ハマスとプーチン、独裁政権の辿る道は同じだ。

<トランプ米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相は25日、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉でのイスラム組織ハマスの対応に不満を表明し、交渉を断念する構えを示した。
トランプ大統領は、ハマスが「合意を望んでいない」とし、ハマス指導者は「追い詰められるだろう」と述べた。
 ネタニヤフ首相は、人質の帰還と、ハマスの支配を終わらせるという目標を達成するために「代替」の選択肢を検討していると述べた。
 ハマスが停戦を巡り新たな回答を示したことを受け、イスラエルは24日、交渉団を帰国させた。関係筋は当初、交渉団の引き揚げは必ずしも交渉の危機を示すものではないとしていたものの、ネタニヤフ首相の発言は、イスラエルが強硬姿勢を強めている可能性を示唆した。
 米国のウィットコフ中東担当特使も24日、「仲介者は多大な努力を払ってきたが、ハマスは協調性や誠実さを欠いているように見受けられる」と批判。人質の解放とガザの情勢安定化に向けて「代替案を検討する」とし、米代表団を引き揚げた。
 フランスのマクロン大統領は24日、9月の国連総会でパレスチナ国家を承認する意向を表明。トランプ氏は「マクロン氏の発言に重みはない」と一蹴。パレスチナの国家承認について、英独は今のところまだその準備はできていないとしている。
 ガザ地区で食料不足による飢餓がまん延する中、イスラエル軍は25日、ガザ地区への人道支援物資の空中投下を認めると発表。ハマスは見せかけの行為にすぎないと非難している>(以上「REUTERS」より引用)




 停戦協議に関してハマスもプーチンと同じ軌跡を辿るようだ。「米・イスラエル首脳、ガザ停戦交渉断念を示唆 ハマスは「合意望まず」と批判」との見出しを見て、そのような感慨を抱いた。ハマスにとって停戦は組織の解体を意味し、ハマス幹部たちの「暖衣飽食」生活が終わることを意味するからだ。
 独裁者たちにとって最も座り心地の良い椅子は「権力の座」だ。何しろ命令一つで多数の人命を左右することが出来るし、絶対的な権力はこの世に比べるもののない陶酔感をもたらすのだろう。だから彼らは瀬戸際まで独裁者の椅子を放棄しない。

 ハマスは最大の米軍のB-2によるイランの核開発施設攻撃によりスポンサーを失ったはずだ。ハメネイ師はいつでも米軍のB-2空爆により殺害される恐怖を身近に感じた。だから欧州諸国が呼び掛ける核開発協議に応じると返答した。
 ガザ地区を拠点とするハマスは決して停戦を望まない。紛争が続いていることが彼らの生存の証だからだ。確かに最大のスポンサー・イランの援助は当てに出来なくなったが、次の援助の伝がある。それは国連のガザ地区支援組織UNRWAだ。米国はUNRWAにハマスの戦闘員が紛れ込んで、支援物資を横流ししていると非難しているが、国連は数人のUNRWA職員を更迭しただけでお茶を濁している。イスラエル側の情報によれば1万5千人のUNRWA職員の大半はハマス関係者だと断定している。

 ハマスの停戦合意引き延ばし作戦に業を煮やしたトランプ氏は交渉団を引き上げた。これによりイスラエルと米国はハマスに対して強硬姿勢を強めると思われる。徹底してハマスの資金源を断ち、ハマスへの食糧支援を遮断して、ハマスをガザ地区で兵糧攻めにするだろう。
 既にハマスのガザ地区から退避する地下通路などは殆どすべて遮断している。だからハマスはガザ地区の市民を盾にして食糧支援を要求して、市民分を横取りするしかないし、今後とも国連の支援を当てにしてハマスはガザ地区に居座り続けるだろう。

 こうした時期に、前後の脈略もなくフランスがパレスチナ国家を承認する意向を表明したという。なんのためにパレスチナ国家を承認するのだろうか。そもそもパレスチナは国家の体を成しているのだろうか。
 たしかに今回の紛争以前、イスラエルはパレスチナ代表の要請に従って電気や水を供給していた。しかしパレスチナ代表で会って、パレスチナ国家ではない。なぜならパレスチナは国家として必要な要件「行政権、徴税権、軍事統帥権」のいずれも掌握していないからだ。もちろんパレスチナによる選挙も実施されていない。そうしたパレスチナ人の集団を「国家」に使用人しても、何の意味があるのだろうか。実質的なガザ地区の支配はハマスが行っている。国連支援もUNRWA職員に入り込んだハマス戦闘員が実施している。

 だからトランプ氏はいったん、すべてのパレスチナ人をガザ地区が他の場所へ移して、ガザ地区を徹底的に「浄化」すべきだと主張した。ハマスのすべてをガザ地区が一掃するにはパレスチナ人を一度排除して、ガザ地区からすべての武器を一掃するしか方法がない。トランプ氏の発言こそが妥当性を持っている。しかし、現実はトランプ氏の言葉通りには動かなかった。
 フランスのパレスチナ国家承認が益々ガザ地区の問題を複雑化するだろうが、ガザ地区の戦争を終息するにはハマスを一掃するしか方法はない。そのために、今後とも戦闘は断続的に継続するが、ハマスの最大のスポンサー・イランを失った影響は大きい。ハマス幹部たちの「暖衣飽食」を支える資金源が断たれれば、自ずと衰亡するしかない。時間はかかるが、兵糧攻めを続けるしかないだろう。そうした戦法も、対ロ戦略と少しも変わらない。

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