クレムリンに引き籠るプーチン。
<ロシアとウクライナの直接交渉に出席するようプーチン大統領を説得しようとブラジルのルラ大統領が急きょモスクワを訪問しましたが、会談できなかったとみられます。
「プーチン大統領に出席説得しようとブラジル大統領がモスクワ急遽訪問も会えず」という。「プーチンは停戦協議に積極的」と報じていたマスメディア報道は何だったのだろうか。プーチンはクレムリンに籠って、「首脳同士の停戦協議にイスタンブールに行くべき」と説得しに急遽モスクワ訪問したブラジル大統領との面会を拒否した。
ブラジルのルラ大統領は14日、中国で習近平国家主席と会談後、プーチン大統領にイスタンブールに行ってゼレンスキー大統領と交渉するよう説得するつもりだと述べました。
ロシアメディアによりますと、ルラ大統領の専用機は午後2時ごろ、モスクワの空港に着陸しました。
しかし、プーチン大統領は午後2時から5時すぎまでマレーシアのアンワル首相と会談中で、ルラ大統領の専用機は午後6時前にはモスクワを離陸しました。
国営ロシア通信は、モスクワのブラジル大使館の話として、ルラ大統領はプーチン大統領と会談したかったと報じています。
ロシアの独立系メディアは「ルラ大統領は説得に失敗したようだ」と報じています>(以上「テレビ朝日」より引用)
「プーチン大統領に出席説得しようとブラジル大統領がモスクワ急遽訪問も会えず」という。「プーチンは停戦協議に積極的」と報じていたマスメディア報道は何だったのだろうか。プーチンはクレムリンに籠って、「首脳同士の停戦協議にイスタンブールに行くべき」と説得しに急遽モスクワ訪問したブラジル大統領との面会を拒否した。
実はプーチンに停戦する気はない。いかにウクライナ戦線が劣勢であろうと、国際的に孤立していようと、停戦するよりはマシだと判断している。ただ国際世論に対して残忍な侵略者だと思われるのを嫌い、「オレは平和を愛している」というポーズだけは取りたい。それだけのことだ。
去る5月9日はロシアでは第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利したことを祝う記念日だった。今年は80年の節目に当たり、モスクワの赤の広場で開かれた記念の式典には中国の習近平国家主席をはじめ、南米ブラジルのルーラ大統領などあわせて20か国以上の首脳が出席した。式典ではプーチン大統領が演説し「真実と正義はわれわれの側にある。国、社会、国民全体が『特別軍事作戦』の参加者を支持している。彼らの勇気と決意、それに常にわれわれに勝利をもたらしてきた彼らの強さを誇りに思う」と述べ、ウクライナ侵攻に参加する兵士たちをたたえるとともに侵攻を正当化した。
また、第2次世界大戦で「軍国主義日本」を敗北させたとして日本にも言及したうえで「連合国の兵士や勇敢な中国の人たちなどのわれわれの共通の戦いへの貢献を高く評価する」と述べ、中国との歴史的な連携を強調した。しかし当時のソ連は「日ソ不可侵条約」を一方的に破棄して、日本領に攻め込んだ、という不名誉な「真実」には一切言及していない。それはウクライナ侵略に関しても全く同じで、1994年にウクライナ、ロシア、米国、英国の四ヶ国が「ウクライナが核兵器を放棄し、安全保障と経済援助」を合意し約束したが、ロシアは一方的に前述の四ヶ国ブダペスト・メモランダムを破棄してウクライナへ侵攻した。
また、第2次世界大戦で「軍国主義日本」を敗北させたとして日本にも言及したうえで「連合国の兵士や勇敢な中国の人たちなどのわれわれの共通の戦いへの貢献を高く評価する」と述べ、中国との歴史的な連携を強調した。しかし当時のソ連は「日ソ不可侵条約」を一方的に破棄して、日本領に攻め込んだ、という不名誉な「真実」には一切言及していない。それはウクライナ侵略に関しても全く同じで、1994年にウクライナ、ロシア、米国、英国の四ヶ国が「ウクライナが核兵器を放棄し、安全保障と経済援助」を合意し約束したが、ロシアは一方的に前述の四ヶ国ブダペスト・メモランダムを破棄してウクライナへ侵攻した。
ロシアは全く信用できない国だ。ゼレンスキー氏がホワイトハウスで米国の支援が限定的なのを詰って言い争ったのも頷ける。なぜなら米国はブダペスト・メモランダムを裏書きした当事者だからだ。
米国と英国にはロシアをウクライナ領内から撤退させる責任がある。そのためにブダペスト・メモランダム会議に列席したのではないか。だからトランプ氏が骨を折ってイスタンブールに停戦協議の首脳会談の機会を設けた。だが、乗り気だったプーチンは「行かない」と云い、クレムリンに引き籠った。これほど卑怯な国家元首がいるだろうか。
どうやらトランプ氏も匙を投げたようだ。プーチンに肩入れして、ウクライナのレアアース掘削利権を奪い取ったものの、プーチンが停戦協議の場に就かなければ何も始まらない。トランプ氏がプーチンがいかなる人物と想像していたのか、彼の見当違いだったと云うことだろう。トランプ氏が考えているような独裁者ではなかった、と云うことだけは確かだろう。
これでプーチンはロシア滅亡までクレムリンに居座ることになった。ロシア国内はギシギシと軋み、カザフスタンはシベリアとモスクワは自分たちの領土だ、と主張し始めた。もちろんチェチェンも独立派が息を吹き返して風雲急を告げている。そしてロシア経済は破綻寸前で、ロシア国民に反プーチン感情が蔓延している。ウクライナのドローン600機が襲来して、ロシア領内を広範に攻撃したという。今後とも、ウクライナは雲霞の如くドローン兵器でロシア領内の兵隊基地などを攻撃するだろう。確実にロシアへのボディーブロウ打撃は効果を上げている。ますますプーチンはクレムリンに籠るしかないようだ。