ノープランで暴走するトランプ氏を諭す賢明な側近はいないのだろうか。
<〇5月にジュネーブでまとめた合意を巡り互いに非難の応酬
〇レアアースが4月初旬以前並みに流通することを望む-NEC委員長
米中両国の主要貿易交渉担当者は、中国によるレアアース(希土類)支配を巡る緊張の緩和を目指し、9日にロンドンで再び協議を行う。
両国は5月にスイスのジュネーブで行われた協議で貿易戦争の緩和に向けて合意をまとめたが、その後互いに相手方が合意条件に違反していると非難し合い、関係は悪化していた。
こうした中、トランプ米大統領は6日、中国の習近平国家主席が鉱物やそれを使用する磁石の材料の供給再開に同意したと発言。中国政府は7日、一部のレアアース輸出申請を一部承認したと発表した。ただ、対象となる国や産業については明らかにしなかった。
ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長は8日、CBSニュースの番組「フェイス・ザ・ネーション」で「携帯電話などに不可欠なレアアースや磁石が、4月初旬以前と同じように流通することを望んでいる。技術的な細部が障害となるのは避けたい」と語り、「この点は中国側にも明確に伝えてある」と述べた。
米中間の貿易摩擦は年初から再び激化し、双方の関税引き上げにより税率は100%を大きく超える水準にまで達したが、その後一時的に停止した。ジュネーブでの合意は関係改善への第一歩となるはずだったが、協議は直後に行き詰まり、互いの非難の応酬に発展した。
米国側は、電気自動車(EV)や防衛システムに不可欠なレアアース磁石の供給減少に懸念を示す一方、中国は華為技術(ファーウェイ)の人工知能(AI)用半導体の制限強化や、先端技術へのアクセス制限、さらに米国での外国人留学生への締め付けに反発している>(以上「Bloomberg」より引用)
既にニュースで中国が対米禁輸措置を講じていたレアアースの対米輸出を一部緩和すると報じられている。引用した記事の見出しは「米中、9日に再び閣僚級協議-レアアース流通巡りロンドンで」とあるが、既報されたニュースが誤りだったのか、トランプ政権が「早とちり」したのか、いずれにせよ、レアアースに関する対米禁輸措置に関する話し合いはこれからのようだ。
〇レアアースが4月初旬以前並みに流通することを望む-NEC委員長
米中両国の主要貿易交渉担当者は、中国によるレアアース(希土類)支配を巡る緊張の緩和を目指し、9日にロンドンで再び協議を行う。
両国は5月にスイスのジュネーブで行われた協議で貿易戦争の緩和に向けて合意をまとめたが、その後互いに相手方が合意条件に違反していると非難し合い、関係は悪化していた。
こうした中、トランプ米大統領は6日、中国の習近平国家主席が鉱物やそれを使用する磁石の材料の供給再開に同意したと発言。中国政府は7日、一部のレアアース輸出申請を一部承認したと発表した。ただ、対象となる国や産業については明らかにしなかった。
ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長は8日、CBSニュースの番組「フェイス・ザ・ネーション」で「携帯電話などに不可欠なレアアースや磁石が、4月初旬以前と同じように流通することを望んでいる。技術的な細部が障害となるのは避けたい」と語り、「この点は中国側にも明確に伝えてある」と述べた。
米中間の貿易摩擦は年初から再び激化し、双方の関税引き上げにより税率は100%を大きく超える水準にまで達したが、その後一時的に停止した。ジュネーブでの合意は関係改善への第一歩となるはずだったが、協議は直後に行き詰まり、互いの非難の応酬に発展した。
米国側は、電気自動車(EV)や防衛システムに不可欠なレアアース磁石の供給減少に懸念を示す一方、中国は華為技術(ファーウェイ)の人工知能(AI)用半導体の制限強化や、先端技術へのアクセス制限、さらに米国での外国人留学生への締め付けに反発している>(以上「Bloomberg」より引用)
既にニュースで中国が対米禁輸措置を講じていたレアアースの対米輸出を一部緩和すると報じられている。引用した記事の見出しは「米中、9日に再び閣僚級協議-レアアース流通巡りロンドンで」とあるが、既報されたニュースが誤りだったのか、トランプ政権が「早とちり」したのか、いずれにせよ、レアアースに関する対米禁輸措置に関する話し合いはこれからのようだ。
だがNVIDIAが中国に半導体工場を建設すると発表しているように、米国主導の対中半導体規制の包囲網が徐々に破られようとしている。そのことに関して、トランプ政権からNVIDIAに対して半導体工場を中国に建設するとは何事かとのお叱りがないようだが、摩訶不思議なことではある。
しかし現在の米国は中国のレアアースに全面的に依存している。いかに半導体製造で中国を規制しようと、その半導体製造に不可欠なレアアースを中国に牛耳られているのでは自分で自分の手足を縛っていることになる。トランプ氏がこれほど杜撰なノープランで対中関税戦争に突入したとは信じられない。
いや彼の政策は多くの場面で杜撰だ。USSを日鉄から守る、と演説して日鉄によるM&Aを拒否したが、これもノープランだった。米国製鉄業界は特殊鋼などの製造分野で日本から大きく後れを取ってしまった。いや製鉄業界だけではない。造船業界ですら、かつて建造した艦艇を現在の米国造船業界では建造できなくなっている。まさにロストテクノロジーになっているのだ。だから新型軍用艦艇の建造を米国政府は日本企業に発注したではないか。
実際に高速鉄道用の高品質な車輪と車軸一体製造は日本とドイツにしか造れない。中国への提供をドイツと日本が止めたため、中国は自近製品に切り替えたが、間もなく中国製高速鉄道はスピードを落とさざるをえくなる。さもなくば高速回転に耐えられず、中国製高速鉄道の車輪と車軸は破損するだろう。
中国は必ずレアアースを戦略物資として利用する、と「脱中国」を計画して中国に依存しない技術開発を準備しておくべきだった。しかしトランプ氏は二期目に入る前からノープランでトランプ関税の実行を宣言していた。それは余りに杜撰に過ぎた。
仮にレアアースで「今」は妥結したとしても、また何かあると中国は必ず禁輸措置で揺さぶる。相手の弱敵を知ると、執拗にそこを攻撃するクレバーなボクサーのように。
中国のレアアースに代わる技術開発するか、あるいは他国のレアアースに切り替えるかをしない限り、米国は弱点と見抜かれたレアアース禁輸攻撃を絶えず心配しなければならないだろう。だから昨日のブログで、日本が中国による対日レアアース禁輸措置にいかにして対処したか紹介した。現在は半導体に関しても、中国のレアアースなしで製造できる技術(たとえば「ダイヤモンド半導体」技術開発など)を研究し、試験段階に達している。
米国は世界に誇る技術・研究開発力を持っている。それらを総動員して、中国のレアアースを必要としない半導体製造技術を開発すべきだ。そして中国のレアアース・カードを無効化すべきだ。米国はすべての分野の製造業をリセッションすべきだ。そのためには先進自由諸国との協力関係は避けて通れない。「米国ファースト」を叫んでいるだけでは「米国ファースト」は実現できない。仲間を信じられない者は自分をも信じられない。そして信じてはならない者を信じてしまう。まさにトランプ氏はそうした状態に陥っている。プーチンを信じ習近平氏を信じる、という愚行を重ねている。そしてカナダや日本に喧嘩を売る、という馬鹿を演じている。誰かトランプ氏の暴走を止める賢明な側近はいないのだろうか。