私立大学の公立化を安易に許可してはならない。

定員割れのFラン私立大学が一瞬にして、人気の公立大学に変わる――そんな「魔法」の裏側では、国民が必死に納めた税金が浪費されていた。

文科省が気づかれたくない3000億円
 大学を監督すべき立場の文部科学省は、この問題に積極的に取り組むどころか、むしろ私大の公立化を歓迎しているという。文科省の関係者が内情を明かす。
「文部科学省にとって、Fラン大学を含む私立大学は貴重な天下り先の一つであるため、潰れてほしくありません。かといって救済しようと自ら動けば、私大に年間で計3000億円も交付している『私立大学等経常費補助金』に注目が集まり、国民からの批判が巻き起こるリスクが大きい。

 昨年9月に東大が授業料の値上げを発表した際も、SNSでは『国立大学を値上げするのではなく、Fラン大学への補助金をカットすべきだ!』という声が上がりました。もし国が率先して経営難に苦しむFラン大学を救えば、文科省にはバッシングが殺到するでしょう。
 定員割れしたFラン大学に潰れてほしくはないけれど、かといって国が表立って助けると批判される―そう考えている文科省にとって、地元の自治体が大学の面倒を見てくれる公立化は、まさに渡りに船なわけです」

天下りのせいでめちゃくちゃに
 最近では中央官庁だけでなく、地元の自治体から公立化された大学に、職員やOBが「出向」したり、天下ったりするケースも増えてきた。しかし大学経営の知見がない人間が関わることで、かえってガバナンスが崩壊することもある。
 その一例が、2017年に公立化された長野大学(長野県上田市)だ。長年にわたって同大学を取材している、ジャーナリストの田中圭太郎氏が解説する。
「長野大学では2022年4月に、学内の情報システムの導入をめぐって問題が起こりました。本来ならば競争入札を実施して受注先の業者を決めるはずが、市から出向している幹部が主導して、懇意にしていると見られる業者に開発を随意発注したのです。それだけでも大問題なのですが、そうやって導入されたシステムが正常に作動せず、学生が履修登録できないトラブルまで発生してしまいました」
 36協定に違反した長時間労働などで労働基準監督署から何度も是正勧告を受けるなど、コンプライアンス違反はほかにも発生している。田中氏によれば、「公立化が実現し、上田市からの出向職員が大学に入ってきた途端、こういった不祥事が続発するようになった」という。
「2022年10月に実施された学長選では、候補者が出そろった後に選考のルールが変更され、市関係者を中心とした理事会が推す小林淳一氏が選ばれました。しかも意向投票の直前には、大学上層部の不正などを指摘した教授たちが次々と処分を受けています。まさに地元の地方自治体によって、公立大学が「私物化」されているのです」

公金で「救済」された大学の末路
 文科省OBによる天下りも、地元の自治体が公立大学に関与するのも、正しい手続きを踏まえている限り違法とは言えない。しかし公的な教育に携わっている公立大学が、一部の官庁や地方自治体の利益だけに左右されるような事態は、決してあってはならないだろう。
 ましてやその公立大学はかつて、経営努力を怠って定員割れしていたところ、公金で「救済」された元私立大学なのだ。
 このまま少子化が進めば、次第に救済することすらままならなくなっていくだろう。教育ジャーナリストの西田浩史氏が予想する。
「これまでは公立大学の人気が上振れしていたため、地方の私大でも公立化さえできれば、定員を充足できたわけです。しかし少子化が深刻化して学生の奪い合いが激化していけば、『公立大学』という下駄も通用しなくなるはず。そのうち『税金を使って公立化しても、相変わらずFラン大学のままだった』というケースが出てきても、決して不思議ではありません」
 公立化された元Fラン大学の地元住民の中には、こういった実態に気づいていない人も多いだろう。自らが支払った血税がかくも無為無策に使われていると知れば、真面目に働いて納税する気も失せるに違いない>(以上「現代ビジネス」より引用)




 「文科省と地元自治体の「おいしい天下り先」になっている…Fラン大学「公立化」の暗い側面」と題する記事があった。御多分に漏れず、地方の私学の多くは青息吐息の経営状態だ。
 そこで地元自治体に泣きついて「公立化」を図るのが流行りだ。全国各地の私立大学が公立化しているという。それらはご多分に漏れず偏差値の低いいわゆる「Fラン」と呼ばれる大学だ。公立化すれば入学希望者がワンサカとあつまり偏差値も上がる、と説明するのが地方自治体の決まり文句だ。

 地域に大学が必要だ、というのは分からないではない。しかし全国の都道府県には国立大学(現在では独立行政法人化されているが)が設置されている。なにも私学を設立しなければなら必然性はない。国民の高等教育の機会を増やす機関として私立大学を設立しなければないほど大学が不足しているのか、と云うとそうでもない。むしろ定員割れして、留学生(主として中国人)が新入生の9割に達している大学があるほどだ。
 それらの大学を公立化して国及び地方自治体の予算を注ぎ込んで維持する必要があるのだろうか。また公立化した地方自治体の子供たちが占める割合の低い大学に地方自治体が予算を投入する正当性があるのだろうか。

 むしろ地方自治体は公立大学に支出する予算を地方自治体の出身子弟が他都道府県であろうと大学進学する際に「給付型奨学金」として支出する方が地域にとって有効ではないだろうか。
 一方、公立化することで入試受験者数は私学当時とは比較にならないほど飛躍的に増加するという。しかし、それでFラン大学から脱却できるかと云うと疑問が残る。入試受験者は爆増するが、合格者が必ずしも入学しないため、じっさいに新学年がスタートする段階ではFランの新入生ばかりになるという。

 今後子供が減少する環境の中で、私立大学の生き残り策、あるいは破産が確定した私立大学を地方自治体に押し付けて救済する公立化が流行りになるだろう。そうして国は私学助成金3,000億円を支出し続け、地方自治体までも公立化した大学に巨額予算を投じて中国人留学生を大量に受け入れる、というのは如何なものだろうか。
 日本政府は日本国民の子弟のために予算を使うべきであり、私立大学の公立化に対して厳しくすべきではないか。周南市では公立化するのにお座なりの説明会を数回開いただけで、僅か数年にして公立化してしまった。市から助成しないと云っていたのは大嘘で、初年度で9億円、次年度ても6億8千万円、三年度でも3億円も市から予算を投じている。市のOBが天下っているのか市議会で質疑されたことは寡聞して知らない。私立大学の公立化を安易に許可してはならない。

 

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