B-2によるイランの核開発施設に対する爆撃の成果は「軽微」だったのか、それとも「深刻」だったのか?

<イランのアラグチ外相は、フォルドゥの核施設が米国の空爆によって「深刻かつ甚大な被害」を受けたと述べた。1日放送のCBSニュースのインタビューで語った。
 「フォルドウで何が起こったのか、誰も正確に把握していない。現時点で分かっているのは、施設が深刻かつ甚大な被害を受けたということだ」と語った。現在、原子力関係機関が状況の評価作業が行っており、政府に報告書を提出する予定だと述べた>(以上「REUTERS」より引用)




 米軍のB-2が爆撃したイランの核施設の被害が軽微なのか、それとも深刻な被害を被ったのか見解が割れていた。ここに来て「フォルドゥの核施設、米空爆で「深刻な被害」=イラン外相」との発言が出た。
 もちろん米空軍が37時間も飛行してB-2がバンカーバスター・ミサイルを打ち込んだのがただのガランドウだったということはあり得ない。作戦遂行に当たって然るべき準備を行い、確実な成果を手にするために万全の努力を行ったはずだ。その作戦が的外れだった、ということは米国の威信を低下させる惨事でもある。

 しかしB-2攻撃後のイラン当局の反応はすこぶる劇的だった。ハメネイ師は「我が方の被害は軽微なり」と発表したその口で、イイ紛争に勝利しただの、IAEAの査察は受け入れないだの、と矛盾する声明を出した。
 核開発施設が殆ど無傷なら、イラン当局はIAEAの査察を拒否する必要はない。むしろ米国のB-2爆撃は的外れだった、と米軍を嘲笑する格好の材料になる。そして「我が方が勝利した」と宣言するまでもなく、核開発施設を査察団に開示すれば百聞は一見に如かずだ。

 先日、CNNがイランの核開発施設の被害は軽微だった、とイラン当局が誘導したかのような報道を行ったばかりだ。CNNが終始一貫して反トランプの立場を取り続けていたことから、ホワイトハウスが実行したB-2爆撃作戦を貶めるつもりで報道したのなら、飛んでもない間違いだ。それはトランプ政権に打撃を与えるよりも、米国の威信を貶めるものでしかないからだ。
 真実は必ず現れる。いかにフェイクニュースで覆い隠そうとしても、真実は必ず知れ渡る。そのことをCNN当局者は肝に銘じるべきだ。そして核開発施設に対するB-2爆減の成果が「軽微」だったのか、それとも「深刻」だったのかにより、対イラン政策の「次の手」が大きく変わることも、CNN当局者は自覚すべきだ。

 それは依然として「核開発カード」をハメネイ独裁政権が持っているか否かに関係するからだ。ホルムズ海峡を封鎖するゾ、と世界を恫喝しても、同時に海峡封鎖はイランのオイルマネーに頼った国家財政がたちまち行き詰ることになる。ハメネイ師の「暖衣飽食」を維持し、イラン国民に君臨する財政力を喪失してまで、ホルムズ海峡を封鎖することなどあり得ない。
 そうすると、イランが米国をはじめ西側諸国と対峙する手段は何もなくなる。「核開発カード」を見せることにより、ハメネイ師は独裁体制を維持し、中東のテロ集団を支援してきた。だからこそ、ホワイトハウスはB-2による核開発施設の爆撃に踏み切った。ただトランプ氏が広島・長崎への原爆投下と同一水準に語ったのは彼の愚昧さを自ら披歴してしまった。なぜなら広島・長崎への原爆投下は戦争中の市民大虐殺という戦争犯罪そのものだからだ。当時の米国政権首脳はキーウの市民をミサイル攻撃するプーチンといささかも違わない。イランの核開発施設に対する爆撃と、広島・長崎に対する原爆投下を同一視するトランプ氏の見解には激しく異を唱える。そのことに抗議しない日本政府の腰抜け振りにも呆れる。だが、日本国民の一人として決してトランプ氏の見解に与することは出来ない。論旨から外れたが、私の立場を明確にしておくために書き添えておく。

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