省エネに努めるべきだが、CO2は人類生存に欠かせない。
<「CO2は命の素である」
米国の環境保護庁(EPA)が8月初め、CO2についての認識を大々的に修正した。米国では、オバマ政権以来、CO2は毒ガス並みの扱いで、これを削減することが人類と地球を守るための最重要事項とされていた。
思えば2009年、オバマ政権が“緑”の気候政策を掲げ、再エネを大々的に促進し始めたとき、炭鉱を抱える州の議員などが猛烈に反発した。それどころか、そもそも将来、再エネで産業国の電気が賄えて、経済をより活性化することができるという理論には、多くの人が懐疑的だった。
そこで、当時の政府は前述の環境保護庁を使い、既存の「大気浄化法(Clean Air Act)」の厳正化を図った。これによりCO2は悪玉となり、国民も産業界もその削減に全力で努力することが神聖なる義務となった。民主党系のメディアや数多の環境NGOが、それを全力で後押しした。
再エネ推進の波は直ちにEUや日本に飛び火し、あっという間に世界を制覇してしまった。以来、世界中で、再エネという新分野に膨大なお金が流れ続けた経過を見れば、この気候政策の背後に強力な機関投資グループがいたことは疑う余地がない。
ところが、冒頭に記したように、それが一気にひっくり返ったのだ。
環境保護庁の新しい長官、ゼルディン氏の見解では、CO2は人類や地球にとっての脅威ではなく、すべての生きとし生けるものにとっての命の素である。もちろん、CO2が少し増加したぐらいで地球が危険なほど温暖化することもない。それどころか、温暖化は緑化をもたらすから有益でさえある。また、寒さによる死亡者の方が、暑さによる死亡者よりも多いのは、昔からの常識でもある。
適度にCO2が増えると、果実は15%も大きくなり、米も小麦も収穫が増える。だから、温室栽培ではハウスの中にCO2を注入する。つまり、うまくいくと世界の食糧事情が改善されるかもしれず、そうなればCO2はメリットの方がデメリットより大きい。
再エネ移行で中国だけが儲かった
ただ、これまでは、「CO2の何が悪い?」と言った学者は、まずは無視され、次に誹謗され、挙げ句の果てに研究費が取り上げられたり、最悪の場合、大学から排除されたりした。21世紀の今も、異論抑圧の構造は17世紀と根本的には変わっていない。現在のガリレイたちも弾劾の憂き目に遭っていた。しかもメディアが全面的にそれらに加担し、国民の温暖化に対する恐怖を煽り、非科学的な再エネ“信仰”を広め続けた。
温暖化の脅威を煽ることで利益を得る人たちが政治、金融の中枢、そしてメディアにいる限り、コンピュータが弾き出す数値は、その人たちに都合の良いものになり得る。コンピュータに恣意的な「将来の予想気温」を弾き出させることは、それほど難しいことではない。ましてや、今世紀末の気温など、たとえ外れても誰も責任を問われない。それより重要なのは、今、どこに投資を導くか。CO2を悪者にし、再エネ産業を振興することで、この20年、世界では膨大なお金が動いた。
ただ、化石燃料から再エネへの移行というのは、100年以上続いてきた産業構造を抜本的に変えるわけで、それほど簡単なことではない。しかも、それがイノベーションをベースにした自然発生的な移行ではなく、上からの強権的なものだったため、多くの企業が計画の無理な転換を図って失敗し、撤退したり、倒産したりした。
つまり、いくら国が補助金を奮発しても、再エネで産業が活性されることはなく、再エネの投資家だけが、それらの犠牲の上で利益を上げ続けていた。それどころかこの米国発の“産業革命”では奇妙なことに、進めれば進めるほど中国が儲かったのだ。世界の陥っているこの状況は、まさに日本の陥っている状況でもある。
しかし米国では幸運なことに、前述のゼルディン環境保護庁長官が日陰に追いやられていた科学者らを呼び戻し、現状についての検証レポートを作らせた。彼らの提出した150ページに及ぶレポートを吟味した米国政府は、巷で喧伝されているCO2悪玉論は科学ではなく、政治的ドグマに過ぎなかったという結論に達した。何のことはない、これまで多くの科学者が主張し続けていた理論である。
トランプ大統領は、強い米国の復活を最大の目標として掲げている。CO2を悪者にしていて、中国相手の戦いに勝てるはずはない。競争力増強には安価な電力が必要だ。特にAIの推進には、無尽蔵とも言える大量の電気が必要になる。
だから原発を倍増させ、100基に増やす。化石燃料もどんどん活用する。「掘って、掘って、掘りまくれ!」 今、米国の産業は一気に活気付いている。
ポルシェもEVシフトを撤回
この米国の方向転換で窮地に陥るのは、これまで米民主党と国連の唱える「気候保護政策」を忠実になぞってきたEUと日本だ。特にEUでは、欧州委員会のフォン・デア・ライエン氏が、2019年12月の委員長就任と同時に「欧州グリーンディール」を発表し、50年にはEUを世界初の気候中立地域(CO2を±ゼロ)にすると豪語していた。そのためEUでは、再エネ利権にどっぷりと浸かった政治家が、疑問符のたくさんつく環境NGOなどとスクラムを組み、再エネ中心の理想社会を語って国民をミスリードし続けた。そして、産業界はそれに逆らえないまま自滅の道を歩み、EUも間違いなく弱体化した。
しかし、米国が方向転換を図ったとなると、話は別だ。ドイツでは早速、さまざまな変化が生じている。例えばポルシェ社はEVに引導を渡し、真っ先にガソリン車やプラグインハイブリッド車の復活を宣言。また、鳴物入りで始まったあちこちの水素プロジェクトでも、潤沢な補助金をもらった企業が次々に撤退を始めた。一番最近の北海での風力発電の入札には、札を入れた企業が一社もなかった。
しかし、ドイツでは不思議なことにというか、案の定というか、これらの事象は報道されても、その原因である「CO2の定義が修正された」というニュースがほとんど報じられない。グテレス国連総長の「地球が“沸騰”してしまう」などといった非科学的なトンデモ発言は大々的に報じ、CO2を温暖化と1対1で結びつけて弾劾し続けていたドイツの主要メディアだから、おそらく辻褄合わせにあたふたしているのだ。これまで、都合の悪いことは全てトランプ大統領の気まぐれのせいにしてきた彼らだが、今回ばかりはいい加減な“ファクト”では許されない。
そう、ファクト。今、私たちが学ぶべきは、報道で真実とされていることが、必ずしも真実ではない可能性があるということではないか。これまでのファクトは、真実ではなかった。ただ、お金の流れが再び変わろうとしている今、次にファクトとして言われることも、真実かどうかわからない。その背後に投資家の意思があり、大きなお金が動く限り、ファクトは常に、どちらにも“転ぶ”可能性がある。
日本も方針転換が必要である
そんな中、私が基準としているものは、投資家の儲けがどこから出てくるかということだ。鉄鋼、車、化学などといった基幹産業が潤えば、雇用がもたらされ、利益は上から下へと広がり、投資家だけでなく、社会全体が豊かになる。
しかし、現在、再エネの投資家の主な利益は補助金だ。建設する時も補助金、そのあとは、生産した電気は潤沢な固定価格で、全量、20年間、買い上げられ、それらの原資もまた税金だ(日本の場合は、再エネ付加金として電気代に乗せられている)。つまり、再エネ産業で儲かるのは投資家で、それを捻出しているのが一般国民。本来のお金の流れとは、まさに反対なのだ。しかも、電気代は再エネが増えれば増えるほど高くなる。何重にもバカを見ているのは国民。これで産業が活性化するはずはない。
特にドイツでは、方向転換のスピードは絶望的なほど鈍い。それどころか、無責任なメルツ首相は史上最高の借金を達成し、間違ったエネルギー政策、間違った難民・移民政策、間違った安全保障(軍需産業)に、実りをもたらさないお金を、これまで以上に注ぎ込み続けるつもりだ。つまり、ドイツ政府は財政を放棄してしまったに等しく、財政はザルどころか、底の抜けたバケツとなりつつある。日本人はこれを積極財政と勘違いしてはならない。
日本が目指すべきは、行きすぎたCO2削減と再エネ偏向に終止符を打ち、産業の締め付けを止めること。原発や、高効率の石炭火力IGCC(石炭ガス化複合発電)などといった日本屈指の技術を積極的に活用し、電気の値段を下げれば、日本は世界最高の産業立地の一つとなる条件が全て揃っている。優秀で真面目な人材、良好な治安、温暖な気候、整ったインフラ等々。
だからこそ政府は真に有益な積極財政で強力な産業政策を推し進め、是非とも日本経済を復活させてほしい。ジャパン・ファーストでまず日本を強くし、その上で世界に貢献するのがまともな筋道だと思う>(以上「現代ビジネス」より引用)
「【米国で「CO2」が“悪者”じゃなくなっていた!】トランプは原発倍増へ…世界を揺るがす「新常識」に振り回されるEUと日本の未来」と題する川口 マーン 惠美(作家)氏の論評を取り上げた。なぜなら世界的な「CO2地球温暖化詐欺」の残滓が未だに社会の随所にみられるからだ。それに対して川口氏の論評はまさに正鵠を得ていて、一読して爽快感に満足した。
米国の環境保護庁(EPA)が8月初め、CO2についての認識を大々的に修正した。米国では、オバマ政権以来、CO2は毒ガス並みの扱いで、これを削減することが人類と地球を守るための最重要事項とされていた。
思えば2009年、オバマ政権が“緑”の気候政策を掲げ、再エネを大々的に促進し始めたとき、炭鉱を抱える州の議員などが猛烈に反発した。それどころか、そもそも将来、再エネで産業国の電気が賄えて、経済をより活性化することができるという理論には、多くの人が懐疑的だった。
そこで、当時の政府は前述の環境保護庁を使い、既存の「大気浄化法(Clean Air Act)」の厳正化を図った。これによりCO2は悪玉となり、国民も産業界もその削減に全力で努力することが神聖なる義務となった。民主党系のメディアや数多の環境NGOが、それを全力で後押しした。
再エネ推進の波は直ちにEUや日本に飛び火し、あっという間に世界を制覇してしまった。以来、世界中で、再エネという新分野に膨大なお金が流れ続けた経過を見れば、この気候政策の背後に強力な機関投資グループがいたことは疑う余地がない。
ところが、冒頭に記したように、それが一気にひっくり返ったのだ。
環境保護庁の新しい長官、ゼルディン氏の見解では、CO2は人類や地球にとっての脅威ではなく、すべての生きとし生けるものにとっての命の素である。もちろん、CO2が少し増加したぐらいで地球が危険なほど温暖化することもない。それどころか、温暖化は緑化をもたらすから有益でさえある。また、寒さによる死亡者の方が、暑さによる死亡者よりも多いのは、昔からの常識でもある。
適度にCO2が増えると、果実は15%も大きくなり、米も小麦も収穫が増える。だから、温室栽培ではハウスの中にCO2を注入する。つまり、うまくいくと世界の食糧事情が改善されるかもしれず、そうなればCO2はメリットの方がデメリットより大きい。
再エネ移行で中国だけが儲かった
ただ、これまでは、「CO2の何が悪い?」と言った学者は、まずは無視され、次に誹謗され、挙げ句の果てに研究費が取り上げられたり、最悪の場合、大学から排除されたりした。21世紀の今も、異論抑圧の構造は17世紀と根本的には変わっていない。現在のガリレイたちも弾劾の憂き目に遭っていた。しかもメディアが全面的にそれらに加担し、国民の温暖化に対する恐怖を煽り、非科学的な再エネ“信仰”を広め続けた。
温暖化の脅威を煽ることで利益を得る人たちが政治、金融の中枢、そしてメディアにいる限り、コンピュータが弾き出す数値は、その人たちに都合の良いものになり得る。コンピュータに恣意的な「将来の予想気温」を弾き出させることは、それほど難しいことではない。ましてや、今世紀末の気温など、たとえ外れても誰も責任を問われない。それより重要なのは、今、どこに投資を導くか。CO2を悪者にし、再エネ産業を振興することで、この20年、世界では膨大なお金が動いた。
ただ、化石燃料から再エネへの移行というのは、100年以上続いてきた産業構造を抜本的に変えるわけで、それほど簡単なことではない。しかも、それがイノベーションをベースにした自然発生的な移行ではなく、上からの強権的なものだったため、多くの企業が計画の無理な転換を図って失敗し、撤退したり、倒産したりした。
つまり、いくら国が補助金を奮発しても、再エネで産業が活性されることはなく、再エネの投資家だけが、それらの犠牲の上で利益を上げ続けていた。それどころかこの米国発の“産業革命”では奇妙なことに、進めれば進めるほど中国が儲かったのだ。世界の陥っているこの状況は、まさに日本の陥っている状況でもある。
しかし米国では幸運なことに、前述のゼルディン環境保護庁長官が日陰に追いやられていた科学者らを呼び戻し、現状についての検証レポートを作らせた。彼らの提出した150ページに及ぶレポートを吟味した米国政府は、巷で喧伝されているCO2悪玉論は科学ではなく、政治的ドグマに過ぎなかったという結論に達した。何のことはない、これまで多くの科学者が主張し続けていた理論である。
トランプ大統領は、強い米国の復活を最大の目標として掲げている。CO2を悪者にしていて、中国相手の戦いに勝てるはずはない。競争力増強には安価な電力が必要だ。特にAIの推進には、無尽蔵とも言える大量の電気が必要になる。
だから原発を倍増させ、100基に増やす。化石燃料もどんどん活用する。「掘って、掘って、掘りまくれ!」 今、米国の産業は一気に活気付いている。
ポルシェもEVシフトを撤回
この米国の方向転換で窮地に陥るのは、これまで米民主党と国連の唱える「気候保護政策」を忠実になぞってきたEUと日本だ。特にEUでは、欧州委員会のフォン・デア・ライエン氏が、2019年12月の委員長就任と同時に「欧州グリーンディール」を発表し、50年にはEUを世界初の気候中立地域(CO2を±ゼロ)にすると豪語していた。そのためEUでは、再エネ利権にどっぷりと浸かった政治家が、疑問符のたくさんつく環境NGOなどとスクラムを組み、再エネ中心の理想社会を語って国民をミスリードし続けた。そして、産業界はそれに逆らえないまま自滅の道を歩み、EUも間違いなく弱体化した。
しかし、米国が方向転換を図ったとなると、話は別だ。ドイツでは早速、さまざまな変化が生じている。例えばポルシェ社はEVに引導を渡し、真っ先にガソリン車やプラグインハイブリッド車の復活を宣言。また、鳴物入りで始まったあちこちの水素プロジェクトでも、潤沢な補助金をもらった企業が次々に撤退を始めた。一番最近の北海での風力発電の入札には、札を入れた企業が一社もなかった。
しかし、ドイツでは不思議なことにというか、案の定というか、これらの事象は報道されても、その原因である「CO2の定義が修正された」というニュースがほとんど報じられない。グテレス国連総長の「地球が“沸騰”してしまう」などといった非科学的なトンデモ発言は大々的に報じ、CO2を温暖化と1対1で結びつけて弾劾し続けていたドイツの主要メディアだから、おそらく辻褄合わせにあたふたしているのだ。これまで、都合の悪いことは全てトランプ大統領の気まぐれのせいにしてきた彼らだが、今回ばかりはいい加減な“ファクト”では許されない。
そう、ファクト。今、私たちが学ぶべきは、報道で真実とされていることが、必ずしも真実ではない可能性があるということではないか。これまでのファクトは、真実ではなかった。ただ、お金の流れが再び変わろうとしている今、次にファクトとして言われることも、真実かどうかわからない。その背後に投資家の意思があり、大きなお金が動く限り、ファクトは常に、どちらにも“転ぶ”可能性がある。
日本も方針転換が必要である
そんな中、私が基準としているものは、投資家の儲けがどこから出てくるかということだ。鉄鋼、車、化学などといった基幹産業が潤えば、雇用がもたらされ、利益は上から下へと広がり、投資家だけでなく、社会全体が豊かになる。
しかし、現在、再エネの投資家の主な利益は補助金だ。建設する時も補助金、そのあとは、生産した電気は潤沢な固定価格で、全量、20年間、買い上げられ、それらの原資もまた税金だ(日本の場合は、再エネ付加金として電気代に乗せられている)。つまり、再エネ産業で儲かるのは投資家で、それを捻出しているのが一般国民。本来のお金の流れとは、まさに反対なのだ。しかも、電気代は再エネが増えれば増えるほど高くなる。何重にもバカを見ているのは国民。これで産業が活性化するはずはない。
特にドイツでは、方向転換のスピードは絶望的なほど鈍い。それどころか、無責任なメルツ首相は史上最高の借金を達成し、間違ったエネルギー政策、間違った難民・移民政策、間違った安全保障(軍需産業)に、実りをもたらさないお金を、これまで以上に注ぎ込み続けるつもりだ。つまり、ドイツ政府は財政を放棄してしまったに等しく、財政はザルどころか、底の抜けたバケツとなりつつある。日本人はこれを積極財政と勘違いしてはならない。
日本が目指すべきは、行きすぎたCO2削減と再エネ偏向に終止符を打ち、産業の締め付けを止めること。原発や、高効率の石炭火力IGCC(石炭ガス化複合発電)などといった日本屈指の技術を積極的に活用し、電気の値段を下げれば、日本は世界最高の産業立地の一つとなる条件が全て揃っている。優秀で真面目な人材、良好な治安、温暖な気候、整ったインフラ等々。
だからこそ政府は真に有益な積極財政で強力な産業政策を推し進め、是非とも日本経済を復活させてほしい。ジャパン・ファーストでまず日本を強くし、その上で世界に貢献するのがまともな筋道だと思う>(以上「現代ビジネス」より引用)
「【米国で「CO2」が“悪者”じゃなくなっていた!】トランプは原発倍増へ…世界を揺るがす「新常識」に振り回されるEUと日本の未来」と題する川口 マーン 惠美(作家)氏の論評を取り上げた。なぜなら世界的な「CO2地球温暖化詐欺」の残滓が未だに社会の随所にみられるからだ。それに対して川口氏の論評はまさに正鵠を得ていて、一読して爽快感に満足した。
たとえばプラスティックは「悪」だとして、紙や木の「使い捨て」ストローやスプーンなどが用いられているからだ。もちろんプラスティックのフォークを作るためにのみ原油を精製しているのなら大問題だが、プラスティック原料やレジ袋製造のポリプロピレン等は原油精製の段階で抽出される「副産物」だ。利用しない方が無駄でしかない。
日本では地球温暖化対策として15兆円を10年間、総額150兆円支出することにしている。その効果として地球温度上昇が0.0006℃防げるという。なんとも馬鹿げた話ではないか。しかも、CO2が地球温暖化の元凶だとの前提条件下の計算でそうなる、と云うのだから、ほとんど無視して何も問題ない程度だ。
つまり何も問題ない話に日本国民の税金を150兆円も注ぎ込むという。しかも、温暖化対策がEV促進とか再エネ促進とかいうから、それら温暖化対策にならないと証明されたCO2増加政策にCO2削減予算を注ぎ込むと云う矛盾の塊だ。
川口氏が指摘しているが「CO2地球温暖化詐欺」を指摘して来た者たちは中世の裁判にかけられたガリレイの心境だった。いかにCO2地球温暖化説が疑わしいものかを力説しても、オールドメディアが連日・繰り返し「CO2地球温暖化」説で国民を洗脳するため「焼け石に水」状態だった。そこには科学的な知見など消し飛び、ただただCO2に対する憎悪しかなかった。
しかし私たちの体はCO2から成り立っている。有機体は炭素化合物の代名詞で、地球上に炭素なき生命体は存在しない。しかし、そうした事実すら無視され「CO2削減=環境に良い」という図式が公認されるや、実に多数のNPOやNGO法人が政府機関に入り込み、それぞれが環境利権となって、さらに国民洗脳団体と化した。その究極がSDGs運動だ。
SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標だ。その大枠は2030年までに経済・社会・環境の3つの側面を包括的に改善し、持続可能でより良い世界を目指すことを目的としている。そのため17の目標と169のターゲットが制定され、地球上の誰一人取り残さないことを誓っている、というから始末に悪い。
そうした運動により企業は余分な費用を支出し、産業効率を下げてでもCO2排出削減に取り組まざるを得なくなっている。そんなバカな話はない。もちろん省エネは推進すべきだが、CO2削減などはエネルギー効率の向上の成果として得られる程度で充分だ。むしろ世界に冠たる石炭火力発電装置を開発した日本の技術を世界へ輸出して、世界で効率的な火力発電を推進する方が人類にとって持続可能な利益をもたらす。
日本政府も正式に2035年までに新車をすべてEVにする、とした宣言を撤回すべきだ。そして東京都で2025年からハウス業者50社が新築する場合は太陽光パネルの設置を義務付けるとした条例を撤廃する案を知事が提起すべきだ。
確たる検証もなく世間の流行りに流されるかのごとき政策の実施は避けるべきだ。人類にとって深刻な事態をもたらすのは温暖化ではなく、寒冷化だ。歴史的に寒冷化は穀物生産量の減少をもたらし、多くの人々が飢餓で亡くなってきた。多くの気候学者は太陽活動の減衰から2030年ごろから地球は寒冷化するとみている。その寒冷化に備える方が、必要とされる政策ではないだろうか。