日米の既存マスメディアの単一性を危惧する。

<11月後半にテレビのワイドショー番組などで連日詳報されてきた、兵庫県の斎藤元彦知事に関するニュースが、29日は全国放送のワイドショーでは報じられなかった。

 17日投開票の兵庫県知事選で斎藤氏が再選を果たして以降は、トップニュースなどで報じられ、今週に入ってからは公職選挙法問題が報じられてきた。
 29日は朝のテレビ朝日「モーニングショー」、フジテレビ「めざまし8」、昼のTBS「ひるおび」、テレビ朝日「ワイド!スクランブル」、午後の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」、TBS系「ゴゴスマ」でも取り扱わなかった。
 28日にキャスターの辛坊治郎氏はYouTubeチャンネル「辛坊の旅」で、「きょうあたりのワイドショー見てると、さすがに斎藤さん、少なくなりましたね」と語っていた。
 27日に斎藤知事の代理人弁護士が会見し、公選法問題に関して、斎藤氏側がPR会社に依頼したのはポスター制作などで約71万円。それ以外の契約はなく、選挙戦は社長がボランティアとして参加。社長が「広報全般」「SNS戦略」を担ったとのSNS記載は「事実でないことを記載している。盛っていると認識」と語った。
 辛坊氏は、「弁護士が、あのPR会社の社長のSNSは要するに盛ったってことですねと。みんな妙にそれで納得したところがあって、盛ったんだなと。話そっちのほうに行っちゃって、マスコミおもしろくなくなったのか、一気に収束感が出てきて」と指摘していた>(以上「デイリースポーツ」より引用)




斎藤知事疑惑報道 全国ワイドショーから一気に消える」とは当たり前ではないか。斎藤知事に明らかな公職選挙法違反がないにも拘わらず、連日大騒ぎした方がどうかしている。
 それにしても既存マスメディアは恐ろしい。一斉に各局が同じトーンで斎藤氏を「罪人」に仕立てていた。SNSでは斎藤氏「罪人」説と、斎藤氏「無罪」説とが入交り、丁々発止の論戦を繰り広げていた。そうした面を見るだけでも既存マスメディアとSNSと、どちらが正常かお判りではないか。

 それは日本だけではない。米国でも主要マスメディアは反トランプでスクラムを組んでいた。いやマスメディアだけではない。SNSもマスク氏のXを除いて、反トランプだった。そうした情報統制下、米国主要マスメディアはハリス優勢を報道し続けていた。
 主要マスメディアに属さないポリティコや米国の賭けサイト「ポリマーケット」で、共和党候補のトランプ前大統領の勝利予想が優勢となっている。5日午後3時(日本時間)時点では、トランプ氏の勝利予想が58%になっていた。しかし現実はトランプ氏のほとんど圧勝という結果だった。

 米国からはるかに遠い日本で暮らす者が見ても、本人には悪いがハリス氏は米国大統領が務まる人物には思えなかった。大口を開けて大笑いするだけで、後は「ワード・サラダ」で論戦を誤魔化す人物が外交で世界を相手に論戦を戦わせることなど出来そうになかった。
 米国の国益を考えるなら、多少の野卑に目を瞑ってでもトランプ氏のタフ・ネゴシエーターの方が安心感がある。自由主義陣営の盟主たる米国の大統領が国際舞台の場で大口を開けて大笑いするだけの人物では困る。いかに優秀なスタッフをそろえようとも、プロンプターが壊れたら「あと32日、」と壊れたレコードのように繰り返すようでは心許ない。

 日本の主要マスメディアの場合はもっと悲惨だ。なぜなら斎藤知事を貶めようと、異口同音に根拠のない「70万円以外に支払っていたら」とか「選挙を取り仕切っていたら」といった想定した問答を繰り返して斎藤知事は公職選挙法違反だと世論を誘導した。
 しかし彼らの主張の根拠としたのはPR会社社長のSNSのnoteだけだった。なぜPR会社社長が自社のPRのために話を盛っているのではないか、斎藤氏勝利に果たした自身の活躍を誇大表現しているのではないか、と疑問を持たなかったのだろうか。社長はPR会社の社長ではないか。自社をもPRする、と考えるのが常識的ではないだろうか。

 さすがに米国は潔い。トランプ勝利の後は米国主要マスメディアは反トランプ報道の矛を収めた。しかし日本のマスメディアは未だに「大統領選で分断された米国社会をトランプ氏はどのように修復するのだろうか」と頓珍漢な論評を展開している。
 米国社会を分断し混乱させたのは民主党の(左派のプロ)活動家たちだった、という事実関係すら解らない連中が日本の(自称)ジャーナリストたちだ。民主党が政権を握った州がどうなっているか、カリフォルニア州やニューヨーク州を見れば明らかではないか。米国社会を分断し混乱させれば、国際的に優位に立つ「国」が左派のプロ活動家を支援している、という側面を見なければならない。

 テレビに登場してPR会社社長のnoteを見た「感想」を根拠に斎藤知事を公職選挙法違反濃厚と発言していたヤメ検の弁護士には呆れる。そして彼を登場させた各局テレビ局の見識も問われなければならない。日米既存マスメディアの単一性は社会の劣化を反映しているのではないか。ネットに登場する市民の声の方が正鵠を得ている場合の方が多くなった。プロを自称するジャーナリスト諸氏の奮起を促す。

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