ウクライナ戦争に見る「実戦で有効な兵器」とは。

無人機対処で機関砲が復活
 2025年2月24日で、ロシアがウクライナへ侵攻してから3年が経過しました。この戦い(以下ウクライナ戦争)で価値を実証した兵器は、当然のことながら他国からの引き合いや、自国での開発が加速した「勝ち組」になっています。今回はそのような「勝ち組」兵器をいくつか紹介しましょう。

「ミサイルの時代でしょ」から一転 スカイレンジャー30
 地対空ミサイルの普及が進むにつれて、ミサイルに比べれば攻撃可能な距離が短く、命中精度も低い対空機関砲は、対空攻撃手段の主役の座を地対空ミサイルに譲り、補助的な攻撃手段と見なされていました。
 ウクライナ戦争では、両陣営ともUAS(無人航空機システム)や、より小型の民生品ドローンを有効な攻撃手段として活用しています。UASやドローンは戦闘機などの有人航空機に比べて低空を低速で飛行することが多く、わざわざミサイルを使用しなくても機関砲で迎撃できます。
 UASやドローンは有人航空機に比べて安価で、製造にも有人航空機ほどの時間を必要としません。このため大量生産と戦場への投入が容易です。誘導能力を備えたミサイルは機関砲弾よりも命中精度は高いのですが、高性能であるが故に価格も高く、また製造に時間もかかります。このためUASやドローンの迎撃に使用するのは費用対効果が低く、大量に投入された場合、迎撃に使用するミサイルが尽きてしまうという事態も起こり得ます。
 機関砲弾はミサイルに比べれば安価ですし、大量生産もできますので、UASやドローンの迎撃手段として適しています。ドイツからウクライナに供与された「ゲパルト」対空戦車のような時代遅れと見なされていた兵器も、UASやドローンの迎撃で重宝されています。
 このような対空機関砲再評価の流れの中で、最大の「勝ち組」となったのが、ドイツのラインメタルが開発した「スカイレンジャー30」システムでしょう。スカイレンジャー30はサーブ「ビゲン」戦闘機などに搭載されていた30mm機関砲と、「スティンガー」などの短距離地対空ミサイルを組み合わせたシステムで、軽量なため装輪装甲車への搭載も可能になっています。
 戦場の新たなる脅威となったUASやドローンの迎撃に有効と考えられているスカイレンジャー30はウクライナ侵攻後、ドイツ、オーストリア、デンマーク、オランダから正式に受注を獲得しており、イタリアやアメリカでも導入が有力視されています。

「正規戦では役立たず」を覆したトルコ製無人機 バイラクタルTB2
 前にも述べたように、この戦争ではUASとドローンの有用性が実証されています。ロシアのウクライナ侵攻前、UASは対テロ戦のような、攻撃する側とされる側に能力差がある「非対称戦」では有効な兵器と見なされていましたが、両陣営が戦闘機や地対空ミサイルなどを保有する国家対国家の「正規戦」では、それほど役には立たないと考えられていました。
 そこで、ウクライナが戦争の序盤に偵察や攻撃に活用し、UASが条件次第では正規戦でも役に立つと実証した「バイラクタルTB2」も、勝ち組兵器の一つと言えるでしょう。
 バイラクタルTB2は、2014(平成26)年から2022年2月までの間に、開発国のトルコやウクライナなど11か国に採用されていましたが、ロシアとの戦いで有用性が実証された2022年2月以降の2年間でさらに16か国から正式に採用を獲得。日本を含めた多くの国で導入が検討されています。

新規生産&ミサイル迎撃能力が強みの「最強戦車」 レオパルト2&トロフィー自己防御システム
 膠着した戦線を突破する兵器として、戦車が依然として有用な存在であることも、この戦争では実証されています。ウクライナ軍はアメリカから供与されたM1エイブラムス、イギリスから供与されたチェレンジャー2も運用しています。ただ両戦車の新規生産は行われていません。
 このため、ドイツなどからウクライナに供与され有用性が実証されたレオパルト2の最新型レオパルト2A8に注目が集まっています。2025年2月の時点で、ロシアの脅威と対峙しているドイツ、ノルウェー、オランダ、チェコ、リトアニア、クロアチア、スウェーデンから引き合いが殺到。スペインなど他のヨーロッパ諸国でも発注が検討されています。
 レオパルト2A8には、イスラエルが開発した自己防御システム「トロフィー」が搭載されています。これは、レーダーでドローンや対戦車ミサイルの接近を感知すると、コンピュータが接近してくる物体の方向量を計算して、自動的に迎撃体を発射するものです。
 戦車がドローンや対戦車ミサイルなどに対して脆弱であることも、ウクライナ戦争では実証されてしまいましたが、にもかかわらずレオパルト2A8に引き合いが殺到している理由の一つは、イスラエルが実戦で有用性を実証したトロフィーを装備している点にあるのかもしれません>(以上「乗り物ニュース」より引用)




 ウクライナ戦争では数々の新型兵器が登場した。それらの特徴は「小型、低価格、携行」だということで、従来の観念を大きく変えるものだった。たとえば対戦車ミサイル・ジャベリンは代表的な新型兵器ではないだろうか。もちろん子供の玩具のようなドローンが必殺兵器として登場したのもウクライナ戦争が初めてだった。
 竹内 修(軍事ジャーナリスト)氏が「うちの国も入れないとヤバ…! ウクライナ戦3年 世界の目の色が変わった「勝ち組兵器」3選」と題するウクライナ戦争で登場した兵器を総括している。

 竹内氏が取り上げたのは時代遅れと思われていた機関砲だ。本来は爆撃機などに対する対空防衛用の兵器だが、現代戦では役に立たないと思われていた。しかし攻撃ドローンに対して有効だと判ったという。安価な殺人兵器ドローンを対空ミサイルで撃ち落としていては高額につく。そこで機関砲を使用したら案外結果が良かったという。
 しかし日本では既に対ドローン用にレーザー砲が開発されている。さらにメガ粒子砲も実用段階まで後一歩の段階に達している。それらの兵器はもちろん迎撃用で、専守防衛を憲法で謳っている日本にとって渇望していた日本用の兵器だ。

 次に竹内氏が着目したのがドイツの「スカイレンジャー30」システムだ。小型で戦闘機にも戦車にも搭載できる防空システムで、ドローン攻撃にも対応できるという。このような新たなる脅威となったUASやドローンの迎撃に有効な携行できる防空システムは今後の戦争では必要不可欠な防衛兵器ではないだろうか。
 日本でも開発して、レーザー砲やメガ粒子砲と連動させれば、防空性能が格段に向上するだろう。

 竹内氏が再評価した兵器としてUAS(無人航空機システム)を上げている。その代表例がトルコのバイラクタルTB2だ。ドローンと比べると大型でレーダーに捕捉され易いが、長時間・長距離飛行出来て多彩な兵器も搭載可能だ。ウクライナに雪崩れ込んだロシア戦車の多くがバイラクタルTB2の餌食になっている。
 バイラクタルTB2は無線操縦だが航空システムを備えているため電波妨害にあいにくい。しかも映像が送信されるためテレビゲーム感覚で攻撃できる。今後手が加えられて益々兵器として磨かれるだろう。

 地上戦では戦車が相変わらず有効な兵器として活躍しているが、各種ミサイル攻撃に対して脆弱さを露呈している。そこで注目されているのがドイツ製のレオパルト2A8だ。レオパルト2A8には「イスラエルが開発した自己防御システム「トロフィー」が搭載されています。これは、レーダーでドローンや対戦車ミサイルの接近を感知すると、コンピュータが接近してくる物体の方向量を計算して、自動的に迎撃体を発射するものです」という。
 地上戦では最終的に兵士が地域を制圧する必要がある。その兵士の損耗を防ぎ効果的に地域を制圧するためには戦車で前線を突破して敵陣地を破壊する必要がある。そうした役目にうってつけの戦車がレオパルト2A8だと評価されている。

 最後に日本が開発して実用段階に達しているレールガンについて言及しておきたい。ミサイル防衛に有効だと期待されているレールガンの実戦配備段階ではイージス艦などのレーダーシステムと連動させて、敵ミサイルの軌道と計測をコンピュータ処理して、レールガンを発射するようにすればミサイル迎撃兵器として有効ではないだろうか。まさに防衛兵器として核ミサイルを無効化するタイムエポック兵器になり得るものだ。
 口で何度言っても達成できない核兵器廃絶も、核ミサイルを無力化できる兵器が配備されれば核兵器を保有している意味がなくなり、金食い虫の核兵器を核保有国も廃棄するだろう。核兵器の廃絶は人道的な呼びかけではなく、核ミサイルの無効化こそが切り札になる。そうした意味で、日本こそ防衛兵器開発に全力を注ぐべきではないだろうか。

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