世界的なパラダイムの転換期にあって、テレビ報道番組は不感症か?

<テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)が、またしても「野球一色」になった。9月26日の放送では、ドジャースが敵地でダイヤモンドバックスに快勝し、4年連続の地区優勝を決めたニュースを冒頭から速報。通常のオープニングテーマを省き、ロサンゼルスからのVTRでスタートする、異例の構成だった。

 スタジオには元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏が登場し、優勝までの歩みをパネルを用いて解説。さらに玉川徹氏や長嶋一茂氏らも加わり、ドジャースの戦いぶりやポストシーズンの展望について、熱を込めて語り合った。結果として、オープニングから午前9時9分まで、実に1時間9分もの時間をこの話題に充てたことになる。
 野球ファンにとっては、大谷翔平や山本由伸ら日本人選手の活躍を長時間、特集してもらえるのは嬉しい限り。しかしこの日のニュースには、自民党総裁選の行方やトランプ大統領による輸入医薬品への100%関税問題、イスラエルによるイエメン空爆といった重要トピックが並んでいた。これらがいっさい放送されなかったことで、視聴者からは「報道番組としてバランスを欠いているのでは」「大谷ハラスメントはやめて」との批判が噴出した。
 玉川氏は以前の放送で「まぁ、ドジャースは頑張ってください」と興味なさげに語り、笑いを誘っていた。ところがこの日は一転、五十嵐氏に積極的に質問を投げかけ、いつも以上に熱のこもった姿勢を見せた。しかもその後に扱われたのは総裁選の行方ではなく、中国・香港を襲ったスーパー台風の被害。これで17分近くの時間を割く展開に。結果として「取り上げるニュースが違うのでは」「優先度の感覚がおかしい」と視聴者が不満を抱く結果となったのである。
 思い返せば「モーニングショー」は、2023年のWBCで日本代表が優勝した翌日にも、冒頭から1時間以上をWBC特集に充て、さらにその翌日も栗山英樹監督の采配をパネルで振り返る企画を展開。その際には「インボイス制度や放送法問題をもっと扱うべきだ」という声が出た。今回のドジャース特集は、その反省が生かされていないと映る。
 スポーツと社会ニュースの比重をどうするかは、ワイドショーにとって大きな課題だ。大谷翔平という国民的スターが高視聴率を生むのは間違いないが、同時に報道番組としての使命も忘れてはならない。今回の「モーニングショー」の編成は、その難題を改めて浮き彫りにしたと言えるだろうとアサ芸プラスが報じた。>(以上「gooいまトピランキング」より引用)




『モーニングショー』異例、批判噴出「感覚がおかしい」」との見出しだが、何がおかしいのかと一読したら「大谷ばかり報道する」というものだった。その前は「総裁選ばかり報道」していたし、どうもテレビ番組の作りが大雑把になってはいないだろうか。そのため同じビデオを何度も見せられることになる。
 いわゆる報道番組がニューと異なって特定の話題を深堀するという番組の性格上、同じニュースを長々と報じるのは避けられないのだろう。しかしここ数日に限っても、国民は釧路湿原のメガソーラー開発問題はどうなったのか、釧路市や北海道の対応に進展はあったのか。

 また昨年度政府の各省庁が支出した国際機関への拠出などの総額は5兆円に達しているが、その効果は支出額と見合ったものなのか。また女性社会参画事業に関係する各省庁が支出した年間予算の総額は10兆円を超えているが、その支出に見合った効果が出ているのか。あるいは機会の平等ではなく、結果の平等を求めるような宣言(例えば「国会議員の女性割合を30%以上にする」)は男性に対する逆差別にならないか、といった検証を一切しないのはなぜか。
 こども家庭庁が7.4兆円も予算を使っても、一向に少子化が止まらないのはなぜか。効果のない省庁なら、廃止してはどうか。小泉環境相当時に国立公園の規制緩和してメガソーラ開発を促進したが、国立公園を開発するような環境省は不要ではないか。そうすると環境省の予算4兆円超が浮くことになる、等々の議論が全く俎上に上がらないのはなぜか。

 報道番組がニュースを深堀りするだけでなく、過去の政策の検証をする番組でもあるはずだ。たとえば「構造改革」の一環で、三位一体の改革と称して実施された行政改革と平成大合併の検証もまた必要ではないだろうか。
 私たちはホームページ「kumage2003」を立ち上げて平成大合併を見直す活動をしているが、今年は平成大合併終了から20年ということで「熊毛町を取戻そう会」は中国新聞社や日本経済新聞社から取材を受けた。平成大合併当時は国策ということもあってか、オールドメディアは連日連夜、平成大合併の「出し物」で沸いていた。まるで日本中が合併の熱病に罹患したかのように浮足立ち、その流れに遅れるなとばかりに郡部を超えた地政学的に不合理な合併まで強行された。現在、合併した町村部に合併を後悔する声が強いが、そうした過去を検証し、強行された不合理な合併は元に戻す必要性なども論じるべきではないだろうか。

 もちろん昨今は「構造改革」全般を検証しようとする動きがある。たとえば郵政民営化は正しかったのか。高速道路の分割民営化は正しかったのか。そうした「民営化」の流れが持て囃されたが、国民生活に直結する基本的な社会インフラは国家なり地方自治体が責任を持って維持・管理すべきものではないか、という反省が国民の間から湧き上がっている。
 日本世論が大局的な観点を持ち「派遣業法」に関する考え方などに対しても、大きな転換が見られるようになった。従来は「構造改革」を是とし、「働き方改革」と称する経営者にとって極めて都合の良い「労働の流動性」拡大こそ正義だ、という風潮から労働者の暮らしを守る、という本来の「労働基本法」に立ち還ろうとする動きが生じているようだ。

 日本のパラダイムが大きく転回しているようだ。時恰も米国ではトランプ氏がグローバリズムから反・グローバリズムへとパラダイム転回を強行している。こうした大転換期にも拘らず、スポーツばかりを取り上げる報道番組とは何だろうか。番組制作者たちのアンテナは余りにも低過ぎはしないだろうか。

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