ブリンケン氏が訪中した真意は。

米・ブリンケン国務長官が王毅外相と会談 “対面外交の重要性”訴える 外相会談は5時間半に
 中国を訪れているアメリカのブリンケン国務長官は、北京で習近平国家主席と会談する前に、王毅政治局委員兼外相と会談し、不測の事態を回避するため、対面外交の重要性を訴えた。
 会談で王毅氏は「中米関係は全般的に安定に向かいつつある」と述べる一方で、「中国の核心的利益は常に脅かされている」「アメリカは中国の内政に干渉したり、主権や安全保障に関してレッドラインを越えてはならない」と牽制した。
 これに対してブリンケン長官は、「誤解を避けるために、意見の相違がある部分については、できる限り明確にする必要がある」と述べ、対話を維持し、協力を強化することの必要性を指摘した。
 外相会談は、5時間半にわたって行われた>(以上「フジテレビ」より引用)




 中国経済は崩壊しつつある。だが、たとえ中国経済が崩壊しても国際社会に与える影響は極めて限定的だ。なぜなら「元」はローカルカレンシーで、中国と深くコミットしている国は余りないからだ。
 むしろ中国が過剰投資した後進国の多くは中国経済の崩壊により安堵するのではないだろうか。なぜなら経済崩壊してハイパーインフレにより「元」が紙屑同然になるからだ。返済するのに、それほど困難を伴わないだろう。ただ中国は過剰投資する際には「元」で、返済する時には「ドル」で、と条件を付けているようだが、中国に返済するのに「元」で返済して何が悪いだろうかと突っ撥ねればそれまでだ。

 王毅氏は正気だろうか。ブリンケン氏に対して「「中国の核心的利益は常に脅かされている」「アメリカは中国の内政に干渉したり、主権や安全保障に関してレッドラインを越えてはならない」と牽制した」というが、他国の国土・領海という核心的利益を侵害しているのは中国であり、台湾の内政干渉をしているのは中国だ。
 外務大臣であれば中共政府が主張する「一つの中国」が見当違いの戯言だ、と云うことくらい常識で分かるはずだ。もちろん台湾は中国の領土ではない(なぜなら台湾から固定資産税等の税を徴していないからだ)し、台湾を行政下に置いていない。しかも台湾軍の指揮権を中共政府は有していないし、台湾の関税権を中共政府は支配していない。つまり台湾はいかなる要件に於いても、中国の支配下にない。

 引用記事には書かれていないが、ブリンケン氏は中共政府に「ロシアを支援するな」と警告に行ったのではないか。本当に記事に書かれているだけの用向きでわざわざ米国国務大臣が中国を訪れることなどない。既に何度も確認し合った事柄ばかりで、むしろ米国に縋りつきたいのは経済崩壊の過程にある中国の方だ。
 習近平氏をはじめ中共幹部の多くが隠匿した莫大な金融財産を預金しているのは米国の銀行だし、彼らの子弟の多くは米国に「留学」している。記事の字面では王毅氏が高圧的に発言しているようだが、それはあくまでも体面を保つための演技でしかない。これ以上の対中デカップリングに先進自由諸国が向かえば中国経済は確実にハードランディングする。

 不測の事態が起きないように、とブリンケン氏は述べたとあるが、既に中国政府に不測の事態を起こす余力などない。なぜなら不測の事態を起こすにはそれ相当の準備と資金が必要だからだ。準備とは軍隊の動員と兵器の集結だが、それもタダでは出来ない。既に兵隊たちにも遅配が生じていると云われるし、軍幹部の多くが逮捕拘束されている。こうした状況下で軍隊の動員など出来るだろうか。
 中共政府は親中派が巣食っているIMFに縋りつこうとしたが、IMFの資金力ではどうにもならない、という状況にあることをIMF幹部たちも認識したようだ。中国経済に関して相変わらず楽観的な数字をIMFは発表しているが、内実はデフォルト寸前だと云うことを知っているだろう。

 米国はウクライナ支援予算を可決し、ウクライナに最新兵器を供与することにしている。今年11月の米大統領選の直前にプーチンを退陣させるための日程を逆算して、この時期からウクライナが攻勢を仕掛けるのが絶好のタイミングだと米国は判断している。米大統領選で劣勢とされているバイデン氏がトランプ氏に勝利するにはそれしかない。だから中共政府がそれを邪魔してはならない、と釘を刺しに行ったのではないか。
 インドはロシアから石油を買わない、と明言している。中国もロシア支援から手を退けば、残るは北朝鮮とイランだけになる。イランに対してはイランの独裁者を脅せばカタが付くし、北朝鮮の対ロ支援は無視しても良い規模だ。おそらく、習近平氏はバイデン氏の申し出を承諾するだろう。いよいよプーチンの命運は尽きようとしている。


<私事ながら>
この度、歴史小説「蒼穹の涯」を出版するためにCAMPFIREでクラウドファンディングをはじめました。既に電子版では公開していますが、紙媒体としても残しておきたいと思いますので皆様のご協力をお願いします。ちなみに電子版の「蒼穹の涯」を読みたい方はこちらをクリックして下さい。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。