。
翻っていまもし欧州全体にレアアースの問題が持ち上がっても、メローニが訪中すれば問題は解決へと向かうだろう。
これが外交のできる首相とそうでない首相の差だといえば分かりやすいだろうか。
ちなみに日中首脳会談を詳報した中国メディアは当然のこと高市が「率直に」語った内容などは無視して、その多くを中国側が「釘をさす」内容に費した。
問題は中国メディアの報道で高市が「台湾問題に関して、日本は1972年の日中共同声明の立場を堅持する」と発言したと紹介されたことだ。
繰り返しなるが、高市はその直後に台湾のAPEC代表と会談した。日本にあふれる「『理解し尊重する』は、『認めた』とは違う」という論理が本気で通用すると思っているのなら、それはちょっとお目出度い脳みそだといわざるを得ない。>(以上「朝日新聞」より引用)
「高市首相が「習近平の様子見」期間に犯した大失態。「中国に言うべきことを言った」を評価する日本人のお目出度い脳ミソ」と題する「反・高市」派の富坂聰(ジャーナリスト、ノンフィクション作家。拓殖大学教授。国家基本問題研究所企画委員)氏の論評を引用する。
高市氏がAPECへ出席し韓国で会った習近平氏と会談したその日に、頼清徳総統の特使としてAPECに参加した林信義総統府資政と会った写真を自身のSNSに投稿した。それが中国政府の逆鱗に触れたようだ。その中国政府の意を受けたかのように立憲党の岡田克也氏が予算委員会で「存立危機事態」に関する「高市氏の認識」を繰り返し執拗に追求した。それは殆ど異常とも思えるほどの執着ぶりだった。
富坂氏はイタリアのジョルジャ・メローニ首相と高市氏との姿勢を対比させた。メローニ首相は政権を取るまでは中国に対する厳しい論調の目立つ人物だったが、現下の状況を見る限り中国とイタリアの関係は良好だという。それに対して、高市氏は首相になってから対中強硬姿勢を見せて日中関係を悪化させたと批判する。
しかし本当にそうだろうか。イタリアは一時中国の「一帯一路」に参加していたが、2023年12月にイタリアは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱宣言をし、ジョルジャ・メローニ政権は2023年12月6日、年末の期限を前に中国政府に離脱を通達した。
イタリアは西側主要国で唯一、同構想に参加していた。2019年に参加を表明したが、アメリカをはじめとする西側諸国から大きな批判を浴びていた。中国の習近平国家主席が2013年に発表した一帯一路構想では、アジアから欧州にかけて計1兆ドル(約150兆円)を投入する予定だった。鉄道や海港の新設や更新を通じて、中国と欧州やアジアの他地域を結ぶ計画だった。しかしアメリカは当初から、これが「債務トラップ外交」の一例だと批判してきた。アメリカ政府によると、この計画には各国が資金を調達できないような持続不可能な大規模プロジェクトが含まれており、中国は自国の目的のために影響力を行使できるという。欧州連合(EU)からは、特に東欧・南欧の18カ国が同構想への参加している。イタリアはその中で最大の経済国だった。メローニ首相は決して首相就任を機に、対中融和姿勢に転じたのではない。
日本は中国の隣国として、中国の強い影響を受けざるを得ない。だが、そうした地政学的な位置にあっても、日本は「一帯一路」はもとより、米国と歩調を合わせてAIIBにも参加しなかった。習近平氏にとって、彼の「国際的な花形政策」をすべて否定された因縁のある国だ。
しかも中国は従来から日本に「超限戦」を仕掛けて、日本の様々な社会分野に「分子」を紛れ込ませてきた。「ハニトラ」政治家と揶揄される政治家諸氏も、中国政府が仕掛ける「超限戦」の兵士の一人だと見なされても仕方ない人たちだ。もちろん現在でも中国に入出国を繰り返している政治評論家も「超限戦」の中国の兵士だとみなしても間違いないだろう。
予算委員会で激しく「存立危機事態」で片市氏を追及した岡田克也氏はイオングループ社長・岡田元也氏の実弟だ。現在のイオン中国店舗数は、イオンモールとして2025年時点(最新情報)で24店舗展開し、イオンファンタジーの運営する店舗は186店舗(2023年8月末時点)に達している。中国で何らかの事業を行うには政治的な繋がりは必須で、岡田元也氏も中国政府と何らかの繋がりがあると推測できる。
スパイ防止法を日本が未だに整備出来てないのも、政治家にスパイ防止法に成立に強く反対する勢力があるからだ。だから日本政治に関する情報を中国などに漏らしても、現行法制上は一切罪に問われない。そのため外国政府は中国に知られたくない情報は日本政府に教えてはならない、とまで云われている。
富坂氏は引用文中で「中国の自動車市場は世界一で、アメリカ市場の約2倍だ。そこから日本企業が追い出されることになっても「率直に」言えて良かったと日本人は思うだろうか」と論述しているが、中国の消費市場はすでに崩壊段階に達している。日本の自動車メーカーは続々と中国から撤退しているし、中国の自動車企業ですらバタバタと倒産している。
「さて、問題はやはり中国だ」と冨坂氏は中国に注目しているが、余りにも中国の幻影に振り回されている感が深い。冨坂氏は日本国民のパラダイムが大きく転換したのを知らないようだ。前回の解散総選挙以後、日本国民のパラダイムは明らかに転換した。それが明確に表れたのが今年の参院選だ。日本国民は日本は独立国だと明確に意識した。だから国家に殉じた先人の御霊に参拝するのに何の憚りがあろうか、と考えた。結果として今年8月15日に靖国神社に参拝した国民は例年の倍以上の6万2千人を数えた。それでも午後5時の閉門時間にも門外に参拝の列が続いていたという。
小泉防衛相は原子力潜水艦の建造を否定していない。中国大阪総領事の不穏当な発言に対して、日本政府は一歩も退かないで毅然として筋を通した。それは従来の日本の外交ではあり得ない。だから中共政府も大慌てで「日本国民を粉骨砕身に破壊するだろう」と意味不明な文言をネットにアップした。彼らの古典から採って日本が四文字熟語にした言葉の意味も分からずに使用するなど、中共政府当局の官僚たちがいかに自国の古典すら知らないか自ら恥を晒した。
中共政府は「日本への渡航自粛」を中国民に呼び掛けた。願ってもないことだと、日本国民からSNSに歓迎の書き込みが無数にアップされた。出来ることなら自粛ではなく、全面禁止にして欲しいとか、ついでに在日中国人に帰国命令を出して欲しいとの意見まであった。
習近平氏は日本政府と日本国民に対する「読み」を誤った。日本はもはやかつての「強圧的に出れば謝る」日本ではない。参政党が躍進した日本国民の大きな変化を中共政府は検証してないようだ。繰り返すが、日本国民のパラダイムは大きく変化した。米国の隷属国家ではなく「自主・独立」を希求する、本来の独立国民の意識に覚醒した。もはやGHQが日本国民に植え付けた自虐史観に惑わされた日本国民ではない。ことに未来を担う若い日本国民にこそ、その傾向が強い。そのことを中共政府は明確に認識しなければならない。