加藤氏の「所得倍増」論は、言葉だけに終わった岸田氏の「所得倍増計画」と何処が異なるのか。

<自民党の加藤元官房長官は総裁選挙に立候補するにあたって記者会見し、国民の所得倍増を最も重要な政策と位置づけ、強い覚悟を持って取り組む決意を示しました。
 加藤元官房長官は10日午前、国会内で記者会見しました。
 この中で加藤氏は「最優先で推し進めたいことは国民の所得倍増だ。これ以上に重要な政策はない。待ったなしで強い覚悟で取り組み、国民の豊かな生活を実現し、短期間で必ず成果を出す」と述べました。
 その上で、政治とカネの問題を受けて党改革や政治資金改革を断行するとして、それぞれの議員に対し説明責任を果たすよう働きかけを徹底するとともに、党として収支報告書への不記載額に相当する金額を、国庫に返納する手続きを検討する考えを明らかにしました。
 さらに党から議員に支給される「政策活動費」の1年ごとの上限など改正政治資金規正法で検討事項となっている課題について、1年以内に法制化する方針を示しました。
 一方、社会保障をめぐっては、厚生労働大臣を3回務めた経験に触れ「制度が持続可能なのかという懸念の声を聞く。必要な人に必要なサービスが提供される仕組みと、能力に応じて負担し支え合う仕組みを構築していく」と述べました。
 その上で、急激な出生数の低下は社会の持続性を揺るがすとして給食費、こどもの医療費、出産費用の負担をなくす「3つのゼロ」を目指すと明言しました。
 また、北朝鮮による拉致問題について「すべての拉致被害者の即時帰国に向け、日朝首脳会談の早期実現に努力していく」と強調しました。
 さらに、憲法改正については、党の改正実現本部の事務総長として論点整理などに取り組んだとした上で、自衛隊と緊急事態条項を明記する改正の実現に意欲を示しました。
 「選択的夫婦別姓」については「家族同姓制度は維持しつつ、まずは法的・社会的な不都合について解決するため、旧姓については通称使用にとどまらず法律上の姓として使用を認める『旧姓続称制度』もあり得ると考えている」と述べました。
 また、小泉進次郎氏が主張する解雇規制の見直しについて考えを問われると、「日本の現在の市場は転職して給与が上がる実態にはなっておらず、認めるのはまだ早い」と述べ、慎重な姿勢を示しました。

「できるだけ早く選挙を行うことが必要」
 加藤氏は国会内で記者団から衆議院の解散時期について考えを問われたのに対し、「まずは総裁選挙を通じて、どこまで自民党が信頼を取り戻せるかをしっかり見極める必要がある。衆議院議員の任期は1年余りあるので、その中で適切な時期に解散することになるが、新しく政権がスタートするので、できるだけ早く国民の信任を受ける選挙を行うことが必要だ」と述べました。
 会見後、加藤氏は党所属議員の事務所にあいさつ回りを行いました。
 このうち桜田元オリンピック・パラリンピック担当大臣の事務所では、桜田氏から「加藤氏のように知識も経験もある方に頑張ってほしい」と激励を受け「これからが勝負です」と応じていました。
 また、稲田幹事長代理の事務所でも稲田氏から「頑張って下さい」と声をかけられていました。

会見前に明治神宮に参拝
 加藤氏は記者会見を前に明治神宮に参拝し、総裁選挙での必勝を祈願しました。
 このあと加藤氏は記者団に対し「総裁選挙に立候補できることにお礼を申し上げた。全国の皆さんに私がどんな思いか、今後をどう変えようとしているのかしっかり伝えていきたい」と述べました。

加藤氏のこれまで
加藤勝信氏は衆議院岡山5区選出の当選7回で、68歳。旧茂木派出身です。
 東京大学を卒業したあと旧大蔵省に入り、義理の父親の加藤六月・元農林水産大臣の秘書などを経て、2003年の衆議院選挙で初当選しました。
 六月氏が、安倍元総理大臣の父親、晋太郎氏の盟友だったこともあり、安倍氏とは旧知の仲で、安倍内閣では2012年に官房副長官に起用されたほか、2015年に一億総活躍担当大臣として初入閣しました。
 その後も、党の総務会長などを歴任し、2020年に発足した菅内閣では官房長官として支えました。
 厚生労働行政をはじめ、幅広い分野の政策に明るいことでも知られ、これまでに3回厚生労働大臣を務め、新型コロナ対応の陣頭指揮もとりました。
 現在は、党の拉致問題対策本部長や衆議院予算委員会の筆頭理事を務めています。
 総裁選挙には初めての挑戦になりますが、2018年に党の総務会長に就任した際には「常に高みを見据えながら進みたい」と述べ、将来的に総理大臣を目指したいという考えを示していました。
 今回の総裁選挙では、岸田総理大臣が立候補しないことを表明したあと「具体的に動いていきたい」と立候補に意欲を示し、親交のある議員らに推薦人の確保に向けた働きかけを続けてきました。

「自撮り」で情報発信 グルメな一面も
 官房長官を務めていた際、まっすぐな髪質の特徴からネット上で『タワシ』というあだ名が付けられていることを知っているかと記者会見で質問され、表情を崩しながら「しっかり磨くための道具なのでみずから磨いていきたい」と切り返す一幕がありました。
 視察先などでスマートフォンを使って「自撮り」した動画をSNSに投稿するなど、情報発信に力を入れています。
 4人の娘の父親で、子どもから教えてもらった人気のラーメン店やハンバーガーショップの行列に並ぶなど、グルメな一面もあります。
 プロボクシングの発展を目指す党の議員連盟の会長を務めていて、試合を観戦したり、プロボクサーと面会してパンチを受ける体験をしたりして振興を図っています>(以上「NHK」より引用)



 「加藤氏 会見で公約を説明「最優先は国民の所得倍増」」と総裁選に臨むにあたって、加藤勝信氏は公約として「所得倍増」を掲げた。
 だが「所得倍増」をいかなる手法で成し遂げるのか、その道筋を明らかにしていない。それでは単に「絵に描いた餅」でしかない。そして加藤氏は「できるだけ早く選挙を行うことが必要」と選挙を急いでいる。なぜだろうか。

 本来なら衆議院議員の任期はまだ一年も残っている。来年は参議院の改選期だから、衆参同時選挙にした方が選挙費用が安くつく。それ以上に加藤氏の「所得倍増」の中身が多少なりとも政策として現れて、国民が加藤氏の政策評価が出来るようになって国民に信を問うべきではないか。
 何も解らない内に総選挙を行うのは筋が通らない。それとも早急に選挙を行わなければならない「お家の事情」でもあるのだろうか。パー券キックバック政治家諸氏の処遇に関しては、国税庁を督励して税務調査を断行すべき、と尻を叩けば済む話だ。

 パー券キックバックが野放しになっていること自体がオカシイと国民は懐疑的になっている。国民が税務申告で百万円単位の金を脱税しただけでも、税務署職員が立ち入り調査するのは日常茶飯事だ。しかし国会議員で与党の真っただ中の政治家諸氏に関しては数千万円単位の脱税に関して、脱税が指摘されてからも一向に税務調査が実施された気配すらないのは訝しいというより、国税庁とそれを所管する財務省の明確な意図を感じる。
 つまり「脱税を見逃してやるからPB黒字化目標を2025年度に達成せよ」というバーター取引があるのではないか、という疑惑だ。あるいは「ザイム真理教」に悖る発言をしたら「解っているナ」と脅しているのかも知れない。

 加藤氏が本気で「所得倍増」を実現する気なら、まずは地方交付金と公共事業の増額をする積極財政を組んでデフレギャップを埋め、同時に個人可処分所得を実質的に増やす「消費税廃止」や「トリガー条項発令」を実施しなければならない。
 そして企業に「生産性向上のための投資」と「労働賃金を上げる」ための政策として、法人税本税の税率を引き上げる必要がある。さもなくば、法人税20%を支払ってでも内部留保を積み増す方が企業経営にとって有利だ、と判断していかに補助金を出そうと内部留保が積み増されるだけだ。日本は統制経済国家ではないから、政府命令で企業投資や労働分配率の引き上げなど出来はしない。ましてや最低賃金を引き上げればそれで了、とするのは韓国の例を見ても分かるように却って中小・零細企業を潰すだけだ。

 加藤氏が「所得倍増」を打ち出したのは歓迎する。しかし政策の中身を見ないと、それが現実的な話なのか、単に彼の願望なのか分からない。それを見極めるまで、安易に解散すべきではないし、彼の政治手腕を見た上で国民は判断したいはずだ。

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