「イランとイスラエルは完全な停戦に合意した」とトランプ氏がSNSに書き込んだ。

<ドナルド・トランプ米大統領は米東部時間23日午後6時(日本時間24日午前7時)すぎ、イスラエルとイランが「完全かつ全面的な」停戦で合意したとソーシャルメディアで発表した。これについて、イスラエルとイランは、停戦が成立したとは公式発表していない。これに先立ち、イランはカタールにある米空軍基地に向けてミサイルを発射した。

 トランプ氏は投稿で、停戦は「今から約6時間後」に、双方の軍事作戦の「縮小」を経て開始されると書いた。また、敵対行為が時間とともに段階的に解消されていくとし、「24時間目には」戦争は正式に終結するとしている。
 トランプ氏は投稿で、「すべてがあるべきように機能するという前提で、私は両国を祝福したい」とした。そして、今回のイスラエルとイランの紛争を「12日間戦争」と呼び、「何年も続き、中東全体を破壊したかもしれなかった戦争だが、そうならなかったし、今後も決してそうならない!」と書いた。
 停戦の交渉に関わったとされる人物らが米メディアに話したところでは、カタールのシェイク・ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相が停戦合意に貢献したという。>(以上「BBC」より引用)




トランプ氏、イスラエルとイランが停戦合意と発表 「完全かつ全面的」」とのニュースが駆け巡った。突然というべきだろうが、別に驚きはしない。なぜならイランは紛争を戦争に発展させて得るものは何もないからだ。むしろ政権転覆に繋がりかねない危険性さえある。
 イスラエルにとっても米軍が核開発施設を破壊したため、これ以上イランの脅威が増すことはない。あとはハメネイ師がテロ組織への支援さえ自粛すれば良いだけだ。

 トランプ氏のSNSにより原油価格が急落したという。1バレル67ドル台になったが、まだ60ドル台前半まで下落するだろう。すわ第三次世界大戦だの、ホルムズ海峡封鎖だのと大騒ぎしていた連中は何だったのだろうか。世の中にはこうしたマッチポンプのような連中がいるものだ。
 少しでも冷静に考えるなら、ハメネイ氏にイスラム教と心中しようとする覚悟など皆無で、ただただ独裁者としての椅子をいつまでも温めたいだけだ。その証拠に、米軍が空爆した時にハメネイ氏は家族とともに地下深くに避難していたという。宗教指導者ならイスラム教徒のテヘラン市民とともにモスクでイラン国民の安寧を神に祈るべきではなかったか。

 トランプ氏は空爆直後にイランの政権転覆を目指さない、と発言した。それが停戦合意に向けたシグナルだったのではないか。そしてイランがカタールの米軍基地に報復のミサイルを10発ほど発射したが、その内9発はミサイル防空システムで迎撃し、残り一発は被害の及ばない方へ飛んでいったため放置したという。つまりイラン国民に対する対米報復攻撃をしたというアリバイ作りのためのミサイル発射だった。
 イランは保有する超高速ミサイルの殆どを使い果たしたため、これ以上の紛争継続は物理的に不可能な段階だった。イスラエルも米軍がイランの核開発施設を破壊したため、それが100%の成功でないにしても、当分イランが核兵器を持つ可能性がなくなったため、矛を収める条件が整った。

 トランプ氏はこの瞬間を逃さず、停戦合意を両国から取り付けた。鮮やかな手腕というべきではないか。しかし、その手腕がプーチンに通じなかったのは何故だろうか。それはトランプ氏がプーチンに「話し合える人物だ」という幻想を抱いているからだ。「話せばわかる」と思い込んでいるようだが、プーチンには大ロシア帝国の亡霊が取り憑いている。だから「そもそもウクライナはロシアの国の一部だ」と時代錯誤の発言を平気でする。
 モスクワ公国でしかなかったロシアが周辺部を取り込み併合して大ロシア帝国を形成した。しかし、それは過去の遺物だ。その考えが通用するのなら、蒙古人は「中国から欧州東部まで我が国の版図だった」と叫ばなければならない。

 だからトランプ氏は停戦協定の席に姿を現さなかったプーチンに「もうしばらく戦争を続けなければならないだろう」と突き放した。トランプ氏がNATOとウクライナに働くかけてプーチンが満足するような停戦条件を整えるまで、停戦協議の席に着かないつもりだったが、しかしプーチンに残された時間がそれほどあるわけではない。ロシア経済は崩壊しているし、間もなく深刻な物資不足によるハイパーインフレがロシア市民を直撃する。そうしたことを見通した上で「もう少し戦争していろ」とトランプ氏はプーチンを突き放した。
 そしてイイ紛争の仲介役を買って出ても良い、と土瓶口を挟んだプーチンを横目に見ながらトランプ氏はイイ紛争を治めてしまった。中東問題にプーチンが口出しする隙間は与えられなかった。いよいよプーチンはロシア国内で追い詰められ、勝利の見通しのないままウクライナで絶望的な戦争を続けなければならなくなった。

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