PayPayから相次ぎ撤退する小売業、キャッシュレス化を阻むものは。
<全国で190店舗以上あるスーパーマーケット「ダイエー」が、PayPayなどQRコード決済への対応を5月31日で終了した。 古書店チェーンの「ブックオフ」は「キャッシュレス買取サービス」におけるPayPayの扱いを5月19日に終了。青森県を中心にスーパーマーケットなどを展開する紅屋商事も6月30日で、全店舗でPayPayを終了すると発表した。
QRコード決済終了の理由
ダイエーの広報にPayPayなどQRコード決済をやめたことについて週刊女性が問い合わせると、 「今回、2025年5月31日をもってPayPay、auPAY、d払い、メルペイの取り扱いを終了した経緯につきましては、イオングループとして『AEONPay』へ集約していくという方向性の中で、そのほかのコード決済の取り扱いを終了するというものです。(中略)
「相次ぐ“PayPay取り扱い”終了、QRコード決済から撤退する小売店の実情とは「利益が圧迫される」」と政府が鳴り物入りで推進するキャッシャレス化が反撃を受けている。現在解約を受けて入れのはQRコードとPayPayのようだ。
QRコード決済終了の理由
ダイエーの広報にPayPayなどQRコード決済をやめたことについて週刊女性が問い合わせると、 「今回、2025年5月31日をもってPayPay、auPAY、d払い、メルペイの取り扱いを終了した経緯につきましては、イオングループとして『AEONPay』へ集約していくという方向性の中で、そのほかのコード決済の取り扱いを終了するというものです。(中略)
イオングループのコード決済である『AEONPay』に集約することにより、キャンペーンのご利用やポイントの還元など、お客さまへのサービス機能が拡充できると考えております」 との回答があった。
PayPayなどQRコード決済から撤退する小売店が、相次いでいるのはなぜなのか。
「QRコード決済端末を契約する際に、最初は手数料を低めにして、途中から本来の料率に上げるというのはよくあることです。
そこで、小売店側は手数料が上がると利益が圧迫されるので、もうやめようとなったのでは。ダイエーのように、自社グループでの独自決済による顧客の囲い込みという動きも見られます。ファミリーマートのファミペイもそうですね」
と話すのは金融事情に詳しく、多数の著書を持つ山崎俊輔さん。
独自決済による店側のメリット
独自決済の店側のメリットについては、 「クレジットカードや他社のQRコード決済の手数料が独自決済だと、自社グループに還元されます。独自決済はプリペイド方式を採用することが多く、企業が早く現金を手に入れられ、資金繰りができます。店側としては、自社のプリペイド方式を導入したいのが本音でしょう」(山崎さん、以下同)
独自決済による店側のメリット
独自決済の店側のメリットについては、 「クレジットカードや他社のQRコード決済の手数料が独自決済だと、自社グループに還元されます。独自決済はプリペイド方式を採用することが多く、企業が早く現金を手に入れられ、資金繰りができます。店側としては、自社のプリペイド方式を導入したいのが本音でしょう」(山崎さん、以下同)
PayPayの登録ユーザー数は6900万人(2025年5月現在)。日本の人口の2人に1人以上が利用していることになる。サービスを開始したのは2018年10月だが、どうしてここまでPayPayは世の中に浸透したのだろうか。
「PayPayというネーミングがよかった。PayPayはソフトバンク系列の会社ですが、ソフトバンクPayという名前にはしなかった。au PAYというサービス名では、auの利用者しか使えないのかな、という印象を与えます。ドコモのd払いもなんだか古いイメージ。
PayPayは、どの携帯会社のスマホでも使えるサービスだと利用者に思わせました。また、還元キャンペーンを大々的に行い、未利用者のアプリのインストールに成功したこと、割り勘をする際などに簡単に他者に残高を送れるという利便性が理由として上げられます」
主にスーパーマーケットで、PayPay撤退が続く理由は? 「スーパーは地元住民が固定客となっており、PayPayをやめてもそこまで影響はないと判断したのでしょう」
今後は、独自決済導入への動きがさらに広がるかもしれない>(以上「週刊女性」より引用)
「相次ぐ“PayPay取り扱い”終了、QRコード決済から撤退する小売店の実情とは「利益が圧迫される」」と政府が鳴り物入りで推進するキャッシャレス化が反撃を受けている。現在解約を受けて入れのはQRコードとPayPayのようだ。
PayPayが不評なのは、その手数料の高さにあるようだ。当初1%で始まったものが、現在では3%を超えているという。しかもPayPay決済が小売業者に入るのは一月遅れだから、小売業にとってキャッシュレス化は読み取り機器の導入費や運転資金の確保まで、負担ばかりで良いことなど何もない。
一方で消費者側はキャッシュレスは便利な反面、ついつい使い過ぎてしまう欠点もあるようだ。日本のキャッシュレス決済比率は、2024年には42.8%に達しました。これは、2023年の39.3%からさらに上昇している。内訳としては、クレジットカードが最も多く、全体の約82.9%を占めています。次いで、コード決済が約9.6%、電子マネーが約4.4%、デビットカードが約3.1%となっているようだ。
ちなみに各国のキャッシュレス化率を上げると韓国:約93.6% (2020年)、中国:約83.0% (2020年)、イギリス:約65% (推計)、アメリカ:約60% (推計)となっている。日本でキャッシュレス化が進まない大きな理由は、現金への信頼の高さ、インフラの充実、決済手段の多様性、事業者側のコスト負担などが挙げられている。
また政府がキャッシュレス化を推進する主な理由として表向きは、経済の効率化、インバウンド消費の拡大、そして人手不足の解消などを上げているが、実際にはインボイス制度の導入などにより国民所得や企業収益などを完全掌握するのが目的だ。それにより税の徴収漏れや脱税の監視精度を高めようとしている。
最近では大型店舗を展開する企業が自社アプリを開発して新規電子決済を導入して、企業で顧客の囲い込みをしようとする動きも見られる。しかし、そうした様々なカードやアプリの乱立は利用者に不便を強いているし、小売業者にも様々な機器の設置が必要となるなど、簡便さを謳い文句にしているキャッシュレスの利便性を損なっている。
また、災害などにより停電した際にはキャッシュレス決済が止まり、完全キャッシュレスに出来ない側面もある。