カリフォルニア米5kg650円の衝撃。
<実際に流通することになるのは、カリフォルニア産中粒種である。ここで中粒種を断定できるのは、カリフォルニアでの短粒種栽培面積や、生産コストそして流通価格などから総合的に考えると、日本への主食用無税枠を利用して輸入されるのは、中粒種になってしまう。
カリフォルニアでの短粒種生産は、その作りにくさや面積当たりの収量が低いこと、そして精米歩留まりが悪いことなどから、白米の生産費が高く、実際現在のロスアンゼルスやニューヨークでは、日本のスーパーで販売されている白米より、高い価格で販売されているブランドもある。
「カリフォルニア米の衝撃、5キロで650円ーーTPP合意で日本のコメは変わるか?」との見出しに驚いた。田牧一郎( 田牧ファームズ代表)氏の寄稿だが、余りの安値に「本当なのか」とネットを調べた。
カリフォルニアでの短粒種生産は、その作りにくさや面積当たりの収量が低いこと、そして精米歩留まりが悪いことなどから、白米の生産費が高く、実際現在のロスアンゼルスやニューヨークでは、日本のスーパーで販売されている白米より、高い価格で販売されているブランドもある。
5キロ、650円と想定されるカリフォルニア米
それに対し中粒種は栽培しやすく、安定して高い収穫量を得ることができるため、その白米の生産コストも短粒種(コシヒカリ)の60%~70%程度の額になる。
この中粒種をカリフォルニアの精米工場で日本向けに包装して出荷すると、5キロの袋で550円程度の価格で出荷される。ここから日本までの運賃や通関費用が5キロで約50円、日本に陸揚げされた段階で合計600円/5キロのコメになる。これに輸入商社の経費と利益、日本国内の販売業者の経費と利益を、いくらで計算するかで、消費者への販売価格が決まる。ここでも仮に50円/5キロとすれば、650円/5キロとなり1キロあたり130円のコメになる。
日本のスーパーで販売される低価格米と比較しても650円/5キロは、安いコメになる。しかし、品質と味の違いがそこまであり、その差をどのように考えるかが消費者の選択にゆだねられることになる。中粒種の産地であるカリフォルニアの大都市でのコメの販売は、その価格と味によってすみわけが行われており、日本にもこのすみわけは起こりえると予測できる。
キロ当たり130円の中粒種は、日本の消費者も食べてみたくなるはずで、品質の良くない国産米よりも美味しく感じるかもしれない。この低価格中粒種が、国内で主食として消費される量(筆者推定600万トン)の1%の量とはいえ、日本のコメ価格に影響を及ぼさないはずがない。現状よりさらに低いコストで生産をして、精米・流通コストも低く抑えながら、消費者に買ってもらう努力が、コメの生産から販売までかかわる業界に強く求められる>(以上「Wedge」より引用)
それに対し中粒種は栽培しやすく、安定して高い収穫量を得ることができるため、その白米の生産コストも短粒種(コシヒカリ)の60%~70%程度の額になる。
この中粒種をカリフォルニアの精米工場で日本向けに包装して出荷すると、5キロの袋で550円程度の価格で出荷される。ここから日本までの運賃や通関費用が5キロで約50円、日本に陸揚げされた段階で合計600円/5キロのコメになる。これに輸入商社の経費と利益、日本国内の販売業者の経費と利益を、いくらで計算するかで、消費者への販売価格が決まる。ここでも仮に50円/5キロとすれば、650円/5キロとなり1キロあたり130円のコメになる。
日本のスーパーで販売される低価格米と比較しても650円/5キロは、安いコメになる。しかし、品質と味の違いがそこまであり、その差をどのように考えるかが消費者の選択にゆだねられることになる。中粒種の産地であるカリフォルニアの大都市でのコメの販売は、その価格と味によってすみわけが行われており、日本にもこのすみわけは起こりえると予測できる。
キロ当たり130円の中粒種は、日本の消費者も食べてみたくなるはずで、品質の良くない国産米よりも美味しく感じるかもしれない。この低価格中粒種が、国内で主食として消費される量(筆者推定600万トン)の1%の量とはいえ、日本のコメ価格に影響を及ぼさないはずがない。現状よりさらに低いコストで生産をして、精米・流通コストも低く抑えながら、消費者に買ってもらう努力が、コメの生産から販売までかかわる業界に強く求められる>(以上「Wedge」より引用)
「カリフォルニア米の衝撃、5キロで650円ーーTPP合意で日本のコメは変わるか?」との見出しに驚いた。田牧一郎( 田牧ファームズ代表)氏の寄稿だが、余りの安値に「本当なのか」とネットを調べた。
FNNオンラインでは「「日本は700%の関税課している」ホワイトハウス報道官が日本のコメ関税を批判 撤廃ならカリフォルニア産カルローズ米5kgが1295円に…農家に深刻打撃か」との見出しの記事には「もしも日本がアメリカ産のコメに掛けている関税がなくなれば、アメリカのコメはどのくらい安くなるのだろうか。
例えば、5kgで3000円のカリフォルニア産のカルローズ米の場合、1705円の関税がかかっている。つまり関税がなければ、計算上は3000円から1705円を引いた、1295円で売られることになるはずだ」とある。 Wedgeの記事ではカリフォルニア米は5kgで650円だが、FNNでは5kgを1295円だと報じている。その差は約2倍だが、どっちが正しいのだろうか。
現在、外国産のコメ輸入が急増しているという。やはり恐れていたことが起きている。私は昨夏の米価急騰について「それは日本の米生産者と消費者を乖離させて、その間隙に外国米(主としてカリフォルニア米)を輸入しようとする政府の魂胆ではないか」と推測した。まさに、その通りの事態が起きているのだ。
日本の農水省及びJAは日本の食糧安全保障を完全に放棄したようだ。まさに日本国民を裏切った売国行為と云うしかない。その売国行為を見透かされないように農水相は繰り返し「米価高騰はコメ不足ではない」と回答していたのだ。
しかし実態は減反政策とそれに続く転作奨励策により、日本の米生産量は確実に減少し、ついには「コメ不足」を招いてしまった。それにより消費者米価が高騰し、高騰した国内産米に見切りを付けた消費者が外国産米を受け容れる雰囲気が醸成された頃に外米(特にカリフォルニア米)を大量に輸入して、日本の食糧に関する「保護貿易批判」を緩和して、日本製自動車輸出に対する批判を躱す魂胆があったのではないか。同時に高関税を課していればカリフォルニア米を輸入すれば国は膨大な「関税収入」を手にすることが出来る。つまり、それだけ高いコめを日本国民は買わされていることになる。では、一体幾らほど日本国民は高いカリフォルニア米を躱されているのだろうか。
一昨日トランプ氏が対日関税24%と発表した時に「カリフォルニア米に対する関税は700%だ」と日本を批判した。それに対して農水省は「いや400%だ」とコメントした。
国内スーパーなどの店頭で販売するカリフォルニア米の価格が5kgで3,000円ほどだから、やはり日本に入って来るカリフォルニア米の価格は5kg650円が正しいことになる。日本国民は関税がなければ5kgで650円のカリフォルニア米を食べられることになる。しかし、そうすると日本国内産米は価格競争力を失い、日本の米作農家は壊滅的な打撃を受けることになる。
米価形成に至る経過など何もかも隠したまま、国民と何ら合意形成もしないで、農政を進めて来た弊害が顕著だ。そして今回の米価高騰と「コメ不足」は現行農政の行き詰まりを現しているのではないか。
根本的に日本の農業・米作について政治家がガバナンスを握らなければならない。2009年当時の民主党マニフェストには「農業所得補償制度」を掲げていた。それは日本の農政をフランス型の農政に転換する、という意思表明だった。つまり農業は公共事業のようなもので、日本国内で確保しなければ「有事」の際に日本国民が飢えることになりかねない。それこそ何発のトマホークがあろうと、日本国民の命を守ることは出来ない。食糧安全保障が軍事安全保障よりも優先されるべき根拠がここにある。しかし自民党政権とその補完勢力は日本の食糧安全保障体制を根本から崩してきた。今回の米価高騰を機に、日本国民は食糧安全保障に関して真剣に考え直すべきではないか。