日鉄によるUSSへのM&Aをトランプ氏は承認。

<日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画は、米国時間で21日にトランプ大統領が命じた対米外国投資委員会(CFIUS)の再審査期間が終わり、トランプ氏の最終判断に委ねられることになった。  ロイター通信によると、CFIUSは同日、買収案を巡る勧告書をトランプ氏に提出した。同氏は報告を受け、6月5日までに買収の可否を判断する。 
 トランプ氏はこれまで完全買収に反対する一方、投資であれば認める考えを示していた。日鉄の森高弘副会長は「フリーの技術はないし、リターンのない投資もない」と、完全子会社化を目指す姿勢を崩していない>(以上「時事通信」より引用)




 一日前に「買収可否、トランプ氏最終判断へ 米政府機関、審査期限 日鉄・USスチール」と報じられたが、つい一時間前に「トランプ氏が日鉄によるUSSのM&A承認へ」との記事が配信された。
 やっとトランプ氏はUSSがどれほど企業として弱体化しているかを認識したようだ。日鉄によるM&Aを通してUSSに日鉄の技術と資本を投下しなければ米国の鉄鋼業界そのものが世界的な競争から脱落するしかない。

 「鉄は国家なり」という言葉は現代も生きている。いかに半導体が時代の寵児と雖も、鉄鋼生産の基礎があってのものだ。半導体だけの産業構造は台湾のように「ハウンドリー」として生き残るしかない。
 米国が本当にMAGAを達成するためにはUSSが蘇らなければならない。日鉄(当時は「新日鉄」)の全面的な支援を受けて成長したた宝山鋼鉄が、勝手に日鉄の無方向性電磁鋼板に関する特許技術を侵害したとして、日鉄は宝山鋼鉄グループを提訴した。この技術は、電気自動車やハイブリッド車のモーターなどに使われる、電気抵抗が小さく、磁気を流しやすい鋼板の製造技術で、現代製造業界に必要不可欠な技術だ。

 宝山鋼鉄グループは技術侵害により日鉄と完全に決別したため、今後の成長は見込めなくなった。それは中国の製造業に無方向性電磁鋼板技術で製造された薄板鋼鈑が供給されなくなったことを意味する。
 もちろんUSSにも無方向性電磁鋼板技術はない。現代のあらゆる製造業で必要とされる薄板鋼鈑を供給できない鉄鋼業社が生き残ることは出来ない。だから日鉄によるUSSに対するM&Aが必要だった。もちろん必要としたのはUSS側だ。それを先の大戦を例に引いて、USS労組代表が日鉄を詰ったのは見識不足だ。トランプ氏も一時は日鉄のM&Aに不快感を示したが、熾烈な企業競争を生き残るためには感情だけで物事を決してはならない。ことに「鉄」という国家事業に私的感情を持ち込むのは経営者として恥ずべきことだ。

 トランプ氏はMAGAを実現するためにも、USSの復活を実現するしかない。米国内で無方向性電磁鋼板技術で製造された薄板鋼鈑を賄えなければ、それこそ米国の悪夢と云うしかない。
 今後も製鉄技術は日々進化する。技術力の研鑽を怠れば、その企業は衰退するしかない。日米が協力して技術を研鑽してこそ、米国は万全となる。信用するに足りる相手と組まなければ寝首を掻かれるだけだ。プーチンや習近平氏や金正恩氏と組むよりは、日本と組む方が良いことは実業家トランプ氏なら迷いはないはずだ。

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