四分五裂のネトウヨを嘆く。

罵詈雑言に誹謗中傷で見事な分断。見ているだけなら楽しいネトウヨ“冬の陣”が勃発
「安倍晋三が好きだよね♪」という絆でつながっていたネトウヨたちの大同団結が、いまそこかしこで崩壊を迎えている。
 もともと「絆」は、馬や牛などの家畜の足をつないで逃げられないようにする縄のことだ。
「情に絆(ほだ)される」と書くように、絡めとられて簡単には抜けられない、どうしようもなく心や行動の自由を縛るものという意味合いがある。
 それを「愛」ととるか「呪縛」ととるか、はたまた「しがらみ」や「世間」ととるかは捕らわれた人によるが、ネトウヨたちの様相を見ていると、「安倍晋三という絆」が消滅したことで散り散りになっていく、主人を失った家畜のようである。

月刊「Hanada」は、最新号も絶好調だ。

 日本保守党特集とともに、裏金問題で辞任した安倍派幹部「5人衆」の西村康稔、萩生田光一、世耕弘成のインタビューを華々しく掲載。それぞれ辞任の直前に収録したものだ。
 インタビュアーの花田紀凱は、裏金問題を「大した金額じゃない」「政治資金報告書に記載しておけば問題にならなかった程度の話」と流し、「統一教会問題は魔女狩りだった」「萩生田さんか西村さんをトップに推して、世耕さんがナンバーツーとして派閥を支える手もある」など、擁護とヨイショの限りを尽くす。まさかその直後に3人とも更迭されるとは思わなかっただろうが、ある意味タイムリーで、3人がいかに総裁候補になりうる存在かを宣伝する内容になっていた。
 かたやアンチ自民党の日本保守党特集では、百田尚樹、有本香、河村たかしの対談を掲載。何度も聞いた話のこすり直しだったが、「私たち、日本保守党をもっと応援します!」という記事がつづき、トップバッターとして武田邦彦が賛辞を述べていた。
 武田は、すっかり参政党への恨みに憑りつかれてしまったようだ。自身の動画で「“女帝”と呼ばれる神谷宗幣の愛人が、参政党を支配している」という話などを暴露しつづけ、ほとんど“ガーシー状態”と化している。ネットの闇にハマった科学者の晩年とは、かくも哀れなものなのかという事例をまた1つ増やした格好だ。
「Hanada」には、ほかに有名どころで、デヴィ夫人、芸人のホンコン、AV監督の村西とおるもエールを寄せている。
 特に、村西とおるの文章はひどい。有本香を「北関東一の名器」と書くなどスポーツ新聞のピンク面かと見まごうような卑猥な言葉のオンパレードで、私が有本だったら絶対怒るけどなと思う内容。村西に依頼する時点で、こうなるのはわかっているわけだが、そのまま掲載する編集方針のむちゃくちゃさは、もはや末期である。

ほとんどが百田尚樹とその関係者の絡んだネトウヨの紛争

「Hanada」公式SNSによれば、日本保守党の記事を紹介すると、編集部に誹謗中傷が押し寄せるらしい。ここ最近の自称保守界隈は、あちこちで人間関係がこじれて、誹謗中傷合戦が頻発しているのだが、ほとんどが百田尚樹とその関係者の絡んだ紛争なのだ。
 今号では、編集部だけでなく、日本保守党の応援企画に寄稿した自民党の長尾たかし(前衆院議員)が炎上。Youtubeで弁解する事態にまでなった。
※ 自身のYoutubeライブで炎上について語る長尾たかし
 長尾は、「旧宮家筋、男系男子を遡り『血』を最優先」と発言し、「男の血」にこだわっているゴリゴリのネトウヨだ。
 衆院議員時代の2015年には、沖縄の新基地建設に反対する市民運動を「反社会的」と書いたほか、自民党若手議員の勉強会の席で、百田尚樹が「沖縄の2つの新聞社は潰さなアカン」と発言したことに同調し、「沖縄の歪んだ世論を正しい方向に持っていくためには、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られている中、大事な論点だ」と発言。
 墜落事故を懸念して反対運動が起きていたオスプレイについては、「オスプレイ反対運動の背景には、中国共産党が見え隠れします」とネトウヨ的妄想を全開にしたデマを飛ばしまくってきた。
 また、伊藤詩織さんレイプ事件の際には、伊藤さんを「枕営業」と揶揄するイラストを描いて誹謗中傷したイラストレーターのはすみとしこ、その友達の千葉麗子、花田紀凱らとともに杉田水脈議員のネット番組に出演し(あまりに絶望的な顔ぶれ……)、一緒になって伊藤さんを笑い者にするという品性下劣な面を見せていたのを記憶している。
 もともと安倍チルドレンで、百田を慕っていた極右ネトウヨなのだから、今は議員でもないし、日本保守党にエールを送るのも不思議ではない。しかし、「Hanada」への寄稿が原因で、自民党支持のネトウヨたちから「裏切り者」扱いされて炎上したらしい。

大した影響力もないのに、なぜそこまで?

……と思ったら、原因は百田尚樹だった。
 極右ネトウヨ議員の代表格で、男系カルト「日本の尊厳と国益を護る会」を主催する青山繁晴議員に対して、百田がネット上で「クズ」呼ばわりしたことがあるらしい。その青山に、「次の選挙では応援する」と可愛がられているのが、長尾たかしなのだそうだ。
 青山は、“ネトウヨの尊師”と呼ばれる反共陰謀論系トンデモ議員である。
 沖縄に対して「沖縄の県知事候補を決めているのは中国共産党」「翁長知事は中国共産党から『初代琉球王になれる』と確約されていた」などぶっ飛び級のデマを吹聴してきたし、安倍晋三の死後は、街頭演説で「安倍さんの魂が僕の体に入ってきた」「背中に安倍さんが来て、僕の右側に回って、目があって、ものすごい勢いで斜め上にピューッと飛んで行かれた」と語るなど、スピった面も見せている。

■ネトウヨたちの声

 せっかく青山繁晴議員が応援すると言っているのに、青山氏を誹謗中傷している党首がいる政党にエールを送るとは。配慮がないのもほどがある。青山支持者の票が必要なのに青山支持者を敵に回したのではないか?
 単なる他政党の党首じゃないんですよね、百田氏は。繰り返し青山議員に関するデマを吹聴し、挙句の果てに「人間のクズ」呼ばわり。
 もうまともなヒトは長尾さんには近づかないでしょうね。
 なるほど!まともなヒトは青山繁晴に近づかないと思うが、長尾を叩いているのは、青山繁晴推しの極右ネトウヨたちで、ネトウヨ界にも安倍派と石破派ぐらい溝のある派閥が存在するということだ。
 ネトウヨ作家がネトウヨ議員をいかにもネトウヨらしく「クズ」呼ばわりし、「クズ」呼ばわりされたネトウヨ議員の可愛がっているネトウヨが、ネトウヨ作家にすり寄ったので、ネトウヨたちが「このクズめー!」と憎悪しているという構図だが、私から見ると、百田も青山も同じようなものにしか見えない……。

「極右ネトウヨ議員」vs. 「とにかくやばいひと」のワケのわからぬケンカ

 尊師・青山繁晴の子分と、尊師・百田尚樹の子分も、ここ最近、激しい乱闘を展開している。
 自民党の極右ネトウヨ議員・和田政宗と、“百田の妹分”と称され日本保守党員から愛されているイスラム学者・飯山陽だ。
 和田政宗は、竹田恒泰と絡んで強硬な男系固執を主張する議員だが、これまた筋金入りである。
 2016年には、辺野古移転に反対する市民たちが座り込み運動をしている現場に足を運び、巨大な拡声器を使って「座り込みは不法行為だ。速やかに撤去しろ」と演説。揉み合いになり、プラカードで叩かれて被害届を出しているのだが、和田が「加害者」とした人物の中には87歳の老女まで入っていた。
※ 「沖縄タイムス」が報じた和田政宗の辺野古演説の様子(2016年5月9日)
 2018年の森友学園問題では、公文書改ざん問題についての国会集中審議で、答弁に立った太田充理財局長(当時)に向かって、
「太田理財局長は、民主党政権時代の野田佳彦総理の秘書官も務めていた。増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないですか?」
 という伝説の民主党陰謀論を発射。
 怒りに震える理財局長が、「いくらなんでも、そんなつもりはまったくありません!それはいくらなんでも、それはいくらなんでも、ご容赦ください!」と答弁する様子はマスコミで繰り返し報道され、各方面から和田への非難の声が上がった。
 翌日の国会では、麻生太郎財相(当時)が和田について「軽蔑する」と述べる事態になり、和田の伝説的ネトウヨ発言は、議事録から削除されている。
 その和田ともめごとを起こしている飯山陽は、主にYoutubeでネトウヨ活動をしているのだが、動画のサムネイルを見る限り、「とにかくやばいひと」としか思えない。
 左右問わず気に食わない人間にイチャモンをつけては、SNS上で挑発し、相手がブチ切れると「敵」と認定して、ライブ配信、SNS、ブログで徹底的に叩いて炎上させるという手法を得意芸としている。八木秀次と同じ麗澤大学の教授らしい……。
 飯山は、中東の専門家として、かねてから和田政宗のクルド人に対する認識について物申したかったらしい。それなら学者として普通に論考を提示して解説すればよいのに、妄想をまじえた和田批判の動画を公開。
 これが事実と違っていたことで、和田からクレームが入り、それを発端としてSNS上で「なにが事実と違うのか?具体的に言え!」「自分の動画を見直せよ」「ただ事実を述べただけだ!」「自分の動画の34分47秒を見ろ。訴えるぞ!」「卑怯者!私をウソつき呼ばわりして執拗に攻撃してくるな!」「名誉棄損だ。学者なら事実に基づいて厳正に対処しろよ」「恥さらし!」「はい、訴えます」というような、わけのわからないケンカが公衆の面前で勃発。
 その間も飯山は、和田の発言をライブ配信で読み上げて煽りに煽りまくり、結果、和田が飯山を名誉棄損で訴えることになったようだ。飯山も飯山だし、和田も和田である。和田は裁判に訴えるのが好きな国会議員らしい。
 現在は、憤慨した和田政宗が、「保守論壇をけん引してきた人物」として、百田尚樹と激しく敵対しているネトウヨ文化人の上念司(!)や、ネトウヨYoutuberのKAZUYA(!!)の名前を挙げたことで、さらに炎が大きくなっている模様。もう、なにがなんだかわからないが、とにかくネトウヨ界はばらんばらんである。全部まとめて「絆」で拘束したほうがいい。
 そして政局は、そんなネトウヨたちの狂乱とはまるで関連しない政治資金問題によって、激震しているのであった。さて、選挙に向けて、どんな乱闘が起きるのか──。>(以上「MAG2」より引用)





安倍晋三という“拠り所”を失ったネトウヨが分断&狂乱…まるで「主人を失った家畜」」と題した論評を小林よしのり氏がMAG2に掲載していた。普段から翼の生えた連中を敬遠しているため、「保守党」の立ち上げなどネトウヨ界隈の話題はすべてスルーしていた。
 しかし選挙の洗礼も受けない内に内紛を始めたという。それを小林氏は「主人を失った家畜」だと評して愉快がっている。評論家や小説家が表舞台に立つために時の権力者に擦り寄るのは人品の成せる業だ。有象無象が蠢く政界の渦中に入り込むのではなく、超然と屹立して政界の人物模様を語り部として国民に分かり易く解説しようとしないのは政治家のポチでしかない。

 安倍氏はブリーダーよろしくポチを増殖していた。彼の傘下に入ると、逮捕状が出ていても握り潰してくれるし、オリンピックを食い物にしても「私が守る」と力強く応援してくれていたから、そうした胡散臭い連中がニワカ・ミトウヨとなって馳せ参じた。そうした連中が安倍氏亡き後、方向性を失って四散五裂している。
 元々確とした思想体系のない、気分的ネトウヨたちは安倍政治権力の周辺に群れていただけだ。安倍氏本人にも明確な右翼的思想体系など持ち合わせていない。その証拠が統一教会の広告塔だ。統一教会は「共勝連合」を謳いつつ、日本国民を朝鮮人化させる「合同結婚式」などを行っていることだ。

 保守党を立ち上げて、自民党右派を糾合するのかと思ったら、糾合するどころか右翼界隈の人々と紛糾しているという。様々な思惑があるのだろうが、かつての分裂と闘争を繰り返した左翼学生運動に勝るとも劣らない体たらくだ。
 私は日本に右翼は不要だとは思わない。しかしギャーギャー騒ぐだけのネトウヨは不要だ。少なくとも思想体系が明確で、誰にでも分かり易い論理を展開する者なら右翼であろうと左翼であろうと、健全な国民世論を形成する上で必要だ。日本国民の考えが一つに纏まる方が危険だ。現在の「CO2地球温暖化」や「高齢者運転車は免許返納せよ」といったマスメディア主導の世論形成は極めて危険だ。

 科学的な知見からいえばCO2はブランケット・ガスに違いないが、地球を温暖化させるには極めて微量で、むしろ水蒸気の方が1000倍以上も影響力を持っている、という事実を全く伝えないマスメディアは危険だ。
 高齢運転者が危険だ、というのは本末転倒で、そもそも自動車が危険な乗り物だという事実を隠蔽して語ることはフェアーでない。工業製品を使用して、年間4000人近い人が亡くなれば、その工業製品は出荷停止になるべき程度のものではないか。たとえば洗濯機を使用していて年間1000人も犠牲になっても、人々は洗濯機を使用し続けるだろうか。自動車そのものを製造する側に安全思想が全く不在だという事実こそ問題にすべきだ。やっと衝突回避や自動運転が導入されつつあるが、人に対して「害を加えない」自動車開発を怠ってきた自動車業界こそが批判されるべきで、決して高齢運転者ではない。もちろん運転出来なくなった高齢者は免許を返納すべきだが、それなら暴走運転する若者も免許を返納すべきだ。

 ネトウヨが四分五裂しているのは残念だ。保守党は一階の選挙の洗礼儲けないで、既に内部分裂しているとは情けない。繰り返すが、健全な国民世論形成には右翼も左翼も必要だ。ただし嘘はいけないし、対立する人を誹謗中傷するのも良くない。右翼にせよ左翼にせよ、翼を持っているのなら高い見地から論じるべきではないか。

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