イエレン氏は「何をしに中国へ」?

<イエレン米財務長官は8日、中国の銀行と輸出企業に対しロシアの軍事力強化を手助けしないよう警告を発し、4日間の訪中を締めくくった。

 同長官は北京の米国大使公邸での記者会見で、「中国などの企業はロシアの戦争に物質的な支援をしてはならず、そうすれば重大な結果に直面すると私は強調した」と明らかにし、「ロシアの国防産業基盤に軍事品やデュアルユース品を流すような重大取引を促進する銀行は、米国の制裁リスクにさらされることになる」と述べた。

 「デュアルユース」は軍民両用で利用可能な製品やテクノロジーを意味する。イエレン長官の発言は事前に用意されたテキストに基づいている。
 ロシアによる2022年2月のウクライナ侵攻開始後、米国とその同盟国はロシアに対し制裁を発動。そうした制裁の網をかいくぐろうとする世界中の企業への取り締まりにも取り組んでいる。中国はこれまでも警告を受けてきたが、イエレン長官が今回発したメッセージは、制裁を直接ちらつかせるという点で異例。

過剰投資
 ロシアのラブロフ外相はウクライナの問題などを話し合うために8日に北京入りした。ロシアがウクライナで始めた戦争について、中国は中立の立場だとしているが、戦争開始後にロシアとの取引は急増している。
 米国が金融機関に科し得る究極の制裁は、米財務省によるドルへのアクセス遮断だ。仮にそうした制裁が行われれば、国際業務を手がける銀行は存続が脅かされる。ese Fact  中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁とも会談したイエレン長官は8日、「中国の持続的なマクロ経済の不均衡、すなわち家計消費の低迷と企業の過剰投資が、特定の産業部門に対する政府の大規模な支援によって悪化し、米国をはじめとする国々の労働者や企業に重大なリスクをもたらすことを特に懸念している」と語った。
 中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁とも会談したイエレン長官は8日、「中国の持続的なマクロ経済の不均衡、すなわち家計消費の低迷と企業の過剰投資が、特定の産業部門に対する政府の大規模な支援によって悪化し、米国をはじめとする国々の労働者や企業に重大なリスクをもたらすことを特に懸念している」と語った。  
 米財務省当局者によれば、イエレン長官は中国に対し、内需を刺激するためにもっと努力するよう特に求め、 これに対し中国側はすでにその方向で措置を講じたと伝えたという。
 米中双方はまた、「国内・世界経済のバランスの取れた成長」に特化する新たな協議を始めることで合意した。実質的に中国の供給面での過剰投資に対処するとみられる。同協議はワシントンで開かれる2つの米中作業部会の間の会合で来週開始されるとイエレン長官は発表した>(以上「Bloomberg」より引用)





イエレン米財務長官、金融制裁示唆し中国に警告-ロシアの戦争巡り」との見出しでイエレン氏の訪中の成果をBloombergが報じた。中国は経済崩壊に到っている国内事情から米国との関係を改善しようとしている。しかし中国の笑顔に騙されてはならない。
 イエレン氏の「対ロ制裁破りのような中国の親露策を止めよ」と釘を刺したのは正しい。ロシアから原油などを爆買いしているのは対ロ制裁に反するものだ。それは中国だけではない、インドもロシアから原油を爆買いしている。

 儲かりさえすれば何をしても良い、というのでは国際社会は成り立たない。国際秩序を乱すものに対しては先進自由主義諸国が団結して経済制裁すべきだ。中国も先進自由主義諸国との珪砂性関係を進化させて経済大国になったのだから、中国も先進自由主義諸国の規範に従うべきだ。それができないのなら、先進自由主義諸国は対中デカップリングするだけだ。
 そうすれば中国は忽ち「世界の工場」から「世界の工場の廃墟」になる。空論ではない、現在の広州や深圳を見れば明らかだ。そして中国がWTOに参加した「改革開放」策が実は「韜光養晦」(才能を隠して、内に力を蓄える)策に衣を纏ったものでしかないことがバレてしまった。そんな裏表のある国と先進自由主義諸国が関係を深化するのは国際社会にとって危険だ。

 米国は対中デカップリング策を進めるべきだ。習近平氏は昨日まで「米国は敵だ」と叫んでいた。しかし中国経済が崩壊過程に入っていることに気付いたのか、米国に縋りつこうとしている。いや米国だけではない。四年ぶりに日中韓三ヶ国首脳会談を開催しようと持ち掛けてきた。
 日本政府に中国からの日中韓三ヶ国首脳会談開催の求めを拒否する理由はない。堂々と領土的野心を捨てよ、と李強氏に主張すべきだ。そして国内の少数民族に対する人権弾圧を止めよ、と批判すべきだ。そこで李強氏が「内政干渉だ」とステレオタイプの回答したなら、三ヶ国首脳会談する意味がない、と椅子を蹴って帰国するが良い。これ以上、中国に遠慮する必要はないし、中国と会談が決裂したとしても、日本に不利益は何もない。

 イエレン氏は「中国の持続的なマクロ経済の不均衡、すなわち家計消費の低迷と企業の過剰投資が、特定の産業部門に対する政府の大規模な支援によって悪化し、米国をはじめとする国々の労働者や企業に重大なリスクをもたらすことを特に懸念している」と語ったようだが、なぜ簡単に「デフレ不況の輸出は許さない」と云わなかったのだろうか。小難しい話をしても、習近平氏は理解不能だ。
 中国経済の崩壊は「自由市場」で成長してきた中国経済を「統制経済」に移行させて、すべてを統制し習近平氏の支配下に置こうとしたのが主たる原因だ。そして米国を盟主とする先進自由主義諸国の輪を「サプライチェーン」を梃子に寸断し、世界をも支配しようとしたのが間違いの元だ。

 米国は既に米国債を大量に売り払って「元」の対ドルペッグ制維持が不可能になっている中国経済から米国をデカップリングして、対中デリスキング策を採るべきだ。イエレン氏が何をしにノコノコと中国へ出掛けたのか、彼女の目的が判然としない。
 中国は無視して、何もしないで良い。習近平氏の馬鹿げた経済政策のお蔭て、中国は自壊している。誰が手を下す必要はないし、誰も中国を助けられない。不良債権と超過借り入れで膨張しきったB/Sがマトモになるまで、中国経済は奈落の底に落ちていくしかない。長年会計原則を無視し、統計資料を改竄して来たツケを中共政府は支払わなければならない。


<私事ながら>
この度、歴史小説「蒼穹の涯」を出版するためにクラウドファンディングをはじめました。既に電子版では公開していますが、紙媒体でも残そうと思いますが原稿用紙1,000枚を超える大作で私個人の力では出版に及ばないため、よろしくお願い申し上げます。ちなみに電子版の「蒼穹の涯」を読みたい方はこちらをクリックして下さい。

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