参政党は極右ではなくマトモな中道政党だ。そもそも日本の右派が媚中に偏っていただけだ。

<参議院選挙で国民民主党と参政党が大きく躍進した。とりわけ、参政党が掲げた「日本人ファースト」とグローバル化や外国人受け入れに抑制的な姿勢は、欧米主要国で近年高まっている動きに呼応するものであり、関心を集めている。

 欧米主要国で広がる反グローバル化や移民問題は、日本では縁遠いものとされてきた。日本は経済的に輸出や対外投資で恩恵を受けてきたし、人口に占める外国人の割合2%はOECD加盟国中最下位レベルの少なさ(OECD、「移民統合指標 2023年版」)で、移民に仕事が奪われるといった状況とはほど遠い。
 しかし、主要先進国で反グローバル・反外国人受け入れの動きが強まる背景には新興国からの移民や輸入の増加があり、産業空洞化がある。これには日本も無縁ではない。
 このうち移民だが、OECD統計(“International Migration Outlook 2024”)では、OECD加盟国への流入移民数(除く一時滞在者)は2023年に650万人以上となり、過去最大を2年連続で更新している。
 背景に、コロナ禍明け後の各国の景気回復やウクライナ戦争などによる難民増といった特殊要因はある。しかし、高収入や豊かな生活を期待して先進国を目指す新興国の人々が年々増えており、移民増に伴って欧米諸国では雇用・社会不安による反発が強まっている。
 一方、移民に劣らず欧米各国への影響が大きいのは、中国を中心とした新興国の輸出拡大である。欧米主要国では、各国での産業空洞化と相まって新興国とりわけ中国からの輸入増に不安や危機感が高まっている。
 その不安や危機感は、世界輸出に占める新興国割合が上昇するのに反比例して主要先進国の製造業就業者数が減少していることに見て取れる(図1)。

【図1 日米ユーロ圏製造業雇用者数と途上国輸出割合】
(注)途上国輸出割合は、IMF(DOTS)が公表する世界輸出額を途上国輸出額で割ったもの
(出所)OECD、IMF

製造業雇用者、日米欧で1200万人減のインパクト
 製造業雇用減の要因は多様で複合的である。製造業の生産性は高いので、サービス業と同じ価値の財を生産していても、時とともに相対的なウエイトは減じていく。製造業企業内でのサービス業ウエイトが一般的に高まっていることもある。また、製造業企業のグローバルサプライチェーン構築と海外展開もあり、中国など新興国の輸出増が先進国での製造業雇用者数減少の最大要因と言うことはできない。
 それでも、企業のグローバルサプライチェーン構築とも相まった新興国・途上国の輸出増がアメリカのラストベルト(かつて製造業が盛んだった地域)や欧州各国の工業集積した地域経済を衰退させているのは事実であり、それぞれの地域の産業転換の遅れなどに起因する面があるとしても、軽視はできない。
 実際、2000年以降日米・ユーロ圏合計で1200万人ほどに上る大きな製造業雇用者数減少は、主要先進国の反グローバルの動きを加速させている。製造業雇用の減少度合いが最も大きいイギリスは、反移民・反欧州連合(EU)を大きな理由として2016年にEUを離脱した。次に減少度合いが大きいアメリカも、トランプ大統領がアメリカ第一主義を唱え、保護主義的な政策を進めている(図2)。

【図2 主要国:製造業雇用の推移】
(注)2000=100
(出所)OECD

 フランスでも、反移民・反EUを掲げる極右政党「国民連合(RN)」が下院最大の単一政党となっている。そして、その下院議員の多くは農村部や工業衰退地域から選出されており、RNは雇用減少やグローバル化で疲弊した地域を代弁する政党と認識されている。
 日本と並んで製造業雇用が減少しているイタリアでも、メローニ首相が党首を務める与党「イタリアの同胞(FdI)」は、ナショナリズム、保守主義、欧州懐疑主義を掲げる極右とされる政党である。
 日本は、外国人受け入れ数が少なく、在住外国人との摩擦は欧米に比べれば遥かに限定的である。しかし、図2に見られるように、2000年以降の製造業就業者数の減少は大きく、空洞化は地域経済と雇用に大きな影響を与えている。

反グローバル・反移民とどう向き合うか
 ちなみに、日本でも、一極集中で非製造業の伸びが大きい東京と以前から製造業があまり立地していない沖縄を例外とすると、道府県別の製造業就業者数増減率と県内総生産額増減率には、弱いながらも一定の正の相関が窺える(図3)。製造業の空洞化が進んでいる道府県では、県内総生産額の伸びも弱い傾向にあるということである。

【図3 都道府県別:製造業従業員増減率と県民総所得増減率(2001年~2019年)】
(注)2019年数値の2001年数値に対する増減率。県内総生産額は平成17年基準に揃えた数値で年度数値。製造業従業員数は従業員数4名以上の事業所に関する数値で年次での調査。
(出所)県民経済計算、工業統計調査

 戦後、グローバル化は先進国と途上国双方を豊かにしてきた。また、ますます多くの人々が国境をまたいで世界で活躍することは、人々により大きい可能性と豊かさをもたらすとともに世界経済の成長にも直結する。
 しかし、足元欧米で広がっている反グローバルと反移民の動きは、グローバル化と移民によって不利益を被っていると感じている人々が増えていることを示している。そして、日本も例外ではないのかもしれない。
 今回の参議院選挙は、日本が大きな政局ばかりか、世界経済の大きな動きの渦中にいることを示すものともなったのかもしれない。アメリカとの関税交渉は決着したが、これで世界経済との向き合い方に一区切りついたわけではない。むしろ、物価、減税、財政に加えて日本流のグローバル化と外国人受け入れへの向き合い方もこれから詰めていかなければならないのではないだろうか>(以上「JB press」より引用)




参院選の「外国人問題」、欧米で広がる反グローバル化の日本上陸が避けられない根本的な理由」と中島 厚志(エコノミスト)氏が論じているように、外国人労働者移民問題が日本で初めて「選挙論点」になった。
 しかしここで明らかにしておきたいのは外国人労働移民は今後の日本や欧州諸国にとって「必要な労働力」なのかどうかという点だ。中島氏が引用文中に掲げた「製造業雇用の推移」を示しているが、その雇用数の推移が製造業の出荷額と相関関係があるなら今後とも経済発展するためには外国人労働移民が必要だということになる。

 日本の製造品出荷額は、高度経済成長期に急成長し、バブル期には340兆円を超えるピークを記録した。その後、バブル崩壊やリーマンショックの影響で落ち込んだが、近年は回復傾向にあり2021年には330兆円台まで回復した。その一方で、経済産業省の2024年工業統計調査によると、従業者数は前年比で減少した。具体的な数値は、825万8337人で、前年比▲4.0%とのことだ。
 工業出荷額が増加して、労働者が減少しているのは労働生産性が向上している証拠であり、今後はAIの導入により企業の省力化がますます進むものと思われる。外国人労働移民は日本の
経済成長にとって必要不可欠な要件ではなくなり、日本人ファーストの政策が産業政策を阻害する懸念には及ばないだろう。

 参政党の主張でもあるが、外国人労働移民は国内の人手不足解消というよりも「安価な労働力」を求める企業経営者の要望に自公政権が「構造改革」の名の下に派遣業法を野放図に緩和した挙句、外国人労働移民に辿り着いたというべきではないだろうか。それは決して国内労働者不足を補うために窮余の策として採用されたものではなく、派遣業者と政府と企業経営者とが利権のトライアングルを組んだに過ぎない。
 そうした利権のトライアングルの綻びが各地で社会問題化している。その始末のために日本国民が支払った税金が使われるのは、日本国民として心外な思いを抱くのは当然のことではないだろうか。ましてや国民が重い負担に喘いでいる社会保障まで在日外国人がタダ乗りしているとすれば反感すら覚えて「日本人ファースト」と叫んでも当然ではないだろうか。

 グローバリズムの名の下に、日本は数々の「構造改革」をして来た。その一環として平成大合併で各地の町村が大都市に呑み込まれて歴史や文化を喪失している現状も看過できない。
 日本は少子化で2050年には人口が半減する、と大騒ぎしている人たちがいるが、半減したところで明治初期の日本の人口程度ではないか。江戸時代の平均人口は約3000万人でしかなかった。その当時に成立した多くの町や村までも市に合併しなければ「行政効率」が悪いという見解は果たして妥当性があるのだろうか。
 日本の伝統文化や慣習が廃れても、「行政効率」の前には仕方ないとでも云うのだろうか。地方の人口減は東京への人口流入であって、東京人口の自然増は出生率0.96で分かるように全国一の少子だ。よって行政効率は少子化対策とは無関係のようだ。むしろ東京都民の可処分所得の中央値が全国都道府県で最低が出生率が最も低いことと関係あるのではないだろうか。

 さて、本題の反グローバリズムと「日本人ファースト」との関係だが、反グローバリズムによる「自国ファースト」が先進諸国に蔓延して、外国人移民を制限する方向になっている。それが産業全般の雇用減に繋がっていると中島氏は説いている。確かに欧州諸国は後進国からの輸入が増大して、欧州諸国の産業出荷額が減少している。だから産業の雇用者数も減少している、という関係が成り立つが、日本の場合は少し異なるようだ。
 前述したように産業従事者が減少しても、産業全体の名目生産額はむしろ増加している。今後とも日本の産業全般の生産額は増加し続けるのではないだろうか。それこそAI化により経済成長の必須条件の生産性の向上がもたらされるからだ。日本人ファーストが外国人排斥運動に繋がる、と云うのは誤りで、むしろ日本が人手不足が解消されて外国人労働移民を必要としなくなる、という方が正しいだろう。今回の参議院選で参政党が躍進したことにより左派活動家は大慌てで参政党こそが極右の戦前回帰国粋主義の復活だと煽っているが、もはやそうした煽りに多くの日本国民は騙されない。現在の右派政党を自認する自民党の正体は反吐が出るほどの媚中政権だと多くの国民が知った。日本の政治全体が左派に偏っていたのだ。むしろ左右の中心線を取戻さなければならない、と知った多くの日本国民の支持を集めた結果が参政党の大躍進に繋がったのではないか。だから今後とも参政党の勢いが止まることはないだろう。

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