日本はもちろん欧米は祖国の独立と自由のために戦っているウクライナ国民を見捨てるようなことがあってはならない。
<ロシアのウクライナ侵攻開始から24日で丸2年となった。東アジアでは北朝鮮がミサイル発射を繰り返し、中国が領土的野心を隠さない。日本はどうやって自国を守ればいいのか。自衛隊制服組トップの統合幕僚長を4年半にわたり務めた河野克俊氏(69)が夕刊フジ創刊55周年の特別インタビューに応じ、厳しさを増す日本の安全保障環境について語った。国民の自衛隊に対するイメージも大きく変わったが、今後のあり方についても言及した。
◇
ロシアはウクライナの東部と南部の計4州を一方的に併合した。昨年のウクライナの反攻は思うように進展せず、守勢に回っている。
河野氏は「ウクライナが西側の軍事援助に頼っていることが一番の弱点だといえる。ウクライナは当面は守りを固める戦略と思われるが、ウラジーミル・プーチン大統領の戦争目的はウクライナの非軍事化、中立化、非ナチ化だ。4州を取っても目的を達成したことにはならない。ウォロディミル・ゼレンスキー政権を倒すところまで続けるのではないか」と話す。
西側諸国の「支援疲れ」も目立つようになってきた。
「援助が小出しであることが最大の問題だ。西側諸国はロシア国内を攻撃できるような射程の長い兵器を引き渡すとともに、ウクライナ国内の防衛産業構築も急ぐべきだ。日本の復興支援も否定はしないが、戦争を終わらせることを考えるのが先だ。装備も渡せるものは渡す。これは政治決断でできる」
ロシアはウクライナに対して核を威嚇に使った。これが核不拡散条約(NPT)体制を揺さぶっていると河野氏は強い懸念を示す。
「核保有国のロシアが、非保有国のウクライナを核で威嚇したことで、北朝鮮が核を持つ理屈を正当化してしまう。日本の安全保障環境にとって極めて深刻な状態だ」
中国の習近平国家主席
日本周辺では、中国が勢力拡大を進めている。海洋上に一方的に定めた「第一列島線」の中国側には香港、台湾と沖縄県・尖閣諸島がある。
「香港は完全に抑えられた。台湾では、中国に屈服しないスタンスの頼清徳次期総統選の任期は2028年だ。習近平政権の3期目が終わるのは27年なので、政治的な併合は難しいと判断し、軍事力も含めた併合を狙う可能性もある」と警鐘を鳴らす。
自衛隊が抱える矛盾解消を
「台湾有事は日本有事」といわれるが、台湾有事に日本や日本人が戦争に巻き込まれること以外にも重大なリスクがあると河野氏は強調する。
「中国は、台湾併合という目的のために尖閣に手を出すことは恐らくないだろう。日米安保条約の適用対象となって米軍が出てくるためだ。逆に言えば、尖閣は無人島だから攻撃する必要がない。台湾を確保すれば日本のシーレーン(海上交通路)である台湾海峡は中国に抑えられ、経済的にも非常に苦しくなる。自衛隊が尖閣に常駐していないのは戦略上、非常にまずい」
日本は2027年度に防衛費を国内総生産(GDP)比2%まで増やす計画だ。
「防衛力の強化は着実に進めていくしかないが、日米と台湾の関係強化も重要だ。いま日本と台湾の軍事交流がないが、実際に演習をやらなくても、図上で実施することも検討すべきだ」
日本と米国の同盟関係についても、一段と強化することが必要だと河野氏は説く。
「安倍晋三元首相も危機感を持って安全保障法制を整備し、限定的な集団的自衛権まで踏み込んだ。今後は、米国が危うい時に日本が助けるなど、対等でフルスケールの集団的自衛権に移行しないと、米国との関係はうまくいかないのではないか。核シェアリング(共有)もタブーなしで議論すべきではないか」
自衛隊が発足した1954年に河野氏も生まれた。
「昭和30年~40年代は野党第1党の社会党は『自衛隊は憲法違反』という立場だった。自衛官の顔が国民から見えなかった時代がずっと続いたが、1991年のペルシャ湾への掃海部隊の派遣以来、国民の自衛隊への信頼感が増えてきたと感じる」
東日本大震災など災害の際の救援活動も存在感を高めている。今後の自衛隊はどうあるべきか。
「憲法9条に自衛隊を明記することになれば一歩前進だが、それだけでは不十分だ。現行の自衛隊法は『ポジティブリスト』で、やっていいことが限られている。諸外国の軍隊は『ネガティブリスト』で、やってはいけないと決められたことや国際法を守ること以外は柔軟に運用できる。自衛隊が抱える矛盾を解消して、諸外国並みに活動できるようにすることを見据えてほしい」>(以上「夕刊フジ」より引用)
マタゾロ核武装論者がマスメディアに登場した。河野克俊(元統合幕僚長)氏が「ウクライナ侵攻開始から2年、厳しさ増す日本の安全保障 「核共有もタブーなしで議論すべき」」との論評を発表した。幾度か繰り返すうちに、核武装論がタブーでなくなることを目論んでいるかのようだ。
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ロシアはウクライナの東部と南部の計4州を一方的に併合した。昨年のウクライナの反攻は思うように進展せず、守勢に回っている。
河野氏は「ウクライナが西側の軍事援助に頼っていることが一番の弱点だといえる。ウクライナは当面は守りを固める戦略と思われるが、ウラジーミル・プーチン大統領の戦争目的はウクライナの非軍事化、中立化、非ナチ化だ。4州を取っても目的を達成したことにはならない。ウォロディミル・ゼレンスキー政権を倒すところまで続けるのではないか」と話す。
西側諸国の「支援疲れ」も目立つようになってきた。
「援助が小出しであることが最大の問題だ。西側諸国はロシア国内を攻撃できるような射程の長い兵器を引き渡すとともに、ウクライナ国内の防衛産業構築も急ぐべきだ。日本の復興支援も否定はしないが、戦争を終わらせることを考えるのが先だ。装備も渡せるものは渡す。これは政治決断でできる」
ロシアはウクライナに対して核を威嚇に使った。これが核不拡散条約(NPT)体制を揺さぶっていると河野氏は強い懸念を示す。
「核保有国のロシアが、非保有国のウクライナを核で威嚇したことで、北朝鮮が核を持つ理屈を正当化してしまう。日本の安全保障環境にとって極めて深刻な状態だ」
中国の習近平国家主席
日本周辺では、中国が勢力拡大を進めている。海洋上に一方的に定めた「第一列島線」の中国側には香港、台湾と沖縄県・尖閣諸島がある。
「香港は完全に抑えられた。台湾では、中国に屈服しないスタンスの頼清徳次期総統選の任期は2028年だ。習近平政権の3期目が終わるのは27年なので、政治的な併合は難しいと判断し、軍事力も含めた併合を狙う可能性もある」と警鐘を鳴らす。
自衛隊が抱える矛盾解消を
「台湾有事は日本有事」といわれるが、台湾有事に日本や日本人が戦争に巻き込まれること以外にも重大なリスクがあると河野氏は強調する。
「中国は、台湾併合という目的のために尖閣に手を出すことは恐らくないだろう。日米安保条約の適用対象となって米軍が出てくるためだ。逆に言えば、尖閣は無人島だから攻撃する必要がない。台湾を確保すれば日本のシーレーン(海上交通路)である台湾海峡は中国に抑えられ、経済的にも非常に苦しくなる。自衛隊が尖閣に常駐していないのは戦略上、非常にまずい」
日本は2027年度に防衛費を国内総生産(GDP)比2%まで増やす計画だ。
「防衛力の強化は着実に進めていくしかないが、日米と台湾の関係強化も重要だ。いま日本と台湾の軍事交流がないが、実際に演習をやらなくても、図上で実施することも検討すべきだ」
日本と米国の同盟関係についても、一段と強化することが必要だと河野氏は説く。
「安倍晋三元首相も危機感を持って安全保障法制を整備し、限定的な集団的自衛権まで踏み込んだ。今後は、米国が危うい時に日本が助けるなど、対等でフルスケールの集団的自衛権に移行しないと、米国との関係はうまくいかないのではないか。核シェアリング(共有)もタブーなしで議論すべきではないか」
自衛隊が発足した1954年に河野氏も生まれた。
「昭和30年~40年代は野党第1党の社会党は『自衛隊は憲法違反』という立場だった。自衛官の顔が国民から見えなかった時代がずっと続いたが、1991年のペルシャ湾への掃海部隊の派遣以来、国民の自衛隊への信頼感が増えてきたと感じる」
東日本大震災など災害の際の救援活動も存在感を高めている。今後の自衛隊はどうあるべきか。
「憲法9条に自衛隊を明記することになれば一歩前進だが、それだけでは不十分だ。現行の自衛隊法は『ポジティブリスト』で、やっていいことが限られている。諸外国の軍隊は『ネガティブリスト』で、やってはいけないと決められたことや国際法を守ること以外は柔軟に運用できる。自衛隊が抱える矛盾を解消して、諸外国並みに活動できるようにすることを見据えてほしい」>(以上「夕刊フジ」より引用)
マタゾロ核武装論者がマスメディアに登場した。河野克俊(元統合幕僚長)氏が「ウクライナ侵攻開始から2年、厳しさ増す日本の安全保障 「核共有もタブーなしで議論すべき」」との論評を発表した。幾度か繰り返すうちに、核武装論がタブーでなくなることを目論んでいるかのようだ。
しかし日本は断じて核武装などしてはいけない。非核三原則は死守すべきで、先の大戦で散華した先人たちに報いる最大の決意ではないだろうか。その代わり、日本こそが核兵器を無力化するゲームチェンジャー・防衛兵器を開発すべきだ。その一つがレールガンであり、その一つがレーザー砲だ。
ご存知のように、核兵器はミサイルによって遠隔地から運搬して核爆発させ敵を一瞬で殲滅させる兵器だ。大砲のように火薬を用いて発射することなどあり得ないし、地雷のように仕掛けることもあり得ない。つまり核弾頭を搭載したミサイルを迎撃すれば核兵器は効果が著しく損なわれる兵器だ。
そうすると、ミサイルを迎撃すれば核兵器は無効化する。つまり核兵器に対抗するにはミサイル迎撃兵器を開発すれば良い。そしてドローン攻撃に対してはレーザー砲や電磁波兵器が有効だというから、その方面でも防衛兵器開発を急がなければならない。ウクライナ戦争を見れば歴然としているが、もはや戦争において肉弾戦を果敢に実行する時代ではない。
河野氏はいつの時代の話を繰り返しているのだろうか。「自衛隊が抱える矛盾解消を」いう章は噴飯ものだ。自衛隊が憲法違反だというウスノロは現代の日本では絶滅危惧種だ。自由が認められる社会だからこそ、「自衛隊違憲論」が辛うじて棲息しているだけであって、大方の国民世論は「自衛隊が抱える矛盾」があるとは考えていない。
ただ海外へ出掛けて自衛隊が戦争をすることに対しては国民のコンセンサスが確立されているとは言えないし、憲法に違反していないと考える国民も多くはない。だから上述したように防衛兵器の開発を急ぐべきだと考える。
ウクライナ戦争に関して云えば、決してウクライナにとって戦況が著しく悪化しているとは思えない。むしろ大量の兵を消耗品のように戦線に投入して捗々しい戦果を挙げられないロシアのプーチンこそ苦境に陥っている。その証拠がインドと中国が揃ってロシア産原油の爆買いから手を退く方針に転じたことだ。
絶対的に優勢なプーチンが獄に投じたワリヌイ氏を殺害しなければならなかった理由があるとしたら、プーチンが苦境に陥っているからではないか。日本はもちろん欧米は祖国の独立と自由のために戦っているウクライナ国民を見捨てるようなことがあってはならない。