いよいよプーチンの敗北が近づいているようだ。

プーチン大統領、2年前の停戦交渉合意案に同意の意向示す (ロシアメディア報道)

 ロシアのプーチン大統領は11日、ウクライナ侵攻をめぐり、2年前にトルコで行われた停戦交渉の合意案に、同意する意向を示したとロシアメディアが報じました。
 プーチン大統領は11日、モスクワを訪問した同盟国・ベラルーシのルカシェンコ大統領と会談しました。
 この席で、ルカシェンコ大統領が、2022年3月にトルコのイスタンブールで行われた、ウクライナとの交渉で話し合われた停戦の合意案に立ち戻ってはどうかと提案したのに対し、改めてプーチン大統領が同意の意向を示したと、複数のロシアメディアが12日伝えました。
 イスタンブールでの合意案は、ロシア軍が侵攻前の地点まで兵を撤退することや、ウクライナがNATO加盟を放棄し、代わりとして、関係国によるウクライナの安全を保障すること、クリミア半島の軍事的解決の15年間放棄などがウクライナ側から提案され、ロシア側も前向きに評価していました。しかし、その後、両国による対面交渉は中断され、ロシア側は、「ウクライナが和平交渉を中止した」と批判していました>(以上「日テレNEWS」より引用)
イスタンブール合意(ウクライナが2年前に出した停戦案)の内容
・ロシア軍が侵攻前の地点まで兵を撤退する
・ウクライナがNATO加盟を放棄
・関係国によるウクライナの安全を保障する
・クリミア半島の軍事的解決の15年間放棄(15年間は現状維持)




 なぜ今頃になって? との疑問がわく。一部マスメディアではロシア軍の攻勢の前にウクライナが苦戦している、と報じられているからだ。もちろんロシアによるウクライナ国内の発電所などに対する攻撃で、ウクライナ国内の社会インフラが大打撃を受けている。
 しかし、その一方でウクライナによるドローン攻撃でロシアの石油精製所などが破壊され、約十数%ほどガソリンの製造能力が失われたという。それによりロシア国内のガソリン価格が20%ほど高騰しているという。ガソリン以外の消費者物価も西側諸国の冷材制裁などにより10%ほど高騰しているという。

 ロシア国内の戦時経済によるインフレは確実にロシア国民の生活を圧迫し、厭戦気分が蔓延している。既に戦死傷したロシア兵は30万人を超え、その影響もロシア全土に及び反戦を叫ぶ女性たちの活動も表面化している。
 さらに中央アジアやシベリア以東の少数民族やトルコ人の暮らす地域ではロシアから分離・独立を求める声が高まっている。プーチンはウクライナとの戦争だけでなく、国内経済や中央アジアやウラル山脈以東の地域にも目を光らせなければならなくなっている。

 今のところ中国は親露方針を維持しているが、歴史的に中国とロシアは領土を巡って対立してきた。いつ沿海州や中央アジアに向かって、人民解放軍が動き出さないとも限らない。なぜならロシアは極東の軍の多くをウクライナ戦線へ派遣したため、極東が手薄になっているからだ。
 たとえば北方領土には約3,000の兵員が駐留していたが、現在は1,000名に削減されている。当然ながら、対中国に対する備えも手薄になっている。今ならロシア領を奪える、と考えれば中国がロシア領内へ軍事侵攻しない保証はない。台湾軍事侵攻よりも、ロシアへ侵攻する方が中共政府にとって国際的なリスクは少ないだろう。

 ウクライナが2年前に出した「イスタンブール合意」の線でロシアが停戦する用意がある、と表明したという報道はある面で真実味がある。ただイスタンブール合意から2年経過している。クリミア半島を15年間もロシア支配下に置くことにゼレンスキー政権がウクライナ国民の合意を得ることが可能だろうか。
 やはりゼレンスキー氏は停戦条件としてウクライナが独立した当時の国境線までロシア軍が撤退するのを譲らないだろう。プーチンがイスタンブール合意を持ち出したことにより、ウクライナは死力を尽くして領土奪還に向けて戦うだろう。いよいよプーチンの敗北が近づいているようだ。


<私事ながら>
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