戦後80年の節目に、フーバー氏の「裏切られた自由」を読もう。

◇『裏切られた自由』より引用◇
《本書では1941年以前の対日関係を詳しく記すことを目的としていない。しかし、我が国が戦争に突入することになった直接の原因に日本がなっている以上、真珠湾攻撃に至るまでの経緯を書かないわけにはいかない。アメリカ政府は(対日交渉の経緯を)国民に隠していた。そしてその後の教育でも、何があったかの歴史の真実を教えていない。だからこそ、対日交渉の経緯はしっかりと書いておかなくてはならない。》
《ナチス理解に役立ったのは、ヒトラーの右腕である元帥ヘルマン・ゲーリングとの会見である。……ゲーリングは私にチェコスロバキアの地図を示して、この形が何かに似ていないかと尋ねた。何も思い浮かばないでいるとゲーリングは、「ドイツに突きつけられた矢尻だ。我がドイツの体に突き刺さっている」と説明した。》
《いま(開戦時)二人の独裁者――ヒトラーとスターリンが死闘を繰り広げている。二人はイデオロギーに凝り固まった夢想家であり、兄弟のようなものである。……我が国(アメリカ)は防衛力をしっかりと整備し、両者の消耗を待つべきである。……我が国の掲げる理想にもかかわらずスターリンと組むことは、ヒトラーと同盟を組むことと同じであって、アメリカ的理念への叛逆である。》
《国民も議会も我が国(アメリカ)の参戦に強く反対であった。したがって、大勢をひっくり返して参戦を可能にするのは、ドイツあるいは日本による我が国への明白な反米行為だけであった。ワシントンの政権上層部にも同じように考える者がいた。彼らは事態をその方向に進めようとした。つまり我が国を攻撃させるように仕向けることを狙ったのである。》
《ハルは自身の回顧録の中で、ここ(本書)で記した日本政府との交渉の模様をほとんど書いていない。そして交渉についてはただ否定的に書いている。……その文章には真実がほとんど書かれていない。》
《近衛(首相)の失脚は二十世紀最大の悲劇の一つとなった。彼が日本の軍国主義者の動きを何とか牽制しようとしていたことは称賛に値する。彼は何とか和平を実現したいと願い、そのためには自身の命を犠牲にすることも厭わなかったのである。》
《ルーズベルト氏は「非帝国化構想」を持っていた。彼の標的はドイツ、イタリア、日本だけではなかった。彼はイギリス、フランス、オランダの非帝国化を目論んでいた。そうでありながら、彼の構想には一か国だけ例外があった。巨大できわめて攻撃的な帝国ソビエトであった。》
《あの(第一次世界大戦・戦後の)経験を踏まえればわかるように、アメリカには26もの民族がいるヨーロッパにも、それ以外の地域にも、自由や理想を力で押しつけることはできない。(そうしたことができると思うのは)狐火を見るようなものだ。そんな怪しい理想の実現のために再び若者の命を犠牲にしてはならない。》
《私は、日本との戦いは狂人[ルーズベルト]が望んだものだと言うと、彼[マッカーサー]はそれに同意した。》
《日本に対して原爆を使用した事実は、アメリカの理性を混乱させている。……原爆使用を正当化しようとする試みは何度もなされた。しかし、軍事関係者も政治家も、戦争を終結させるのに原爆を使用する必要はなかったと述べている。》
《本書執筆にあたって役立ったのは、収集した多くの資料である。第一次世界大戦が勃発した頃、フーバー研究所図書館(スタンフォード大学内)を発足させた。現在は250万点以上の貴重な文書、講演録、書籍、日記、パンフレット、会見記録、各国語による条約文書を所蔵している。……本書の準備に20年以上を費やしたが、各国語で書かれた文書を入念にチェックする必要があった。》>(以上「裏切られた自由(要約より)」より引用)





元アメリカ大統領が語る70年間封印されていた戦争についての真実を知っていますか?」と題するyou tube動画がある。それは「裏切られた自由」の紹介動画として作成されている。「裏切られた自由」を書いたのはアメリカの第31代大統領であったハーバート・フーバーで、第二次世界大戦の過程を詳細に検証した回顧録として執筆した。
 この本でフーバー氏はルーズベルト外交を「自由への裏切り」と断罪するなど、従来の歴史観を覆す内容になっている。その要約文があったので引用して、このブログに掲載した。

 なぜなら間もなく迎える8月15日が先の大戦の終戦80周年を迎えるからだ。私の父の世代は徴兵されて戦地へ赴き、その大半が戦死した。戦後間もなく旧制中学の同窓会を開くと実に同級生の七割が戦争で命を落としていたという。
 平和な時代にあって戦争反対を唱えるのは簡単だ。しかし他国が日本侵略を目的として戦争を仕掛けられ、ついには植民地となるか或いは抗戦するかの選択に迫られた場合を想定して頂きたい。米国による様々な嫌がらせや対日経済制裁を仕掛けられ、ついに1941年12月、日本は確たる勝利の見通しのないまま対米戦争に踏み切った。

 現在も日本は直接的で様々な「嫌がらせ」を隣国から受けている。それに対して「平和外交」を前提としながらも、米国の前例もあることから交戦も想定した軍備を備えなければならない。フーバー氏が《私は、日本との戦いは狂人[ルーズベルト]が望んだものだと言うと、彼[マッカーサー]はそれに同意した。》と回想しているように、中国に日本との戦争を望む「狂人」がいないとも限らないからだ。
 日本には「熱さに懲りて膾を吹く」人たちがいる。彼らは「平和」を唱えていれば平和が天から降って来るかのように考えている。しかしフーバー氏の著書を読むまでもなく、好戦的な人は何処にでもいる。その好戦的な人物が米国大統領になれば世界大戦が起きる、という史実をフーバー氏は提示してくれた。

 戦後文科省によって「日本はなぜ戦争に負けたのか、それは日本が悪かったから」「日本になぜ原爆が投下されたのか、それは日本が悪かったから」という教育と刷り込みが行われてきた。それに倣ってか、オールドメディアも一貫してそうした論調で先の大戦を捉えてきた。
 しかしフーバー氏の「裏切られた自由」わ記述してある通り、戦争を仕掛けたのは米国大統領ルーズベルトだった。彼の妄想的な「非帝国化構想」により、まずはドイツ、イタリア、日本を叩く、という戦略が展開された。ただソ連だけがルーズベルトの「叩くべき帝国」の中に入ってなかったという。その構図は現代の米国大統領トランプに酷似していないだろうか。

 ともあれ、現代世界で軍事力で国土を拡張しようと目論む「帝国主義」国家が存在する。そのため現在なおも戦争が絶えない。泉下のフーバー氏は現代の世界を見て、どのような感想を持つだろうか。人類は先の大戦という膨大な犠牲者を出したにも拘らず、未だに戦争に懲りないのか、と嘆くに違いない。科学文明の進化は著しいが、形而上学の欲望や名誉欲といった極めて根源的な欲求を人類は抑制できないようだ。
 一握りの独裁者が自己の「暖衣飽食」願望を叶えるために、国民や民衆を犠牲にして恥じない。そうした前世紀的な世界は現代でも続いている。しかし人類はエポック・メイクをしなければならない。そうしなければ核兵器で本当に地球を破壊してしまいかねない。そのためのエポック・メイキング兵器開発を日本は進めている。核ミサイル迎撃を可能にするレールガンが実戦配備されれば、核兵器は無用の長物になる。さらに現在開発段階のメガ粒子砲が実用化すれば、軍事衛星だって破壊できるようになる。そうした防衛兵器開発を日本が取り組んでいるのは意義深い。核なき世界を実現するのは呪文を唱えることではなく、核ミサイルを無力化することだ。
「裏切られた自由」を読むべきは日本国民だ。いい加減、自虐史観やユートピア的な「平和夢想」から覚醒しなければならない。そしてすべての人類が戦争の恐怖から解放されなければならない。

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