ミットモナイ中国の「一つの中国」論。
<中国の王毅外相は21日、台湾の頼清徳新総統を「恥ずべき」存在と批判した。中国は、頼氏を「分離主義者」と見なし対話を拒否している。
中国外務省によると、王氏はカザフスタンで開催された上海協力機構外相会議で、台湾は中国にとって「核心的問題の核心」と表明。台湾独立を目指す動きは台湾海峡の平和にとり最も破壊的な要因とし、新総統らの「国家と祖先を裏切る醜い行為は恥ずべきものだ」と述べた。
中国外務省によると、王氏はカザフスタンで開催された上海協力機構外相会議で、台湾は中国にとって「核心的問題の核心」と表明。台湾独立を目指す動きは台湾海峡の平和にとり最も破壊的な要因とし、新総統らの「国家と祖先を裏切る醜い行為は恥ずべきものだ」と述べた。
中国が「統一」を達成し、台湾を「祖国に戻す」ことを止めることはできないとし、全ての台湾独立分離主義者は恥ずべき存在として歴史に残るとした>(以上「REUTERS」より引用)
「中国外相、台湾新総統を批判 「国家と祖先を裏切る」」という荒唐無稽な見出しが躍っていた。中国外相が台湾総統を「国家と祖国を裏切る」と批判するとは内政干渉以外の何ものでもない。
「中国外相、台湾新総統を批判 「国家と祖先を裏切る」」という荒唐無稽な見出しが躍っていた。中国外相が台湾総統を「国家と祖国を裏切る」と批判するとは内政干渉以外の何ものでもない。
それとも既に中国は台湾を侵略して完全に台湾全土を占領し、台湾をウィグル「自治区」やモンゴル「自治区」と同様に「自治区」として支配しているだろうか。王毅氏が「国家と祖国を裏切る」と発言する根拠は何処にもない。
それでも「一つの中国」を他国に認めさせる、というのは百大言を武力を背景に容認させている、という理不尽な要求でしかない。それらを日本をはじめ先進自由主義諸国が容認したというのは「一つの世界」を国連が希求しているのと同じ理屈からではないか。
つまり「一つの世界」は世界は一つだから争うことはしない、という決意表明ではないか。中共政府が台湾を「一つの中国」だというのは、同じ中国人が多く暮らす台湾は「中国と一つ」だ、という象徴的な言葉の用い方だと認識して、先進自由主義諸国は容認したではないだろうか。「一つの中国」が「中共政府が台湾を占領して支配する」意味だと認識して容認したのではないだろう。
万が一にも「一つの中国」が中共政府が台湾を占領して支配することだ、と認識した上で容認したのなら、先進自由主義諸国は中共政府の中国が台湾を侵略することを容認したことになる。そんなバカなことは決してあり得ない。なぜならウクライナに軍事侵攻したロシアを先進自由主義諸国はロシアによる侵略だと批判して、対ロ経済制裁しているではないか。
いかなる国であろうと、軍事力による国境線の変更は認められない。それが先の大戦以後の国際社会の常識だ。中国だけが常識の埒外にあることはない。王毅外相はそうした国際社会の常識すら弁えていないのだろうか。
記事によると「中国の王毅外相は21日、台湾の頼清徳新総統を「恥ずべき」存在と批判した。中国は、頼氏を「分離主義者」と見なし対話を拒否している」という。中国経済は崩壊過程にあって、これから中国金融も膨大に不良債権により崩壊する。そうした危機的状況にあって、王毅氏は寝とぼけたような発言をしていてよいのだろうか。
外国からの対中投資の実に40%は台湾からの投資だ。台湾のTSMCが製造する半導体は中国にとって必要不可欠だ。そうした台湾頼りの経済関係にあることを王毅氏は知らないのだろうか。崩壊する経済を前にして、王毅氏は必ず頼清徳新総統と面会して、対中支援を要請せざるを得なくなる。そうした近い未来すら、王毅氏には見えないのだろうか。
王毅氏は「台湾独立を目指す動きは台湾海峡の平和にとり最も破壊的な要因」だと主張しているが、何とも滑稽としか言いようがない。一国の外相が独立国の要件を知らないのだろうかと。
独立国の要件は三つあって、行政権と徴税権と軍事総帥権だ。その三権とも台湾は有している。だから頼清徳氏が「台湾は独立する」と宣誓する必要はない。もとより、台湾は独立国家だからだ。中共政府の中国は台湾を「核心的利益」だとか、荒唐無稽な発言をして狂乱状態を演じるのではなく、侵略したチベットやウィグルやモンゴルを開放すべきだ。それこそが国際社会のあり様だと、王毅氏は知るべきではないだろうか。
<私事ながら>
この度、私の歴史小説「蒼穹の涯」を出版するためにCAMPFIREでクラウドファンディングをはじめました。「蒼穹の涯」は伊藤俊輔(後の伊藤博文)の誕生から明治四年までを史料を元にして描いたものです。既に電子版では公開していますが、是非とも紙媒体として残しておきたいと思います。皆様方のご協力をお願いします。ちなみに電子版の「蒼穹の涯」をお読みになりたい方はこちらをクリックして下さい。