健康寿命を延ばすには正確な知識こそ必要だ。

減塩生活で低ナトリウム血症に
 ある70代の男性が、「何か深刻な病気ではないか」と、クリニックを受診しました。近ごろ、疲れがとれない、吐き気がする、食欲がわかないといった症状を感じるようになったというのです。
 その男性は、両親が高血圧で脳卒中になったため、自分はなりたくないと減塩を心がけ、血圧を上げないようにしてきました。刺身につけるしょう油はほんのちょっとだけ、野菜サラダもレモンを絞るだけでドレッシングはなし。食品を買うときには必ず表示を見て塩分量をチェックしてきたと言います。
 しかし、この徹底した減塩が今回の不調の原因となった可能性があります。体に必要な塩分が不足すると、「低ナトリウム血症」を起こしやすいのです。低ナトリウム血症は、だるさ、嘔吐、食欲不振のほか、重症になると筋肉のけいれんや意識障害を起こし、早急な対応が必要になり、決してあなどることはできません。

血圧にとって塩分はワルモノ
 多くの医者が「塩分を控えましょう」と言うのは、血圧を上げないためです。私たちの体には、血液中の塩分濃度を一定に保つ働きがあるので、塩辛いものを食べるとのどが渇き、水分をとって、血液中の塩分濃度を薄めようとします。その結果、水によって増えた血液を押し出すために血圧が上がる。というわけで、塩分は血圧を上げるワルモノにされてしまっているのです。
 厚労省は、塩分の一日当たりの目標量を、成人男性の場合7.5g未満、成人女性6.5g未満と設定しています(「日本人の食事摂取基準2020年版」)。しかも、高血圧の人や慢性腎臓病の人は、重症化を防ぐために、男女ともに一日当たりの目標量6.0g未満とするべきとしています。
 しかし、塩分というのは体にとって不可欠なもの。体液と電解質のバランスを調節し、血圧を健康な状態に保ち、筋肉や神経細胞の信号を伝達するなど非常に重要な働きをしています。私たちは塩分がないと生きていけません。そのため、腎臓には尿中のナトリウムをもう一度体内に戻し、ナトリウムを排泄しないようにするしくみがあります。これをナトリウム貯留能と言います。

なぜ60歳をすぎたら減塩NGなのか
 若い人の腎臓は、ナトリウム貯留能がうまく働いているので、ナトリウム濃度は一定に保たれています。一方、高齢者の腎臓は加齢とともに働きが衰えてくるので、ナトリウム貯留能が低下し、尿から必要なナトリウムが出ていってしまう可能性があります。その結果、低ナトリウム血症を起こしやすくなるのです。
 ここ数年、梅雨入り前から注意喚起されている熱中症も、同じメカニズムです。夏の暑い日、汗とともにナトリウムが排出され、一度に大量の水を飲むため、体内のナトリウム濃度が薄くなり、低ナトリウム血症と同じ症状を起こします。だから、熱中症対策として、塩分を含んだスポーツドリンクや、塩分が含まれる飴やタブレットなどを水と一緒にとることが推奨されています。
 これまで「塩分は控えましょう」と言っていた医者が、このときばかりは「塩分をとって熱中症を防ぎましょう」と言い、いったいどっちなんだ、と戸惑った方もいるのではないでしょうか。私は、年齢を重ねるとともにナトリウム貯留能が低下することを考えて、60歳をすぎたら減塩をやめたほうがいいと思います。

食塩摂取量で死亡率が大きく変わる
 高齢になれば、ほとんどの人が濃い味つけを好むようになります。その理由は、老化によって味覚が鈍くなるということのほかに、体の適応現象であると考えられます。腎臓のナトリウム貯留能の低下によって、ナトリウムが不足しやすくなっており、脳が濃い味を求めさせると考えられます。
 さらに、動脈硬化が進んでいるから、濃い味を求めているということもあります。動脈硬化が進んだ血管で、酸素やブドウ糖を体中に届けるためには、血圧を高めにして血流を維持する必要があるからです。塩辛いものを体が欲し、血圧を上げているとも考えられます。そうしたなかで、無理な減塩をすることは、体の声に反し、正常な機能を保てなくなる可能性を高めていることにもなるのです。
 尿から排出されたナトリウムと死亡率との関係を解析したカナダのマックマスター大学の17ヵ国10万人に及ぶ研究では、尿中のナトリウムが一日4~6gの人の死亡率が最も低いことがわかりました(図)。これは、食塩に換算すると一日10~15gに相当します。食塩は多すぎる害よりも、少なすぎるほうが体に悪く、食塩摂取量が10gより低くなればなるほど急カーブで死亡率が上がります。


 とするとしたら、味気ないと感じている減塩生活なら、無理して続ける必要はありません。味のしっかりしたものを食べたいのなら、我慢しなくていいのです>(以上「現代ビジネス」より引用)




 またしても和田 秀樹(精神科医)氏が「「減塩生活」は60歳で卒業しないとマズい。食塩が少ないほど寿命が縮まると心得よ」と題する評論を発表した。高齢者は町の医院で常々「減塩せよ」と脅迫されている。さもなくば高血圧症で脳溢血で倒れるゾ、と脅迫されている。
 しかし和田氏は「減塩生活は60歳まで」という。その根拠は評論中に掲載されている「尿中ナトリウムと死亡リスク」を見れば一目瞭然だ。尿中一日4g~6gのナトリウムが最も死亡リスクが少なくなっている。

 健康基準が変化しているものの例として「血圧」が挙げられる。かつて収縮期血圧(最大血圧)は「90+年齢」とされていた。それは年を取るに従って血管の弾力性が失われるため、血圧が高くなるからだ。しかし現在では高血圧の基準は、診察室で測定した最大血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上とされている。一方、自宅で測定した血圧の場合は、診察室よりも低い135mmHg以上または85mmHg以上(135/85mmHg以上)が高血圧とされている。ただし、余りに低く設定したとの反省からか、今年の四月から特定検診において髙血圧で医療機関受診をすすめる基準値が変わった。 ただ高血圧と判定する数値が変更になったわけではないが、治療すべき基準値が140/90mmHg から 160/100mmHg になったが、国民の多くは知らされていない。現在も血圧を下げるとされるお茶の宣伝文句は「血圧が130を超えたら高血圧」と云っている。

 基準値を下げればそれを超える「患者」が増えて、その治療薬が大量に処方される。厚労省が定める基準値は必ずしも知見にのみ拠っているわけではない。製薬会社の働きかけで「健康基準」が決められている、と云っても良い場合が多々見られる。
 一日塩分摂取量も、概ねそうした傾向がある。なぜなら巨躯の者も小柄な者も同一量というのがそもそもおかしい。血中塩分濃度を考えるなら、巨体の持ち主の方が多くの塩分を必要とする、と考えられるだろう。正確を期すなら「基準体重当たり塩分摂取量」と表現すべきだろう。つまり一日当たり塩分摂取量とはそれほど「いい加減」だと云える。

 もう一度、引用論評のグラフを見て頂きたい。そうすると一日当たり4.0gを下回った場合の死亡リスクが急激に高まっている。塩分の取り過ぎも死亡リスクを高めるが、一日当たり4.0gを下回った場合の死亡リスクの方が「より高い」ことに注意すべきではないだろうか。
 和田氏が「味気ないと感じている減塩生活なら、無理して続ける必要はありません。味のしっかりしたものを食べたいのなら、我慢しなくていいのです」と結んでいるように、塩分摂取量を気にして過少になるよりも、当たり前の食生活を送る方が健康的だということを知っておいて損はないだろう。

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