自民・小野寺政調会長TV番組で「消費減税」は「円安・物価高につながる」とバカな発言。

<夏の参院選に向け「消費税減税」を巡る議論が活発だが、石破政権はやはり「断固阻止」のスタンスのようだ。野党は税率や対象、期間に違いはあれど、軒並み消費減税策を打ち出している。自民党と連立を組む公明党も、食料品の消費税率の引き下げについては「一案」との立場だ。多くの国民が物価高対策として消費減税に期待を寄せる中、もはや政権そのものが「国難」になりつつある。
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「消費減税は円安・物価高につながる」──。自民党の小野寺五典政調会長が18日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に出演。減税の財源に触れ、そう訴えた。
 小野寺氏は「お金を(国債で)借金して出せば出すほど、円の信用が落ちる」と主張。「そうすれば円安になる。円安になれば原油や小麦などが高くなる。結果として、また物価高につながる」と続け、「これを次々やっていくと、最終的に国が破綻します」と極論を持ち出した。
 一応は「減税その他の議論は必要」との認識を示し「どこに財源を見つけるのかを議論していくことが減税の前提になる」と“注釈”を付けたが、絶対に減税したくない態度がミエミエ。ことさら消費減税の財源に国債発行を持ち出し、さらなる物価高への不安をあおるとはミスリードにも程がある。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。
「なぜ財源論の前提が国債発行なのでしょうか。まずは赤字を抱える官民ファンドや補助金といった無駄な政府支出の削減、それから大企業が大量に蓄えた内部留保を消費者に還元するための仕組みづくりが先でしょう。例えば、内部留保課税の創設や法人税優遇策の見直しなどです。政府の歳出改革と同時に民間の貯蓄超過も抑制すれば減税の財源になり得ますし、富裕層の資産課税強化もひとつの手です。こうした議論があって初めて、不足分を国債で賄うか否かを議論するべきです」
 もっとも、政府は国債を乱発している。戦前の反省を覆して防衛費を借金で賄い始めた2023年度から、防衛予算のための建設国債の発行は3年で2兆円を突破。国債を理由に消費減税を拒否するのは、単に「やらない理屈」を並べているに過ぎない。
 小野寺氏は17日の富山市内でも、消費減税の財源が国債発行なら円安・物価高につながると強調。「円安を是正するには財政規律がまず大事」と力説した。
「小野寺氏の言う『国債発行により円の信用が落ちて円安になる』のは、ひとつの側面であって決定的な問題ではありません。円安の最大の要因は、日銀の異常な低金利政策がもたらした国内外の金利差です。マネーは金利が低い方から高い方へと流れるので、円安是正には利上げが待ったなし。ところが、いまだに日銀は基調的インフレ率が2%目標に達していないとして実施を渋っている。異常な低金利策こそ信用低下につながりかねず、まずやるべきは金利の正常化です」(斎藤満氏)
 小野寺氏と同じく財政規律派の自民党の森山裕幹事長は消費税の扱いを巡り「政治生命をかけて対応したい」と言っていたが、世論の6~7割は消費減税に賛成している。それこそ政治生命を賭して、財源を示して欲しいものだ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)




 日刊ゲンダイ紙の見出しに「自民・小野寺政調会長「消費減税」断固阻止ミエミエ…TV番組で「円安・物価高につながる」とミスリード」とあった。小野寺氏の「消費減税が円安・物価高に繋がる」という理屈は全くの噴飯ものだ。
 小野寺氏だけではない、石破氏も森山氏も経済が「静態的」なもので、現状から一歩も動かない、と思い込んでいるようだ。ただし国債発行だけは「円安・物価高に繋がる」という珍妙な因果関係だけ信じ込んでいるようだ。彼らは一体何処で、そのような珍妙な経済学を学んだのだろうか。

 云うまでもなく、税は経済政策の一つだ。景気が悪ければ税を軽減して個人消費を刺激して需要を喚起する。景気が過熱すれば税を重くして個々人の可処分所得を減少させて需要を減少させる。そうした景気政策の重要なアイテムが税だ。決して財務省の収入確保の既得権ではない。
 日本は30年以上にわたって所得もGDPも一向に増えず、経済全体が衰退してる最中だ。現在も日本の実質労働賃金は減少している。つまり不景気だ。だから税を軽減して経済成長を促さなければならない。そのために最も有効的なのが個々人の可処分所得を直接増やす消費税廃止だ。なぜ消費減税ではなくは石なのか、それはトランプ関税で消費税は非関税障壁だと認定されているからだ。それたったら、消費税を廃止すれば日本に対するトランプ関税24%の内10%は根拠を失うことになる。それがどれほどの効果を持つか、貿易関係者でなくても誰でも解るだろう。

 円安を是正するには財政規律が大切だ、と小野寺氏は述べたようだが、円安は為替相場によって決まるのであって財政規律とは全く関係がない。無知蒙昧以外の何ものでもない。
 為替相場はGDPに対する貨幣の発行総量の割合だが、現在では為替相場の決定要因はそうした貨幣の発行総量ではなく、それぞれの国の公定歩合によって左右されるようだ。円安なのは単に日本の公定歩合が米国と比して低いからだ。
 日本国内の円で借金して、ドルを買えばその金利差だけで儲かる。だから外国投機家が日本円を大量に売ってドルを買うから円安になっている、それだけのことだ。円安に大した理屈があるわけではない。

 消費税廃止すれば物価高になる、という理屈も解せない。現在、消費税は10%だが、日本の主食の米価は高騰している。昨年同期比2倍以上だ。それは需要に対して供給が足りないからだ。つまり減反政策とそれに続く「転作奨励」政策が失敗したことの証だ。
 確かに米価を中心とする食料品は高騰しているが、肝心要の実質国民所得は減少している。それは対前年比物価上昇率が17%に達しているにも拘らず、大企業の春闘賃金上昇率が6.7%でしかないことから、今年の実質賃金は大幅なマイナスになることは明らかだ。それは、すなわち今年の経済成長がマイナスになることが確定したことになる。つまり日本経済は深刻なデフレ経済に陥っていることは誰の目にも明らかだ。小野寺氏をはじめ自民党幹部連中はこのような簡単な経済分析すら出来ないほどの無能揃いなのか。

 また日銀の御用評論家なのか経済評論家の斎藤満氏は「日銀は基調的インフレ率が2%目標に達していないとして実施を渋っている。異常な低金利策こそ信用低下につながりかねず、まずやるべきは金利の正常化です」と、能天気な発言をしている。
 果たして「低金利で日本の「信用低下」」が起きているか。斎藤氏の云う「信用低下」とは何なのか。まさかインチキ・ムーディーズの「国債格付」を指しているのではないだろう。日本円が「円安」になっているは米国と金利差があるからだが、そんな為替相場を気にするよりも、日本国内景気の方こそ気にすべきだ。ことに政治家なら国民の暮らしを気にすべきだ。生活保護費以下の国民年金で暮らしている高齢者が塗炭の苦しみを味わっているのを機にすべきだ。若者たちが婚姻できない貧困状態や独身女性の低賃金にこそ気に掛けるべきだ。

 そうした政治家として真っ当な感性があるなら、経済政策を大転換すべきだと気付くべきだ。「消費税を廃止して、再び日本に高度経済成長を」もたらそうと考えるべきだ。お手本は1960年代の日本にある。当時の経済政策や税制に帰れば良い。不当に「分割民営化」した郵政や高速道路、できれば鉄道までも、再び合併して国有化すべきだ。基本的な社会インフラは警察や消防署と同じだ。たとえ赤字であろうと国が責任を持って運営すべきだ。
 そして平成時代にバカバカしいほど合併・合理化したはずのJAや地方自治体が農業者や地域住民から遊離してしまったことを反省して、ふたたび身の丈に合った組織に分離分割すべきだ。国は地方から衰退する。地方の衰退は国力の衰退だ。そうした危機感を待たない政治家が多いのは東京生まれ東京育ちの世襲議員ばかりになった日本政界の宿痾てはないだろうか。

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