米国社会は公正さを取り戻せるのか。
<バイデン氏は、銃の不法購入及び所持で有罪評決を受け、税務不正で罪を認めた次男ハンター・バイデン氏の恩赦や減刑は行わないと明言してきたにもかかわらず、同氏に恩赦を与えたことが波紋を呼んでいる。バイデン氏はなぜ恩赦することを決め、恩赦は米メディアや米国民にどのように受け止められ、トランプ氏による恩赦にどのような影響を与えるのかまとめてみた。
ココがポイント
「「アメリカは世界で最も腐敗している場所だ」マスク氏 バイデン氏が次男ハンターを恩赦」とは、日本では到底考えられないことだ。そのことを飯塚真紀子(在米ジャーナリスト)氏が鋭く突いている。
ココがポイント
バイデン大統領は声明で、「私の息子であるという理由だけで標的にされた」と指摘し、議会などによる政治的圧力で不当な起訴を受けたと恩赦の理由を説明しています。
(バイデンは)トランプを嘘つきと呼んでいた。まさに偽善だ!(中略)アメリカは世界で最も腐敗している場所だ。
有力紙のニューヨーク・タイムズは「この恩赦によって、民主党は、トランプ氏が友人などを許すために恩赦の権限を多用した場合に批判することが難しくなる」と指摘しました。
トランプ次期大統領は自身のソーシャルメディアに、今回の恩赦の対象に21年1月6日に起きた連邦議会襲撃事件で投獄された人たちも含まれているのかと皮肉ったうえで、「司法の乱用、誤りだ!」と投稿した。
(バイデンは)トランプを嘘つきと呼んでいた。まさに偽善だ!(中略)アメリカは世界で最も腐敗している場所だ。
有力紙のニューヨーク・タイムズは「この恩赦によって、民主党は、トランプ氏が友人などを許すために恩赦の権限を多用した場合に批判することが難しくなる」と指摘しました。
トランプ次期大統領は自身のソーシャルメディアに、今回の恩赦の対象に21年1月6日に起きた連邦議会襲撃事件で投獄された人たちも含まれているのかと皮肉ったうえで、「司法の乱用、誤りだ!」と投稿した。
エキスパートの補足・見解
バイデン氏は息子のハンター氏が有罪判決を受けた後、恩赦を与えることを否定し「司法手続きを尊重し続ける」と明言していただけに、SNSでは、バイデン氏を偽善者と批判する声があがっている。ニューヨーク・タイムズも「バイデン氏が結果を受け入れず、手続きも尊重しないことを明確にした」と述べている。また、ポリティコは「ワシントンに対する悪意あるいたずらのように見える」とバイデン氏のトランプ次期政権への反撃とみている。
恩赦のタイミングも絶妙だと指摘されている。トランプ氏が同氏に忠実なカシュ・パテル氏をFBI長官に指名すると発表した翌日に恩赦したからだ。トランプ氏は司法省とFBIを使って政敵に対する報復を行う計画を進めているとも言われているので、バイデン氏はトランプ次期政権から息子がさらなる訴追を受ける前に、恩赦という一手に出たのかもしれない。
また、トランプ氏自身も義理の息子の父親や有罪となっていた多くの元側近に恩赦を与えていたことから、バイデン氏はトランプ氏が作った前例に続いたのだとの見方もある。実際、SNSでは、トランプ氏も法を超えたことをしているのだから、バイデン氏の恩赦はフェアなことだと同氏を擁護する声もあがっている。
しかし、結果的に、バイデン氏が恩赦したことで、トランプ氏の方も恩赦しやすくなったと思われる。実際、トランプ氏はバイデン氏が恩赦したことについて「今回の恩赦の対象に、2021年1月6日に起きた連邦議会襲撃事件で投獄された人たちも含まれているのか」と皮肉っている。トランプ氏は連邦議会襲撃事件で投獄された人たちの多くを恩赦すると約束しているが、それが批判された場合、バイデン氏による恩赦を引き合いに出して、恩赦を正当化することだろう。
国のトップによる特権を利用した不当と捉えられる“恩赦合戦”。国民のロールモデルになるべきトップがこれだと、米国民の政府への不信感は高まり、米国民の間にも“アンフェアにはアンフェアを”という考え方が浸透していくのではないか? フェアネスを重視してきたアメリカの民主主義は衰退の一途を辿っているようだ>(以上「REUTERS」より引用)
恩赦のタイミングも絶妙だと指摘されている。トランプ氏が同氏に忠実なカシュ・パテル氏をFBI長官に指名すると発表した翌日に恩赦したからだ。トランプ氏は司法省とFBIを使って政敵に対する報復を行う計画を進めているとも言われているので、バイデン氏はトランプ次期政権から息子がさらなる訴追を受ける前に、恩赦という一手に出たのかもしれない。
また、トランプ氏自身も義理の息子の父親や有罪となっていた多くの元側近に恩赦を与えていたことから、バイデン氏はトランプ氏が作った前例に続いたのだとの見方もある。実際、SNSでは、トランプ氏も法を超えたことをしているのだから、バイデン氏の恩赦はフェアなことだと同氏を擁護する声もあがっている。
しかし、結果的に、バイデン氏が恩赦したことで、トランプ氏の方も恩赦しやすくなったと思われる。実際、トランプ氏はバイデン氏が恩赦したことについて「今回の恩赦の対象に、2021年1月6日に起きた連邦議会襲撃事件で投獄された人たちも含まれているのか」と皮肉っている。トランプ氏は連邦議会襲撃事件で投獄された人たちの多くを恩赦すると約束しているが、それが批判された場合、バイデン氏による恩赦を引き合いに出して、恩赦を正当化することだろう。
国のトップによる特権を利用した不当と捉えられる“恩赦合戦”。国民のロールモデルになるべきトップがこれだと、米国民の政府への不信感は高まり、米国民の間にも“アンフェアにはアンフェアを”という考え方が浸透していくのではないか? フェアネスを重視してきたアメリカの民主主義は衰退の一途を辿っているようだ>(以上「REUTERS」より引用)
「「アメリカは世界で最も腐敗している場所だ」マスク氏 バイデン氏が次男ハンターを恩赦」とは、日本では到底考えられないことだ。そのことを飯塚真紀子(在米ジャーナリスト)氏が鋭く突いている。
米国では司法の腐敗ぶりが著しい。それは2020大統領選でトランプ氏が違法行為をした、あるいはその嫌疑があるとして、次々と10以上もの裁判に起訴されたことで驚いた。しかも、起訴された内容を見るといずれも首を傾げざるを得ないものばかりだった。
ことに時効をとっくに過ぎた27年前のAV女優婦女暴行事件で起訴されたことに驚愕した。米国の刑法はどうなっているのかと疑ったものだ。さらに2020大統領選挙そのものでも、怪しさ満載だった。監視人がいなくなった後も開票を続けてバイデンジャンプが起きたり、投票率が100%と登録した選挙人を超える事態が起きても「選挙は有効」だとするなど、滅茶苦茶な印象しかなかった。
そしてトドの詰まりが任期を終えようとしている大統領が自分の息子を「恩赦」するなど、日本では到底考えられない。家族愛といえばそれまでだが、米国には「お手盛り」という言葉はないのだろうか。辞書を引くとself-approved planとある。よって米国人もお手盛りとはいかなる行為かを認識している。それなら身内に甘くする行為は「恥ずべき」とする観念が薄いのだろうか。
記事では「トランプ氏はバイデン氏が恩赦したことについて「今回の恩赦の対象に、2021年1月6日に起きた連邦議会襲撃事件で投獄された人たちも含まれているのか」と皮肉っている。トランプ氏は連邦議会襲撃事件で投獄された人たちの多くを恩赦すると約束しているが、それが批判された場合、バイデン氏による恩赦を引き合いに出して、恩赦を正当化することだろう」と指摘している。
米国社会がキリスト教的な規範を失ってご都合主義へと傾斜していくのは決して良い傾向ではない。国内のご都合主義が国際社会でも発揮されたなら、武力による国境線の変更も容認されることにもなりかねない。それこそ19戦記以前の帝国主義国と植民地の暗黒時代へ逆戻りすることになる。人類は進歩しているのか、それとも野蛮なまま21世紀を過ごすのだろうか。