政治家諸氏がしっかりしていないから、国民が貧困化してしまい、国家が衰退してしまった。

<いわゆる「103万円の壁」の引き上げを掲げる国民民主党は28日午後、国会に法案を単独で提出します。
 概要がFNNの取材でわかりました。 
 法案は、所得税に関し政府が講じるべき法的措置などを定めたもので、基礎控除などの合計を「178万円に引き上げる」と金額を明記しています。 
 また“もう1つの103万円の壁”となっている学生の子どもを持つ親への減税の仕組み「特定扶養控除」も「上限額を引き上げる」としています。 
 一方、地方の税収が減ることへの懸念を念頭に「地方公共団体の財政状況に悪影響を及ぼすことのないようにする」とも定めています>(以上「FNN」より引用)




「103万円の壁」国民民主提出の法案概要判明…178万円への引き上げ明記し「地方の財政に悪影響及ぼさないよう」とも定める」との見出しだが、当然といえば極めて当然だ。なぜなら103万円の壁を撤廃すれば、それだけ「減税=減収」になる、と財務省が総務省を脅し、総務省が各道府県知事を脅したのだろう。
 しかし反対に減税の経済効果が出ることも、財務省は他省庁にレクチャーしなければ公正とは云えない。減税は税収減だけをもたらすのではなく、減税により手取りの増えた世帯の消費を促す効果がある。それが日本経済にとってプラスに働くのは間違いない。その経済効果についても、財務省は公表すべきだ。

 しかし103万円の壁を取り払うだけの減税では経済的効果も極めて限定的だ。それは現在納税していない貧困世帯にとって全く関係ないからだ。よって国民党が公約した「手取りを増やす」という内容に合致しているとは言い難い。
 貧困世帯などすべての国民に減税効果を及ぼす政策を考えるなら、消費税廃止が最も効果的ではないか。なぜなら貧困世帯でも食料を買っているわけで、消費に8%の消費税を合わせて支払っているからだ。つまり消費者物価8%の上昇を解消する効果をもたらす。それは食料品だけでなく、電化ガス水道といった生活必需消費のすべての効果を及ぼす。

 かつて昭和の時代まで、日本には消費税は存在してなかった。平成元年に3%として登場して、橋本、安倍政権下で増税されて日本の税制三本柱の一つにまで育て上げられた。ほかの日本柱、所得税と法人税は景気動向によって税収が左右される。しかし消費税は景気動向に関係なく「安定財源」として財務省は景気を気にしなくてもなくなった。
 財務省が景気を気にしなくてもなくなると、政治家までも景気を気にしなくなった。ただ投資家が気にしてるだけで、一般国民がデフレ経済で苦しんでいようが平気の平左でやって来たのが「失われた30年」だ。

 消費税を廃止して、高度経済成長期の税制に戻したなら、財務省は景気が気になり、財務省が「景気を良くしろ」と政治家をせっつき、政治家は景気を良くするように経済政策の推進に努力する。消費税のない時代に、日本国債の発行残は現在よりも遥かに少なかった。それは景気を良くする経済政策を政治家にレクチャーして、税収増に財務省が励んだからだ。
 消費税を廃止すれば「地方消費税」も消えるから、再び「地方税収を確保しろ」と知事連中が騒ぐのだろうか。まるで子供のような連中だ。税収の大半を国が奪って、それを交付金で地方に交付することで中央集権体制を維持している国家体制を、知事連中は理解してないのだろうか。地方自治体が税収減になれば、当然国が交付金を増やして手当てする、というのが国のあり方だ。高度経済成長期にできていたことが、現在は出来ない、という理屈はあり得ない。政治家諸氏がしっかりしていないから、国民が貧困化してしまい、国家が衰退してしまったのだ。

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