「性別不合」を考える。

表紙が中身とかけ離れている
 本書は、ジャーナリストのアビゲイル・シュライアーが、トランスジェンダーになりたがっている少女とその親やトランス当事者のインフルエンサー、心理学者や精神科医などの医療従事者に取材した上で、ここ20年間の米国社会で起きている「トランスジェンダー問題」を批判的に論じていく内容となっている。
 トランスジェンダーとは「出生時の身体的性別と自身で認識する性(性自認)が一致していない人」を指す。日本では長い間、トランスジェンダーの中で医療施設に受診した際の診断名として「性同一性障害」(Gender Identity Disorder、GID)という用語が使われてきたが、「病気や障害ではなく医療を必要とする状態」と考えるような動きが広まり、世界的には現在使われていない。
 その代わりに、トランスジェンダーを精神医学的に取り扱う場合は「性別違和」(Gender Dysphoria)、世界保健機関(WHO)による国際的な疾病分類(International Classification of Diseases、ICD)では、「性別不合」(Gender Incongruence)の名称が使われる予定だ(日本では現在ICD-11への移行準備中のため、「性別不合」(性同一性障害)という表現が現状では一般的に使用されている)。

著者の主張は多岐にわたるため、今回は2つの論点に絞り、検証していきたい。
1.SNS(TikTok、Instagram、Tumblrなど)のトランスジェンダー・インフルエンサーなどの影響を受け、男性を自認する10代女性が急増している。これまでは性別違和に悩まされている人々はわずかで、ほぼ男性だったという研究があるため、現在起きている現象(感染)は一過性にすぎない。これらの少女を救うためには、健康を害する恐れのあるホルモン治療や手術ではなく、「スマートフォンやインターネットの制限」「田舎での生活」「親が権威を保つこと」などが重要。
2. 性別違和を抱える個人の性自認を肯定することを前提に治療を行なう(「ジェンダー肯定ケア」)が徹底されており、「思春期ブロッカー」(第二次性徴を遅らせるために科学的閉経を誘発させる薬)を安易に投与する実態がある。その影響で、少女が正常な骨密度の成長抑制と骨粗鬆症のリスク増大、性機能不全、脳の発達阻害などの健康上の危機にさらされてしまう。
 これらの内容を検証する前に、針間氏は「表紙が誤解を招く」と指摘する。
「表紙に描かれている女の子は、私の主観ですが4、5歳に見えて、お腹あたりに穴が空いている。これは女児の子宮、卵巣が取られているという解釈ができます。しかし、この本で問題にしているのは10代少女に思春期ブロッカーを使用することについてです。『親が子どもを保護する義務』をよりアピールするためかもしれませんが、事実と異なることを表紙にするのは、中身を読む前に誤った印象を与えてしまいます」(針間氏、以下同)
 海外の否定派からも「この表紙は少女を将来の母親として捉える保守的な本書の内容と対応している」との批判がある。

1年間の「ネット断ち」は一線を超えている
 まず1の内容から検証していきたい。「SNSの影響でトランスジェンダーが増えている」との指摘はどうなのだろうか。針間氏が解説する。
「欧米諸国でトランスジェンダーが増えていることは、専門家としては常識ですし、SNSの影響も否定しません。私がこの1~2年に経験した日本の事例ですが、YouTubeで人気の歌い手が、性別不合(性同一性障害)を公表したことにより、一時期その影響と見られる子が増えました。この例に限らず、インターネットやYouTubeがきっかけで、性別違和を感じるお子さんは多いと思います」
 一時的にトランスジェンダーに「感染」した少女を救うためには「ホルモン治療や手術ではなく、親が積極的に介入することが重要」との主張についてはどうだろうか。
「親の役割も重要なのは当然です。ただし、私が最も賛同できない点は『母親がネット環境のない馬牧場で1年間生活させたことで、少女はトランスジェンダー・アイデンティティから抜け出せた』と紹介されていますが、一線を超えています。うまくいったからいいとはいえ、かなり珍しい事例。現代のネット社会で、いきなり子どもからスマホを取り上げてコミュニティから引き離されることになれば、メンタル悪化は必然であり、最悪のケースもあり得ます」

「ジェンダー肯定ケア」の身体治療は慎重にするべきだ
 本書には、全米教育協会(NEA)が「子供の性自認を肯定しないと、取りかえしのつかない影響が出かねません。健全な人間関係を築き、それを維持する能力の発達が阻害される可能性があります」と警告を発しているとの記述がある。
 また、世界トランスジェンダー・ヘルス専門家協会(WPATH)は「保健医療専門家は性別違和を抱える個人に対し、性自認を肯定し、そのアイデンティティを表現するための別の選択肢を探し、性別違和を軽減するための医療的処置について決定することで助力できる」としている。
 これらの指針から、米国では医療従事者に対して、「ジェンダー肯定ケア」が推奨されている。
 その医療的処置は3つに分けられる。1つ目が精神科治療。2つ目は思春期ブロッカーやテストステロン製剤などのホルモン療法。3つ目が手術(女性から男性になろうとするケースでは、乳房切除術や子宮卵巣摘出術、陰茎形成術など)となる。
 そこで次に2の内容を検証したい。「ジェンダー肯定ケア」について、針間氏が見解を述べる。
「確かに個人の性自認の揺らぎなどの悩みは肯定し、受けとめなくてはいけないのは前提です。ただ、精神科医の立場から言えば、性別違和の背景には人間関係の悩みなど、いろいろな要因が関わっていることも多い。特に思春期における性自認は、学校や友人、家庭の悩みなどに影響を受けやすく、思春期前の子どもの性自認が変わりうるというのは、医学的なデータもあります。
 なので、本人の性自認を肯定しつつも、実際に何が原因で悩んでいて、どのようにして解消すればいいのかをまず考えるべき。性自認だけを根拠に、健康上のリスクの可能性も指摘されている思春期ブロッカーの投与をいきなり開始するのは拙速。この点に関しては著者に賛同できます」
 米国の連邦レベルでは「ジェンダー肯定ケア」が安全かつ効果的だとされている。しかし、「不適切な治療で性別移行に誘導された」などの理由で訴訟が頻発したことで州レベルでは、未成年者への薬物療法や手術を禁止する法律が成立している州も複数あるという。
 欧州では思春期ブロッカーの使用見直しの動きも起きている。イングランドの国民保健サービス(NHS)は今年3月、「効果や安全性を示す科学的な裏付けが不十分」とし、思春期ブロッカーの新規投与を停止した。
 スウェーデンでも2022年、政府が未成年者に関するガイドラインを発表し、薬物投与や手術について大幅に制限されることになった。その他にフィンランド、ノルウェー、デンマークなどでも「ジェンダー肯定ケア」の見直しの動きが始まっているという。
 針間氏の見解は、これらの欧米諸国との動きに沿うものだと言えるだろう>(以上「週刊現代」より引用)





“焚書”とさえ話題になった『トランスジェンダーになりたい少女たち』を性同一性障害治療の第一人者が解説」という問題を取り上げたい。世間には家族を分断し、子供を家族から奪う活動家が明らかに存在している。
 かつては「原理研究会」と称する統一教会が主として学生をオルグして、家族や社会から引きはがして洗脳した。現在では様々な社会に浸透したトランスジェンダー活動家たちが、二次性徴に悩む少女をオルグして、家族から引き離そうとしている。

 そうした運動はいつしか実を結び、ついにはバカな国会議員まで洗脳されてLGBTq推進法の制定にまで到ってしまった。書籍「トランスジェンダーになりたい少女たち」は当初角川書店から出版される予定だった。しかしLGBTq活動家たちが角川に押し掛けて抗議し、危うく「焚書」になりかけたが、産経新聞出版社が出版を引き受けて日の目を見ることが出来た。
 これほど自由な日本で出版の自由を奪う行為が罷り通るとは言語道断だ。そして愚かな抗議に屈して出版を取りやめた角川書店にはガッカリする。

 私はこのブログで何度も書いているが、男性が男らしく、女性が女らしく生きるのが、そんなに悪いことなのか。子供を出産するのは女性にしかできない「特権」だと云うことを理解できない少女のちょっとした悩みを針小棒大に拡大して、肉体を改造する手術を進めるバカな大人たちがいることにゾッとする。
 そして夫婦別姓でないと500年後には日本国民はすべて佐藤姓になるなどと愚かな「統計結果」を発表した東北大学教授にある種の意図を感じる。なぜなら今から500年前と云えば鎌倉時代だが、当時の苗字の一つに日本人の苗字が収斂されていない、という事実をどのように説明するのだろうか。それどころか、夫婦同姓の日本には10万もの苗字があるが、夫婦別姓の韓国には約280ほどの苗字しかなく、金姓が国民の約20%を占めている事実をどのように説明するのだろうか。

 さらについ最近、全国の大半の町村が50年後には消滅する、と愚かな予測を国は発表したが、日本の人口が3,000万人程度しかいなかった江戸時代に、現在の殆どの町村が存在していたことを彼らはどのように説明するのだろうか。
 1億2千万人の人口が半減したところで6,000万人で、江戸時代の平均人口の倍も日本に居住していることになる。何を心配する必要があるだろうか。彼らは日本の町村が消滅するから外国人移民を大量に受け入れよう、という趣旨の運動を展開する連中なのだろう。飛んでもない話だ。

 全国の町村が消滅する、と脅すのはコンパクトシティー構想を推し進めるための「前座噺」でしかない。平成の大合併で都市部に呑み込まれた町村こそ、消滅した町村ではないか。
 男性も女性も「性」の区別をなくして、トランスジェンダー活動家は日本をいかなる社会にしようと目論んでいるのだろうか。女装趣味のテレビタレントばかりになったら、彼らの理想とする社会だとでも云いたいのだろうか。

 トランスジェンダーなのか、それとも「第二次性徴(思春期)の憂鬱」なのか、見極める必要がある。その場合、トランスジェンダーを広めるインフルエンサーの影響下にある少女はインフルエンサーから引き離し、家庭の親の許で暮らす必要がある。
 「思春期の憂鬱」にある少女をトランスジェンダーだと規定して、ホルモンや外科的治療を施すのは危険だ。なぜなら彼女たちは「女性」としての人生を考えるには余りに経験が少なく若過ぎるからだ。

 社会は様々なインフルエンサーたちによって破壊されようとしている。或いはCO2地球温暖化インフルエンサーによって、一時的とはいえホンダはエンジン開発の停止を宣言した。一国の首相が「ゼロカーボン」を宣言しSDGs運動がいろんな企業に浸透するなど、CO2地球温暖化プロパガンダは広く浸透してしまった。
 そしてLGBTqも進歩的文化人を自称するインフルエンサーたちの活動により愚かな国会議員たちが洗脳され、LGBTq推進法が成立してしまった。日本は極めて危険な瀬戸際まで追い詰められている。そして遂に「同性婚の法制定」まで公然と求めるようになってしまった。憲法に定める「両性の合意による婚姻」を「両者の合意による婚姻」に改定したなら、摩訶不思議なカップルが陸続と誕生することになる。社会の混乱は益々助長されるだろう。

 そんな国に日本をしてはならない。日本は男が男らしく、女が女らしく生きられる普通の国でなければならない。



<私事ながら>
この度、歴史小説「蒼穹の涯」を出版するためにCAMPFIREでクラウドファンディングをはじめました。既に電子版では公開していますが、紙媒体としても残しておきたいと思いますので皆様のご協力をお願いします。ちなみに電子版の「蒼穹の涯」を読みたい方はこちらをクリックして下さい。

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