国民はいつまで異常な米価に我慢するのか。
<14日、自民党の小野寺五典政調会が政府備蓄米の倉庫を視察し、「国がもうけてどうするんだ」と備蓄米を安値で売り出す対応策を検討すると語りました。
■18週ぶりに19円の値下がりも…「高い」
高値が続くコメの価格。埼玉県越谷市のスーパーで一番安いのは5キロ当たり税込み4850円です。
■18週ぶりに19円の値下がりも…「高い」
高値が続くコメの価格。埼玉県越谷市のスーパーで一番安いのは5キロ当たり税込み4850円です。
コメの平均販売価格は5キロ4214円と、18週ぶりに19円の値下がりに。しかし、買い物客はこう話します。
40代 「19円という値段なので。それだと安いうちに入らない」 60代 「安いといっても高いが、銘柄にこだわれないのが悲しい」
この店には備蓄米が入荷する見通しも立っていません。
■「原則1年以内の買い戻し」条件緩和を求める
14日、政府の備蓄米倉庫を視察した自民党の小野寺政調会長は、次のように述べました。 小野寺政調会長
■「原則1年以内の買い戻し」条件緩和を求める
14日、政府の備蓄米倉庫を視察した自民党の小野寺政調会長は、次のように述べました。 小野寺政調会長
「この備蓄米を仕入れる時の価格は1万1000円から2000円で政府は備蓄米を買い上げております。ですが、今回落札が実は2万2000円以上ということ。私個人から見ると、国がもうけてどうするんだと」
これまで競争入札で放出されてきた備蓄米。高い値段をつけた業者が落札するため、価格引き下げ効果は限定的でした。
そのため、備蓄米は一定価格で放出すべきだとしたうえで「原則1年以内の買い戻し」条件も緩和を求める方針を明らかにしました。
■コシヒカリ5キロ3500円 埼玉の商店で発見
となればやはり、国内のコメで解決しなくてはなりません。一体、コメの価格はいくらが適正なのでしょうか?街の人は…。 30代 「5キロ3000円代だったら買っちゃう」 50代 「4000円切っていればいいが、今は難しいので」
「備蓄米「国がもうけてどうすんだ」と自民党政調会長 5キロ3000円台で探してみたら」との見出しがあった。備蓄米放出で国が備蓄米買い入れ額よりも高値で放出したのなら、由々しき事態だ。国民が米価高騰で苦しんでいる時に、政府が備蓄米放出で利益を確保していた、というのは本末転倒だ。なぜなら備蓄米は国民の税金で購入した「緊急用」の保存米だからだ。
■コシヒカリ5キロ3500円 埼玉の商店で発見
となればやはり、国内のコメで解決しなくてはなりません。一体、コメの価格はいくらが適正なのでしょうか?街の人は…。 30代 「5キロ3000円代だったら買っちゃう」 50代 「4000円切っていればいいが、今は難しいので」
そこで、番組は5キロ3000円台のコメがあるのか調査しました。 埼玉県有数の米どころ・行田市。コメ直売所などを訪ね、3000円台のコメを探しますが、なかなか見つかりません。
すると、ある店でコシヒカリ5キロ3500円で売られています。店内には確かに5キロ3500円の会津産コシヒカリが置かれていました。
70代 地元商店店主
「なるべく安く提供したいという考え。『カントリーエレベーター』から直に買って、秋の相場のままいただいているので、安くできている」 「カントリーエレベーター」とは、稲作農家が共同で利用する乾燥・貯蔵・調製・出荷を一貫して行う施設です。
60年にわたりコメを販売しているこの商店では、福島県の会津にある貯蔵施設から1年分を一括契約しています。
月に一度、自家用車でおよそ4時間かけて会津まで出向くことで運送費を削減。精米作業も自社で行うため、安くコメを販売できています。 地元商店店主 「本音は新規お断りがいいと思うが、ある程度、在庫あるので。(購入は)1回5キロにしてもらって、なくなったらまた来て下さいとやっている」
■「せっかくなので手間かける」土鍋に注目
コメが貴重品になりつつあるなか、意外なものが売れ行きを伸ばしています。いろんな種類の土鍋が売られています。ごはんも炊ける土鍋です。
■「せっかくなので手間かける」土鍋に注目
コメが貴重品になりつつあるなか、意外なものが売れ行きを伸ばしています。いろんな種類の土鍋が売られています。ごはんも炊ける土鍋です。
高橋総本店 陶器部 高橋太郎店長
「土鍋も種類によってはメーカーが切らしてる商品がある。普通の土鍋だと去年より3割ぐらいは増えている」 貴重なコメを食べるならなるべくおいしく食べたい…そんな思いから土鍋が今注目されているのです。 買い物客 「せっかくなので、これから手間をかけて。おいしい(ごはんを)作っていければと思う」>(以上「テレビ朝日」より引用)
「備蓄米「国がもうけてどうすんだ」と自民党政調会長 5キロ3000円台で探してみたら」との見出しがあった。備蓄米放出で国が備蓄米買い入れ額よりも高値で放出したのなら、由々しき事態だ。国民が米価高騰で苦しんでいる時に、政府が備蓄米放出で利益を確保していた、というのは本末転倒だ。なぜなら備蓄米は国民の税金で購入した「緊急用」の保存米だからだ。
米価高騰がなかなか収まらず、国民は高騰した米価に慣れ始めている。だから昨日昼の朝日テレビで放送で「適正な米価は」という政府御用達のような報道番組があった。そこで語られているのは現在の高騰した米価を基準にした「適正価格は」という愚にも付かない雑談を延々と繰り返していた。
断っておくが、日本国内の高騰した米価は日本国内でしか通用しない価格だ。国債市場の米価は1kg100円だ。日本に輸出されたカリフォルニア米の価格は5kg650円だ。それが店頭に並ぶと5kg3,500円になる。トランプ氏が顔を真っ赤にして「日本はコメに対しいて700%の関税を課している」と怒り狂うのも解る。
くだんのテレビ番組では5kg4,000円を切る程度が「適正価格」という線で纏まった。しかし、それは日本の常識かも知らないが、国際市場では非常識だ。そうした議論は日本国内だけで通用するが、世界の笑いものになるだけだ。
なぜ国際市場の米価も俎上に載せて議論しないのだろうか。「国際的な視野を持て」と何かにつけて御託を述べるマスメディアの連中こそが国内市場価格に限定した矮小化された米価と矮小化された農政を井戸端会議風に放映するとは。
なぜ農家の所得補償を政府が行い、国内に流通する農産品を国際市場価格に近付けようとしないのだろうか。そうしなければ、今後とも常に世界各国から「日本は農産物に関して市場開放していない」と批判され続けることになる。ことに米国から農産品の市場開放を何かにつけて持ち出され、日本は譲歩を重ねることになる。
政権には国民に最低限の生活を保障し、を飢えさせない義務がある。その最低限の義務を果たすために世界各国は農家所得補償制度か農産物への価格補助金制度のいずれかを採用している。ドイツやフランスなどは所得補償制度を採用し、米国は農産品への補助制度を採用している。だから安定した低廉な価格で農産品を国民に供給している。決して「大規模農業」で低廉な農産品価格を実現しているわけではない。そこを勘違いして、愚かなコメンテータが「稲作を大規模化して合理化すれば価格が引き下げられる」と発言したりする。日本の米作りは世界でも最も合理化さている。これ以上の機械化などあり得ない。しかも上流の小さな灌漑用水路を確保しなければ下流の大規模圃場の灌漑は出来ない。
かつては「青線」と云って国が管理していたが、いつの間にか地方自治体に移管し、予算措置まで削ってきた。だから中山間地の小規模灌漑用水路は減反政策の間に見捨てられ荒廃している。復活させるのはかなりの困難を伴う状態になっている。減反政策が始まり、農政が「ノー政」になって久しい。日本の農業は徹底して痛めつけられ、破壊されてきた。そこには国際基準を見据えた農業政策は皆無だった。そして日本国民は異常に高いコメを食わされ続けてきた。
米価高騰を語るのなら、農家の所得補償制度の導入を検討すべき、との議論がされて然るべきだ。農政を大転換しなければ日本の米価は国際比較では異常事態のままだ。それを是とするなら、自動車に対する米国の高関税も受け入れるしかない。自動車への高関税は駄目だ、というのなら日本国内米価を真剣に議論しなければならない。そして農政の大転換を議論しなければならない。
テレビで「米価はどれくらいが適正か」と現在の米価高騰を前提にしたバカバカしい議論に現を抜かすテレビ関係者は愚の骨頂だ。それは現在の農政を容認し是認した上での議論でしかない。それでは国際市場で笑いものになるだけだ。いったい、いつまで世界の笑いものを日本政府は演じるつもりなのだろうか。そして国民は異常な高値の米価にいつまで我慢するつもりだろうか。