任意のマイナンバーカードに国の発行が義務付けられている健康保険証を紐づけろ、という。この本末転倒な行政は何だろうか。

<現行の健康保険証は2日、新規発行が停止され、マイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」を基本とする体制に移行した。ただ既存の保険証も有効期限内なら2025年12月1日まで利用可能。使えなくなっても、マイナ保険証を持っていない人全員に「資格確認書」が新たに交付され、これまで通り医療を受けられる。

 政府は22年10月、健康保険証を24年秋に廃止し、マイナ保険証に一本化すると表明した。マイナカードの普及促進が主な狙いだった。
 その後、他人情報をひも付けるミスなどカードをめぐるトラブルが相次いで判明するも、23年6月に改正関連法が成立した。
 政府はマイナ保険証について、患者の同意があれば、過去の診療情報などを医師が確認できるなどとして「より良い医療が受けられる」と説明してきた。しかし、医療機関の窓口で使われた割合は今年10月で15・67%にとどまる。トラブルが国民の不信につながっているとみられる。
 マイナ保険証の利用登録をしたものの解除する人も出ており、厚生労働省によると11月8日時点で792件に上る>(以上「夕刊フジ」より引用)





 いよいよ「新規発行停止「健康保険証」マイナが基本も〝利用低迷〟10月時点15%台、相次いだトラブルに不信感 登録解除する人も」という事態を迎えた。
地方公共団体情報システム機構の「マイナンバーカード総合サイト」を開くと、Q&Aがある。それは以下の通りだ。
Q:マイナンバーカードは必ず申請しなければいけませんか?
A:申請は義務ではありませんが、マイナンバーカードは、各種手続きにおけるマイナンバーの確認及び対面かつオンラインでの本人確認の手段として用いられるほか、健康保険証としての利用や、電子証明書を使用したコンビニ交付サービスを利用できるなど、国民生活の利便性の向上に資するものですので、できるだけ多くの皆様に申請いただきたいと考えています。

 つまり国民が取得しようが取得しまいが任意のカードに健康保険証を紐付けするものとして、12月1日から健康保険証の新規発行をしないという。これは矛盾していないだろうか。
 健康保険証は国民全員加入が義務付けられている。そのため政府は国民全員に健康保険証を発行する義務がある。そうでなければ社会保障が意味をなさなくなる。

 しかしカードを作るのが任意とされているマイナンバーカードに政府が必ず発行しなければならない健康保険証をマイナンバーカードに紐付けて「マイナ保険証」として運用するという。つまり国民が申請するのは任意のマイナンバーカードに国が発行を義務付けられている保険証を国民が紐づけろ、紙の保険証は12月1日をもって発行しない、と宣言した。
 実に乱暴な行政ではないか。そしてマイナンバーカードに保険証の紐付けを行っているのが地方公共団体情報システム機構であって、そこには2025年度末までに全国1741地方自治体が使うシステムの一部を標準準拠システムに移行させる「自治体システム標準化」として、 政府は移行にかかる費用として、総額約7000億円を補助するという。

 自由の国・米国ですら「個人の自由を侵害する」としてマイナンバーカードはない。だが日本では躍起になってマイナンバーカードを「義務付けようと」躍起になっている。そのために「地方公共団体情報システム機構」という役所を新規に作り、7000億円もの予算を投じるという。マイナンバーカードの作成に国民負担は「無料」だというが、写真を撮ったり本人確認に役場へ行ったりと、決して「無料」ではない。
 なぜ現行ある「紙の保険証」発行を停止してまで、マイナンバーカードに紐付けしなければならないのだろうか。「紙の保険証」が悪用される、あるいは「紙の保険証ではカルテやレセプト情報がわからないというのなら、なぜ「保険証」を紙からICチップのカードにして「医療カード」として国民全員に発行しないのだろうか。さらに、運転免許証までマイナンバーカードに紐付けるというが、運転免許証はあくまでも道路交通法に基づく運転免許証であって、マイナンバーカードに紐付けるようなものではない。運転時に所持が義務付けられている運転免許証が「任意所持」のマイナンバーカードに紐付けられることも本末転倒だ。

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